UIDE-133/98はPC-9821シリーズ専用として限定98枚だけリリースされた、Ultra ATA/133対応ボードでした。これは当時秋葉原にあったアイ・オー・データ機器のショールーム、アイ・オー・プラザ秋葉原の店頭でのみ販売されたため、特に東京に出向くのが困難なユーザーからはかなりの不興を買う結果となってしまいました。そのため、後日全国から購入希望者を募り、希望数分だけ限定生産すると同時に、BIOSの一部改良を施した上で発売されたのが、末尾に「-A」と文字が付加されるUIDE-133/98-Aでした。
もっとも、限定「生産」と先ほど書きましたが、ボード自体はACARD製Ultra ATA/133対応ボードであるAEC-6280(RAID無し)またはAEC-6880(RAID有り)そのもので、この2つは当時アイ・オー・データ機器がPC/AT互換機向けに発売していたUIDE-133シリーズでも採用されていたボードで、ハードウェアの面では特に準備の必要は無かったのではないかと思われます。
UIDE-133/98シリーズは、それらのボードにPC-9800シリーズをサポートした専用BIOSを書き込むことで出来上がる製品だったということになります。
ちなみに初回に発売された無印UIDE-133/98についても、後日BIOSのアップデートサービスが実施され、UIDE-133/98-Aと全く同等のボードとして利用することが可能となりました。私は初回版のUIDE-133/98も所有していますが、これもBIOSアップデートサービスを受けていて、UIDE-133/98-A相当となっているものです。
出回っている全ての個体を調べたわけでは無いのですが、初回版のUIDE-133/98にはAEC-6880が、UIDE-133/98-AにはAEC-6280が、それぞれ利用されていることが多いようです。私の所有分もそのようになっています。
このあとSerialATA対応製品のS-ATA/98なども企画されていて、試作品が展示されこともありましたが、結局このUIDE-133/98-Aを最後にPC-9800系専用品はリリースされることは無かったようです。
実は前回取り上げたDIGITAL COWBOY DCT-FUTA1と、このUIDE-133/98シリーズとは、同じ方が企画されていたことを思い出しましたので、今回ここで改めて取り上げてみました。最近はこのような100パーセント趣味で企画されたような製品は見かけなくなりましたが、この頃まではまだ各社ともニッチな市場に向けた挑戦的な製品を作るという意欲が感じられていたものでした。
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購入金額
0円
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購入日
不明
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購入場所
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