■更新履歴
2015.11.5 Skylake世代のPentiumG4400と比較しました。ページ下のリンクからどうぞ。
2014.7.8 Pentium20周年記念モデルG3258のレビューを行いました。
このページの下のリンクから飛んでください。
2014.1.14 KaveriことA10-7850Kのレビューを行いました。
2013.12.30 ベンチのグラフ、結果、スクショの追加。
2013.12.29 初稿+速報版ベンチ掲載
IntelのLGA1150向けCPU「Celeron G1820」です。
性能が気になり、発売日の2013年12月29日にIYH!しました(;=゚ω゚)=333
【モデルナンバー(実クロック)】G1820 / 2.7GHz
【コードネーム】Haswell
【製造プロセス】22nm
【コア/スレッド】2 / 2
【L1/L2キャッシュ】(32KB+32KB+256KB)×2、L3 2MB
【コア電圧/TDP】不明/54W
【主な拡張命令】SSE4/SSE4.1/SSSE4.2/intel64/Xdbit/VT-x
【内蔵GPU】intel HD Graphics(MAX 1050MHz)
【Socket/Slot】LGA1150
【sSPEC】SR1CN
【リリース時期】2013年12月29日
【発売時の記事】
http://ascii.jp/elem/000/000/854/854606/
ついに登場した、LGA1150のHaswellベースのCeleronGです(;=゚ω゚)=333
前世代のIvyBridge世代のCeleronと比較した場合、動作クロックの2.7GHz、2コア/2スレッドという部分にはアドバンテージがありませんが、アイドル時の消費電力や大幅に強化された内蔵グラフィックなどが進化しています。
内蔵グラフィックはIntel HD Graphicsとなっています。上位のHaswellコアのPentiumGの場合は動作クロックが1100MHzでしたが、Celeronでは1050MHzへと少し下げられています。
対応メモリもCoreiシリーズではDDR3-1600MHz対応でしたが、PentiumG3200シリーズやCeleronGではDDR3-1333MHzに落とされています。
また、上位のPentiumGと比べ、L3キャッシュが3MB→2MBに減らされているのは従来のIvyBridge世代と同じです。
とは言え、これでローエンドから(メインストリームの)ハイエンドまで全てLGA1150プラットフォームへ移行したことになり、PCメーカーやショップブランドPCを組み立てるショップ側にしても恩恵があると思います。
価格もCeleronGの最下位モデルである、このG1820は4780円と円安かつ初値の割にはお手頃です。ほぼ同時に発売されたECSのH81マザー(H61世代とは違い、USB3.0やS-ATA6Gもサポート)が3980円で販売されていることを考えれば、もはや新しいマシンをLGA1155で組むメリットが無いでしょう(;゚∀゚)=3
果たして、どのような性能なのか気になるところです。
■外観&付属品
それでは、いつもの如く外観レビューから(`・ω・´) !
あいかわらず、センスがありすぎて理解不能な化粧箱のデザイン!
マレーシア製なのです。
最近はパッケージにTDPが書いてないのね・・・
付属品です。
・CPUクーラー
・インストールマニュアル
・CPU本体
まあ、いつも通りですね。
CPUクーラーはFoxconn製。
ふぉっくす紺子ちゃんなら(*´д`*)ハァハァ
型番は「E97379-001」でPentiumG3220付属のものと完全に一致。
DC12V 0.17Aとなります。
もちろん、銅入りの高級なものではありません。
ノーマルタイプでもTDP54Wと低めですしね。
マニュアルの裏にはエンブレムシールが付いていますが・・・
ついにCeleronの文字が消えました!
セロリンファンの俺涙目・゚・(つД`)・゚・
そして、「Celeron G1820」CPU本体です。
sSPECは「SR1CN」。マレーシア製です。
2.7GHzなのでクロックは頭打ち感がありますが、GPUが強化されているらしいので楽しみであります(;゚∀゚)=3
CPUの裏面です。PentiumG3220と同じですね。コンデンサの数も変わらないようです。
■動作させてみる
まずは組んで動作させてみましょう。
マシン構成
【CPU】Celeron G1820
【メモリ】DDR3-1600 4GB×2
【HDD】適当な320GBのやつ
【マザー】ECS H81H3-M4
【グラフィック】CPU内蔵 Intel HD Graphics
【ケース】適当なM-ATX with 220W SFX電源
【OS】Windows7 HomePremium64bit
※CPUクーラーは他のCPUのリテールクーラーを使いまわしています。
組んでみた。マザーが小型なのでスカスカです。
一発でBIOS起動。「ECS H81H3-M4」なら、初期BIOSでもG1820を認識していますね。
この後、Windows7(64bit)、最新のドライバ、アップデートを行いましたが、不安定な要素は一切ありません。今回はかなり古いSFX(M-ATXケース用)電源を使用しましたが、問題ありません。(Haswellでサポートされた省電力のC6/C7ステートを無効にしていればまず問題ないと思います。デフォルトで無効になっているマザーが多いですし・・・)
使用感としては・・・正直IvyBridge世代のG1610や上位のPentiumG3220と変わりません(^^; Windows7を触っている分にはヌルヌルですし、HD動画、ネット観覧程度でスペック不足になることは無いでしょう。やはり、性能はベンチマーク等で負荷のかかった状態で比較したいものです。
■ベンチマーク
やっぱり、CPUで気になるのは性能です。
前世代のIvyBridgeやライバルのAMDのローエンドAPUと比較することにしましょう。
比較対象は以下のCPU&APUです。
(CPUの型名をクリックすると私の当時のレビューへ飛びます)
・CeleronG1820(Haswell)・・・2.7GHz、2C/2T
・CeleronG1610(IvyBridge)・・・2.6GHz 2C/2T
・CeleronG555(SandyBridge)・・・2.7GHz、2C/2T
・PentiumG3220(Haswell)・・・3.0GHz、2C/2T
・PentiumG2020(IvyBridge)・・・2.9GHz、2C/2T
・A4-3300(Llano)・・・2.5GHz、2C/2T
・A4-5300(Trinity)・・・3.4GHz(TC3.6GHz)、2C/2T
上記の環境は全てWindows7 64bitです。基本的にベンチのスコアは私の過去のレビューから流用しています。ハードディスクやマザーボードなど一部の構成が異なる為、参考的にしてください。
■エクスペリエンスインデックス(Win7 64bit)
プロセッサやメモリは全モデルであるG1610から0.1ずつと順調にスコアを伸ばしております。やはり特筆すべきはグラフィックス関係。Aeroに関しては5.9とG1610を圧勝しています。A4-5300には敵わないものの大きな進歩と言えるでしょう。
ゲーム用グラフィックスもA4-3300と5300の間となっています。まあ、この辺は実際のゲームのベンチで見ることにしましょう。
■CrystalMark2004R3
ALU/FPUともにG1610から10%程度伸びています。G1610の方がクロックが100MHz低いですがその分を考慮してもIPCが上がっているのには間違いないですね。ほぼIvyBridge世代のG2020と同じスコアになっています。
グラフィック関係もA4-3300や5300に負けていないですね。さすが新世代のセロリン様なのです(;゚∀゚)=3
■CPU関係のベンチ
グラフはCeleronG1820を100%としたときの相対性能です。
CrystalMark2004R3(ALU)
CrystalMar2004R3(FPU)
午後のこーだーノーマルベンチ(マルチスレッド)
午後のこーだーノーマルベンチ(シングルスレッド)
3DMark06(CPUスコア)
3DMarkVantage(CPUスコア)
CINEBench R11.5(CPU)
※最新のR15ではありません。古いバージョンです。
CPU関係のベンチのスコア
【結果】
どのベンチでもIntelCPU同士だと、割とクロックに対して素直な結果が出ているのではないでしょうか。どれも2コア2スレッドですし・・・
SandyBridge世代の最上位のCeleronであるG555から1割程度の性能UPなので、このクラスからだとCPU性能を目当てに買い換えるというほどではありません。
相対的にAMD系のスコアが芳しくありません。元AMD信者(その前はネイティブなCyrix信者ですよw)としてはKaveriで大逆転をして欲しいところですが・・・
■GPU関係のベンチ
比較対象のCPUで行ったベンチを互換性を取る為にやや古いベンチを使用しています。
(新しめのゲームのベンチは次の項目で行います)
設定は指定の無い限りデフォルトです。
3DMark06(総合スコア)
3DMarkVantage(総合スコア)
ファイナルファンタジー11 Bench3(HIGH)
ファイナルファンタジー14 ベンチ(1280x720)
※新エオルゼアでは無い旧タイプのベンチです。
モンスターハンターフロンティア ベンチマーク3(大討伐)
ファンタシースターオンライン2 ベンチV1.00
※旧バージョンとなります。
きゃらコレ!ITちゃんダンシングベンチマーク
CINEBench R11.5(OpenGL)
※最新のR15ではありません。古いバージョンです。
GPU関係のベンチのスコア
【結果】
IntelCPUではCeleron、Pentiumに関わらず、Haswell > IvyBridge > SansyBridgeコアで綺麗にスコアが別れています。G1820が100%の場合、概ねSandyBridgeが30~40%、IvyBridgeが60~70%と言ったとことでしょうか。
つまり、SandyBridge世代から見ると、HaswellのCeleronの内蔵GPUは3倍速い(`・ω・´)!と言っても良いのだと思います。Haswellの内蔵GPUはなかなか速い!!!!
AMD勢との比較では、G1820はA4-3300を凌駕し、A4-5300には及ばないと言ったところですね。逆に言えばローエンドにおけるAPUのアドバンテージはさほど大きく無くなってきたことになりますね(´・ω・`)・・・
■GPU関係のベンチ2(比較的新しいもの)
比較的新しい環境でしかベンチを行っていないです。
解像度は全て1280x720です。
ファイナルファンタジー14 新生エオルゼア ワールド編
ドラゴンクエスト10 ベンチ
ファンタシースターオンライン2 ベンチV2.00
GPU関係のベンチのスコア2
【結果】
PentiumG3220と比較して5~10%低めと言ったところでしょうか。
とは言え、1280x720なら、FF14はやや快適、DQ10は普通とプレイアブルなスコアとなっています。とりあえず、これらのゲームをプレイするというだけなら内蔵GPUで事が足りてしまうんですね・・・
A4-5300はCPUの性能の割にスコアが健闘しています。内蔵GPUという意味ではまだAMDの方が僅かに有利なようですね。
■消費電力
各構成が異なるので参考程度に・・・
・アイドル時(起動10分後放置)
・Prime95(CPU負荷100%で10分放置)
・Prime95+FF14(CPU負荷100%でGPUにも負荷をかける。ベンチ完了まで放置)
Haswellはアイドル時の消費電力は低いですよね。GPU性能を考えるとロード時もそれほど悪く感じません。TDP35Wタイプの1820Tも欲しくなりますね。
■CPU温度
Corei7-2600Kのリテールクーラーを使ったので、G1820のリテールクーラーの温度とは異なると思います。(SmartFanの効き方にもよるでしょうし・・・)
・アイドル時:27度
・Prime95(10分):45度
・Prime95+FF14ベンチ(10分):47度
グリスバーガーにしてはヌルいと思います。このクラスだと発熱にあまり気を使う必要はなさそうですね。
■CPU-ZとGPU-Z
CPU-Zのスクリーンショット
CPU-Zで確認したところ、アイドル時のCPUクロックは800MHzまで下がります。
GPU-Zのスクリーンショット
■総評
HaswellコアとなったCeleronはIPCが前世代のIvyBridgeよりも向上している。
また、内蔵のGPU性能は大きく向上しており、上位のPentiumGと同様に1280×720解像度程度の多くのオンラインゲームが楽しめるレベルとなっている。
これが円安時期ながら、4000円台で実現できるのは素晴らしいと思う。
(IvyBridge世代の時点でもローエンドのグラフィックカードより速かったですし・・・)
そして、このCeleronとH81チップセット搭載マザーボードによりLGA1150プラットでローエンド域もカバーできるようになった。もう、安く済ませる為にLGA1155やH61マザーに固執する必要は無い(`・ω・´) キリッ!
良い所
・やっぱりCeleronは安い!
・GPU性能が大幅にUP!プレイ可能なゲームがグッと増えた。
・アイドル時は省電力
悪い所
・付属のエンブレムシールからCeleronの文字が消えた(´;ω;`)
・・・あとは特に無いですね(^^;
結論としては、サポートが切れる寸前のWindowsXP世代のハードを使っている人や、Core2Duo(又はそれ以前)のCPUを使っている方が安く乗り換える手段として大いに活用すべきだと思います。
CPU以外にもSSDの本領が発揮できるとか、USB3.0対応だとか、YouTubeに再生支援が効くのでソフトパワーで再生するよりも省電力だとか色々メリットがあるのです。更に円安が進む前のお一つ如何でしょうか?
■他のレビューへのリンク
Skylake世代のPentiumG4400との比較レビューを行いました。←NEW
Pentium20周年記念モデルことPentiumG3258のレビューを行いました。
KaveriことA10-7850Kのレビューです。
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購入金額
4,780円
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購入日
2013年12月29日
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購入場所
パソコン工房岸和田店
cybercatさん
2013/12/30
>ローエンドにおけるAPUのアドバンテージはさほど大きく無くなってきたことになりますね
コレだとAMD涙目。CPU性能と消費電力で後塵を拝するので、GPUだけはブッちぎりで行かないと..Kaveriというか対セレでは拡張版Jaguarが上手くいといいんですが...
「ひとつしか選択肢がない世界」というのはつまらないものですから。
ふっけんさん
2013/12/30
IntelのiGPUの性能向上は凄いです。
ただ、OpenGLの再現力が低いのか3D-CADとか触ると未だに描画が乱れて使えないというデメリットもあったりするんですね。
AMDは今後、普通のCPUは作らないらしいので、APUはもう少し頑張ってほしいけど、個人的にはGPU重視とCPU重視の2シリーズが欲しいですね。パワーユーザーから見ると、APUのグラフィックスは絶対中途半端な存在になるので、その為に電力が消費されるのは・・・
でも、Kaveriには期待しています(;=゚ω゚)=333
やっぱり、CPUベンダーもIntel、AMD、Cyrix、IDT、Riseとかあった時代が楽しかったですしねw
CR-Xさん
2013/12/31
PC自作、終了、終了。
私、2013はAMD離脱した年となってしまいましたねえ。
一時的となるか永久にとなるか…、AMDあんた次第だっ!
ふっけんさん
2013/12/31
まあ、アプリを多数立ち上げない限りコイツで十分って気がしますよね。
1スレッドあたりの性能は上位CPUと大きくは変わらないでしょうし。
Kaveriには期待したいけど8コアが無いんだよな(^^;