リテールパッケージの730です。
データセンタークラスの信頼性をコンシューマーに、
というようなキャッチフレーズがあったかどうかは知りませんが、
コントローラーICにDC S3700と同じチップを使用しています。
茶箱と違ってリテールは箱が大きいです。
開けた1発目はコンシューマー向けと同一です。
ただ内ぶたを開けると付属品がぱらぱらと。
でも個人的にはクッションつきの茶箱の方が…おや、誰かが来たようだ
535はintelロゴが刻印だったのですが、
730の髑髏はシールです。
裏面の仕上がりは、やっぱりう~んな感じデスね。
ダントツの安定感
Crystal Disk Markの測定結果ですが、普通に綺麗な結果になりました。
シーケンシャル・リードのピークは460MB/s程で、
公称550MB/sには遠く及ばずでした。
このあたりは体感できそうなラインですね…。
シーケンシャル・ライトは公称270MB/sに対して300MB/sと余裕の達成。
しかもファイルサイズ、テストパターンに依らずド安定のデータレート。
よくあるパターンはファイルサイズが小さいと速度が落ち、
よくあるケースはxfillじゃなくランダムになると速度が落ち、
となるのですが、
4Kを除きどの条件でも公称値を超える上に数値が揃う安定っぷり。
(SSDで4K出ないのは仕様なのでしょうがない)
ランダムライト安定は好評価
ピーク性能は低いけど、全般的に性能が安定しているので、安心感があります。
サーバーの場合は性能予測とかリロケーションの都合があるので、
ピークより安定性というのはコンセプト通りの仕上がりかと思います。
果たしてコンシューマー用途でどれだけ効果があるのかという話ですが、
恐らくへたってくると目に見えて数値が悪化するんじゃないかと思います。
基本的にこのクラスのSSDを選んじゃうような方は寿命が来る前にリプレースしちゃうと思うので、あんまり意味ない気がしちゃいますけど。
なので正しい使い方はエンスージアストユーザーが使うのではなく、
エントリークラスのユーザーが使うべきなのかなぁとか思います。
もっともintelさんがそうゆう宣伝をしているわけではないし、
そうゆうところに向けて記事を書いているはずの各種雑誌でもそうゆう取り上げ方がされていないので勘違いの可能性が高いですけど。
基本的に性能ばらつきがちなSSDの中でこの安定度は好評価だと思います。
ピークが公称未達ですが、このSSDに関しては大事なのはそこじゃぁない。
ということでしょう。
用途次第
コンシューマー向けの価格帯でこのチップが出てきたのは良いことです。
ただあくまでも用途次第。
ピーク性能が必要ならRAIDにすればいいよね、
だってこれはそこよりも安定性重視のSSDなんだから。
と、割り切れる人じゃないと満足感は低いでしょうね。
データセンター用なんだからさぞ速かろうとか、
高い方が良いんでしょう?
みたいな感覚では価値を見いだしづらいです。
個人的には、サーバーか、性能を求めずリプレース予定もないマシンへの適用しかないかなぁと思います。
ノートも割とピーク性能を求めず長期利用するものですが、
生憎と730は消費電力が高いために向きません。
つまりざっくりすると
- メインマシンにRAIDで投入(RAID0でもそうそう壊れないよ)
- サブマシンにシングルで投入(5年ぐらいかなぁ)
というのが主な使い方になるかと思います。
なんにせよ、RAID0運用が現実的な視界に入るこの手のSSDがこの価格帯に入ってきてくれるのは素直に嬉しいですね。
解体記録
一応開封して確認しました。
お約束ですが、
このような行為は動作に支障をきたしたり、保証の範囲外の行為となります。
ふたをかぱりと開けるといつもとは違う感じの基板がお目見えします。
なんかでかいコンデンサは載ってるし基板側にプレソルがついている。
まぁプレソルっぽいのはペースト用マスクが共通で、
品種問わず全部半田印刷してるからなんでしょうけど。
つまり意外とTACTが長そうですね。
多分使用されるはんだ量のコスト差より先に劣化しちゃうんでしょうね。
だから結局大量にペーストを捨てることになるから、だったら一緒でしょ、
ということなんだとは思います。
このコンデンサは電源断時に最後のデータを書き込むためだそうで。
キャッシュ容量と書き込み速度と必要な電力を算出した結果、
このサイズになったんでしょう。
そしてSMD部品が圧倒的に増えてますね。
安定動作のために結構回路に気を遣っているんでしょう。
引っぺがして裏面を確認すると、
NANDの他にコントローラICとキャッシュ用のDDR3がいます。
なんというか変則的なのはNANDの載せ方。
通常片面偶数で配置するのですが、これは片面奇数。
普通は丁度良い容量を得るためにそうしてあります。
部品実装が片面だけで済めばその分コストが抑えられるから。
730の場合は両面受動部品が必須(場所取り合戦した結果)で、
どうせ両面積むならもういいじゃないか、になったんですかね。
テスト用プローブパッドとか実装密度とかで寄せていけば
片面にもう1チップ載りそうな気もするのですが、
その辺は製造コストとの兼ね合いでこうなったのでしょうね。
基板の層数の問題もありそうだし。
とゆか、コントローラIC大きいですよね?
型格調査はしませんが、DDR3-1600、512MBのキャッシュだそうです。
2枚で1GBキャッシュなのかな。
コントローラICが大きい分発熱密度が低いためなのか、
冷却用にケースと熱的接合されている気配はありません。
カラー的にはカプトンっぽく見えますね。
ちなみに蓋側は3M。自己主張が激しいです。
使わなかったデータ達
一応3G接続(携帯と似ててよろしくない表記だ)SATA2接続時の結果です。
傾向は一緒で、転送レートなりにキャッピングされている印象です。
編集後記
付属品にはあまり触れませんでしたが、
ケーブルはSATAケーブルで、CDにはマニュアルが入っているそうです。
なんというか、全般的にコスト重視で作られた印象があります。
もともとサーバーグレードの部品をコンシューマークラスに落とすので、
かなりのコストダウンが要求されたんだと思います。
ところどころチープだったりカッコワルイがあるのですが、
やはりこの価格帯にこういった性能のものが降ってきた、というのは喜ばしいです。
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購入金額
10,980円
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購入日
2015年11月頃
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購入場所
BUY MORE秋葉原
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