手持ちのフル5インチベイケースPC-P50Rは当然3.5インチHDD搭載にはマウンタが必要となる。標準付属のマウンタはベイ2つ分を消費して3台のHDDを搭載するものだが、せっかくのフル5インチベイ、極力ベイ消費は押さえたい。

現在2.5インチSASHDDという特異構成のため2.5インチ用マウンタを使っていたが、シンプルに3.5インチHDD1個を搭載したい事もあるだろうし、5インチ1ベイ用の3.5インチマウンタでいいものがあれば買うつもりでいた。

で、見つけたのがこのRaptor-N30。処分品なのかなんと100円というステキ価格。しかもなんか冷却ファンまでいついている。はじめてみる製品だったが、この値段ならたとえどんなものでも惜しくないのでとりあえずお買い上げ。

筐体は樹脂製で、金属製に比べると強度は落ちるだろうが、形状が複雑なのでそれなりに硬い。

HDD底面側には薄型の6cmファンを搭載できるようになっており、基盤側をしっかり冷やしてくれる。ファンの電源はペリフェラル4pinでファンコン等での制御には加工が必要だが、そのままでも薄型の6cmということで意外と静かだった。

そして最大の特徴が防振機能。正直そんな機能がついていることさえ知らずに買ったのだが、マウンタ部分と本体は完全に分離した形状になっていて、それを繋ぐのがなんと金属製のスプリング*4。側面から支えるようになっている。

シリコングロメットによる防震は色んなケースで見るようになったが、金属スプリングでわざわざ支えるとは豪快だ。

しかしぶっちゃけていうと、バラックで使った限りAntecP183のシリコングロメット付きトレーのほうが防震効果は高そう。

とはいえ確実に震動は抑えており、そのままケースに固定するのに比べたら全然震動の伝わり方は違う。密閉型のドライブケースのように熱を心配することなく、震動を抑えられるのだから、意外と実用性は高いんじゃないか。

ためしにPC-P50Rに搭載してHDDを動かしてみたが、ケースに震動が伝わりにくいだけでかなりおとなしくなってくれている。

但し先述の10連2.5インチマウンタ同様表側に当たる部分はないので、ケース標準のフタか何かで隠す必要がある。あとあくまで付属ファンは底面を冷やすだけなので発熱の大きいHDDの場合は表をメッシュにするなどしたほうがいいだろう。

ちなみにマウンタ部はトレー状になっているので、一時的な使用ならネジ止め無しでもハマル。そのまま地べたに置いてポンとHDDを乗せればバラック動作時の土台にもなるぞ！

ハングル文字そのままのパッケージと価格からはあまり期待していなかったが、意外と実用できそうだ。

しかし惜しいのが本体の固定ネジ。ネジ溝がきってあるわけではなく付属のタッピングネジでネジ溝をきりつつ締め付けるという安物ファンコン的な構造。ここがしっかりとしたネジ穴ならまさに文句なしだったのだが。

余談だが、3R SYSTEM公式サイトの製品紹介には、パッケージと異なり日本語訳版がある。誤訳ほどではないが独特の言い回しがステキすぎて個人的にじわじわ来る。

3R SYSTEM　カテゴ一別に見ゐ　耐振型HDDラック