レビューメディア「ジグソー」

世界の存亡を懸けた戦い。その中心に立つのは一匹のトカゲと、世界に絶望した大学生だった。

 父は友人に裏切られ死んでしまった。母は世を儚んで逃げ出してしまった。祖父は残された俺を、誰とも関わらずに生きるよう束縛して育てた。

 雨宮夕日(あまみや ゆうひ)は世界に絶望していた。両親はおらず、たった一人の肉親に「人を信じるな」と言われ育てられ続けてきた。人と交わらず、ただ平穏に、諦めたように生きていく。しがない大学生として暮らしていた彼に、転機は突然訪れた。

 ある日目を覚ますと、部屋には一匹のトカゲが居た。
 そして、そのトカゲは当たり前のように「話し」始めた。


「世界を救うため 力を貸してほしい」


 にわかには信じられない言葉。もちろん夕日は信じていない。
 だが、そんな意思とは裏腹に、彼は世界の存亡を懸けた戦いに巻き込まれていく―――。





『惑星のさみだれ』は現代社会の一つの街を舞台にしつつ展開される世界規模のSFファンタジー作品です。世界の破滅を目論む「魔法使い」と、それを阻止するべく選ばれた「騎士団」。言葉にすると単純でですが、実は複雑なストーリーや要素が絡み合った味わい深い作品なんです。

 世界に絶望していた夕日が「世界を救う側」に立った時何を想うのか。
 人を信じられなくなった夕日が「騎士団」という組織に属した時どう変わるのか。
 死んだように生きてきた夕日が「世界中の生死を背負った」時どう生きていくのか。

 巻を追うごとに変化し、時には成長していく「夕日」と「騎士団の仲間たち」。
 登場人物が発する感情や成長のエネルギー、その裏に隠されたバックボーンや、世界破滅を懸けた戦いの秘密。それらは次第に収束し、強靭な一本の道となり、最高のクライマックスへたどり着きます。



 

 読む度何度も涙をこぼし、数えきれないくらい心を揺さぶられ、時には人生観にまで影響を与えてくれた本作。周りの感想を聞くと「最初の1,2巻で飽きてしまった」という意見が非常に多いです。けれど前述したとおり、巻を追えば追うほど、この作品は盛り上がり、最高のクライマックスを迎えるんです。

 お時間あるようであれば是非手に取り、「最後まで」読んでいただきたい。
 私の大好きな漫画です。もしよろしければ、ご一読を。
  • 購入金額

    617円

  • 購入日

    2008年04月01日

  • 購入場所

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