レビューメディア「ジグソー」

カナル型の音質に抵抗を感じる方に

以前から何度か書いていますが、私はカナル型のインナーイヤーフォンが苦手で、最近では買うべき製品が見つからず、型落ちばかり探して買っているという状況でした。未だにaudio-technica ATH-CM7系やSennheiser MX760などを使っているくらいですからね。




先日何気なく見ていた某通販のメールマガジンで、手ごろな価格でこの製品が出ているのを見つけました。評判を調べてみるとかなり評価が割れているのですが、私の場合は世間で評判の良い製品を買うとがっかりすることが多いということもあり、面白そうだったので注文してみました。

取り敢えず届いてから8時間ほどエージングを済ましてからの音質で評価しています。20時間ぐらい使うと落ち着くようですが、現時点でも初期と比べるとある程度良くなっていますので、傾向を掴むには十分でしょう。ソースにはせっかくのハイレゾ音源ということで、「Chicago XXXVI "NOW" HD Studio Master」を利用しています。



まず一聴して気になったのは、低域方向の量感不足です。周波数的にはかなり低い方まで出ているのですが、量が薄めです。ただ、8時間経過後の方が初期よりは量が増えてきていますので、最終的には「低音がやや薄い」という程度にまとまるのでは無いかと思われます。

一方で感心したのがヴォーカルやピアノ・ギターなど楽器の質感がかなり良いのです。少し全体にわたってキャラクターが付く感じはするのですが、余計な付帯音はあまり感じられず、すっきりとまとまった音です。高域方向の解像度や透明感もなかなかではありますが、ややハイエンド方向が頭打ちという感じはします。ハイハットの音などにやや作り物感が乗ってしまうのが勿体ないところです。

それでも、実は送料・税込みで1,500円という処分品であったということを考えれば、素晴らしいと評して差し支えない音質です。元々は5~6千円で売られていた製品らしいのですが、その値段で買ったとしても一定の評価はできる水準のものです。低域ばかり分厚いカナル型を使っている方が聴くとかなりの違和感を感じると思いますが、ヴォーカルや楽器の質感は数倍高額なカナル型でもなかなか得られないものです。
  • 購入金額

    1,500円

  • 購入日

    2014年07月03日

  • 購入場所

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