Sing Like Talking。元々はバンド形態だったらしいが、メンバーが脱退したときにそれを補わず、結局ヴォーカル佐藤竹善とキーボード藤田千章というソングライティングチームにギタリスト西村智彦のみが残ったがユニットと言う形態になっている。シングルのビッグヒットはないが(アルバムはオリコン1位もある)、非常に玄人受けするグループで、音楽界にもファンが多く、まさに"Musician's Musician" 。
作風としては、洋楽の薫り高いファンキィでソウルフルなJ-POPにジャズ~フュージョン系のコード進行やラテン的リズムを取り入れた「凝った」音楽。そこに非常に上手いヴォーカリストである佐藤の声が乗る、という形。
最近は非常に寡作で17年で4枚しかアルバムを出していないような形だが、この作品は彼等が最も精力的に動いていた1990年代前半に出されたオリコン1位アルバム“togetherness”からのシングル「Together」のリミックス集。なんとオリジナルミックスは入っていない。4曲すべてがリミックスだが、二人のプロデューサーによって聴きあきない仕上げがされている。
手がけたのは“togetherness”のプロデューサーでもあったCat Grayと、Will SmithやMadonnaを手がけたArty Skye。Catが1曲目と4曲目、Artyが2、3曲目を手がける。
この中ではやはりArtyの方が元曲に関わっていないだけに攻めたミックス。2曲目の「All Around The World Mix」のラウドでルーズな感じの「アナログシンセで作りました」然としている?ビヨンビヨンのシンベが通しでブンブン唸る中、意外に軽いギターのカッティングが挟まれ、対比が面白い。中間部のリズム主体の間奏はキーボードライクな奏法に加工されたギターやワンコード風の進行がCOOL。
この作品の中では同じくArtyの手がけた続く「2X4 Mix」が出色だ。左右に散らされたハイハットで今度はドラム(リズム)主体のアレンジだが、4小節✕2のA・Bメロが8小節✕2のサイズに伸ばされ、2小節の歌あり+2小節の歌なしのセットにリメイクされている。4分音符を強く感じるフロア系のデザインは踊れる。
ギターのカッティングが通しで入れられ、ドラムスの残響がゲートかけられた「Brooklyn Raw Remix」はかけ声?もあって最もディスコ風だがこれはちょっと単調かな。
4ミックスとも別の曲として楽しめるほど元曲の良さが光った作品でもあるけれど、一つの素材を発展させて元とは違うなにかを作りながらも元曲を大切にする、という塩梅の難しさを感じた作品でもある。元曲のプロデュースに関わらなかったArtyの方が元に囚われなかっただけ有利?4曲の中ではArtyの方がそのさじ加減が良かった。
逆にアルバムがArtyプロデュースだったらこの作品はどういう出来になっていたのだろう?そんなことを感じさせたリミックス集です。【収録曲】
1. Together -Downtown Remix-
2. Together -All Around The World Mix-
3. Together -2X4 Mix-
4. Together -Brooklyn Raw Remix-
「Together」リミックスは見つからないので、あえてライヴで(元アレンジよりかなりジャジィ)。
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購入金額
1,200円
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購入日
1994年頃
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購入場所
北のラブリエさん
2014/07/09
それにしても竹善さんはほんとうに上手い。
最近のカバー集もいいですが、SLTのほうが好きだなぁ。
cybercatさん
2014/07/09
SLTもず~い分間あいた時にはこのまま消滅か、と思いましたが、何とか復活。
また以前のようなCOOLなアレンジに乗ったいい声をガンガン届けてほしいですよね。
北のラブリエさん
2014/07/09
cybercatさん
2014/07/09