レビューメディア「ジグソー」

熱き心臓、摘出手術完了

オーディオなんちゃってマニア道。
オーディオ道は入ると底なし沼であることがわかっているので、「なんちゃって」ですがそれでも一般の人から見ればずいぶん金をかけているかもしれません。

それもどちらかと言えば、作り手のこだわりのある(物好きな)、古いと言われながらもガンコに王道を行く(かたくなな)ものに惹かれる傾向があり、一般的なメーカーは殆ど持っていません。

それはカーオーディオの世界でもまた。

2013年末に乗る現車、(初代)VOLVO V70 AWDはもうすぐ15年、12万キロ超のご老体。3回の専門店施工+DIY施工4回とかなりオーディオには手を入れてきたが、車の方がもう×。エンジンなど基幹パーツはまだまだ余命あるも、ゴム・樹脂系パーツの破損・破断、サスペンションのヘタリ、クーラントとオイルの滲み、フロントプッシュロッドのゴム破断、内装の浮きと、機関、見た目ともに完調に戻そうとするとかなりの大手術。さらに850/初代V70の持病ともいえるABS/TRACS警告灯の点灯=ABSユニットの劣化がまたまた出てくるにおよび、さすがに交換3回目ともなると躊躇し消費税が安いうちに買い換えることに。また以前はスバル系が扱っていたので車で5分のところにあった修理工場が、VOLVOの都市部偏重の販売ネットワーク再構成で隣接市にあったディーラーも整理され、現在ディーラー系は最短片道1時間半コース、いつも行っているオールドボルボの駆け込み寺

でも1時間コースと、年数的に整備が必要な割合が多くなってきたのに反して整備が結構不便なこともこれに拍車をかけた。

取りあえず、貯金をはたいて車を買い換えたので、先立つものがなく、さらに次車の標準装備がソコソコレベルでもあったので、オーディオは当面無施工で。ただ余裕が出てきたらいじりたいなぁ..と現車に積んである主要部品を下ろすことにした。めぼしいものはイマドキ珍しいほどの物量投入アンプ2つ

と、これ。
12年以上使ったから、だいぶくたびれているな...
12年以上使ったから、だいぶくたびれているな...
オーディオ沼でも特に「濃い」味わいを放つメーカー、McIntosh。ハイファイとか周波数特性とかそーゆーんでなく、感性的に濃密。みっしり詰まった表現形とアクが強いほどに濃密な音。特に在りし日の管球式アンプはその密な表現力でいまでも愛好家が多いらしい。

しかし、現在のMcIntoshは、トランジスタ化の波に乗り遅れ、経営も複数回かわり、昔日の濃さはない、とマニアはいう。

しかし、それでも他のブランドに比べるとねっとりと濃い濃密さを持つブランドではある。

その音色的特徴の他に
・黒いボディ
・基本的に左右対称なシルバーの滑り止めがついたノブ
・緑色の表示
・サイドウッドならぬフロントパネル両端に銀色の縁取りがある
・青色照明のピークメーター
という外見的特徴を持つのがアイデンティティ。
この左右対称なデザインが意匠。
この左右対称なデザインが意匠。
1990年にクラリオンが経営権を握ったことやスバルレガシィのオプションカーオーディオとして設定されたことから、近年の日本ではむしろカーオーディオブランドとしての知名度の方が高いかも知れない。

カーオーディオパーツとしては主にアンプ、スピーカーとヘッドユニット、CDチェンジャーを手がけたが、アンプとスピーカーがアメリカ生産だったのに対してヘッドユニット・チェンジャーは日本製で「所詮クラリオン」と陰口をたたかれもしたが、それでも当時の日本製ユニットに比べると遙かに「濃かった」。
「Maid in JAPAN」なので「マックラリオン」と陰口をたたかれた
「Maid in JAPAN」なので「マックラリオン」と陰口をたたかれた
当時の日本のヘッドユニットはアンプレスが頂点で、ナカミチCD-700Ⅱ、APLPINE “Juba” 7909J、DENON DCT A-1といった細密で透き通った音像を描き出すものが主流だったが、McIntoshはあくまで濃かった。アンプレスの最高級機、MX5000、MX4000はとても濃密、普及機にあたるCDレシーバーである本機も、「ねっとりと」までは行かないまでも充分に濃く、女性ヴォーカルは特にゾクゾク来た。宇多田ヒカル

の名曲「First Love」は震える唇の形まで判りそうな近さ。特に本機+CM4050の組み合わせで聴いていたときが濃密だった。

現在では購入後10年を超えているが、5年前にローディング不調になったときもきちんと直って返ってきた。ネットの情報を見るとまだ、部品も在庫があるようだ。そういう機体なので、車と一緒に売却するのが忍びなく、サルベージしたわけ。
リアパネル側。この他にDC/DC変換ボックスがある(汚れているので写真なし)
リアパネル側。この他にDC/DC変換ボックスがある(汚れているので写真なし)
次車のオーディオにソコまでかけるか判らないけれど、ネットの情報を見るとAC⇒DC変換をして、ホームユースで使っているツワモノもいるよう。そこまでしても使いたいと思わせる魔性の魅力がある機体、です。

【諸元】
・オーディオ部
 全高調波歪率:0.005%(CD再生、1kHz時)
 周波数特性:20Hz~20kHz(±0.5dB)
 SN比:112dB(EIAJ、CD再生時)
 チャンネルセパレーション:99dB
・CD部
 ワウフラッター:測定限界以下
・チューナー部
 受信周波数:AM552~1629kHz、FM76~90MHz
 SN比:AM50dB、FM70dB
 高調波歪率:AM1.0%、FM0.3%(1kHz時)
・総合部
 電源電圧:14.4V(10.8~15.6V)
 消費電流:1.0A
 外径寸法:本体188W✕58H✕160Dmm、DC/DCコンバーター156W✕28H✕71D
 重量:本体1.8kg、DC/DCコンバーター0.5kg
  • 購入金額

    158,000円

  • 購入日

    2000年08月26日

  • 購入場所

    レジーズ

31人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (10)

  • 北のラブリエさん

    2013/12/31

    ほほう、マッキンですね!
    カーオーディオには詳しくないのですが、アンプの組み合わせと見ていると、
    とても雰囲気のある音が出ていそうです。
  • cybercatさん

    2013/12/31

    ラブリエさん、性能がどうとか特性がどうとかの評価軸ではなく、音色の唯一性で「好きになる」音です。色と艶がある組み合わせですね。
  • 北のラブリエさん

    2013/12/31

    cybercatさんは濃い音、エロい音がおこのみですもんねb
    とても良くわかります(独り合点
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