所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。TVや映画のサウンドトラック。その映像作品のために作られたBGM、効果音集。そのため、その作品の世界を描き出そうとひとつのカラーでくくられている事が多い音楽達になる事がほとんどです。収録された曲がTVに使われ、あまりに有名になり、また、その曲が収められたアルバムがもともとコンセプトアルバムでもあったのでカラーが統一されていて、まるでそのTV番組のサントラのように捉えられている作品をご紹介します。
鳥山雄司。何度かご紹介している1980年代、学生デビューして以来
永く現役で活躍し続けているギタリスト。
彼は裏方的?には松任谷由実のツアーギタリストや、初期のシャ乱Qのアレンジ、葉加瀬太郎などのプロデュースとかなり多方面で活躍している「売れっ子」なのだが、一般的に知られているのはドキュメンタリー番組「世界遺産」のテーマ曲「THE SONG OF LIFE」のを作った人物としてだろう。
その「THE SONG OF LIFE」が収められているのが、“プラチナ通り”
につづく7作目のアルバムである本作。それまで2年前後の間隔で作品をリリースしていた彼としては初めて、6年もあけて出された作品。
「THE SONG OF LIFE」ばかり注目されるが、決して「世界遺産」のサントラではない。しかし、保前信英の7ページにわたる文章と影山徹の幻想的なアートワークに彩られた、夢や深層世界をテーマにしたコンセプトアルバムのため曲の風合いが似ていてそのまま「世界遺産」の挿入歌として使えそうな曲も多い。
アナログレコードのようなノイズではじまる「A POINT OF LAND」は途中の武部聡志のオルガンソロと鳥山自身によるギターとベース以外は打ち込みの曲だが、そのスケールの大きなメロディとオルガンの響きが荘厳で「THE SONG OF LIFE」と風合いが近い。
その「THE SONG OF LIFE」。3曲目に収められたのがテーマだが、ラストの「"WAS IT ALL A DREAM?" ~ THE SONG OF LIFE」も同一曲。この曲は後に色々なアレンジで録り直され、組曲化していくが、その奔りか。オーケストラ調の打ち込みで荘厳に始まり、ディストーションギターが朗々とテーマを奏でるこちらのアレンジに対してラストのはシンセの幻想的な効果音ではじまって生ギで弾かれるテーマが郷愁を誘う。
「ATE SABER」は、山根麻衣の艶があるヴォーカルがフィーチャリングされたファンキィな曲。後半のコーラスに被さるように遠くで鳴る鳥山のエンディングソロがいい感じ。
歴史を超えて遺された先人の知恵と感性の結晶たる世界遺産。精神界へ深く潜る旅を表したこの作品はとてもそのコンセプトとマッチしている。サントラではないのにどの曲が挿入歌に使われてもしっくりくるだろうと思わせる出来。
世界遺産は人間の創造と想像のたまものである、というのが納得できる作品です。
【収録曲】
1. SOMETHING IN THE WIND
2. A POINT OF LAND
3. THE SONG OF LIFE
4. CLOSING TOYS
5. WHAT HAPPEND?
6. ATE SABER
7. WITHOUT A DREAM
8. SHINING MONUMENT
9. LOOKIN' FOR ANOTHER PURE LOVE
10. ESCAPE FROM THE CITY
11. BELEZA
12. BEFORE THE SUNRISE
13. "WAS IT ALL A DREAM?" ~ THE SONG OF LIFE
悪くはないが、それまでとは大幅に路線が変わったので、旧来のファンは...?
それまでの「フュージョン系ギタリスト」という立ち位置から「ギターも弾く音楽プロデューサー」という感じに。曲そのものは悪くないのだが、「ギタリスト鳥山雄司」を期待して聴くと、チョットつらい...
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購入金額
2,800円
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購入日
1996年頃
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購入場所
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