所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。ジャンルというものが固定化する前の黎明期にはさまざまな個性が現れます。現在のジャンルではくくれない特徴を持ったベテランバンドの初期の作品をご紹介します。
ChickenShack(チキンシャック)は、土岐英史(サックス)、山岸潤史(ギター)、続木徹(キーボード)の3人を中心としたグループ。インストの曲も多いので、分類としてはジャズ~フュージョンカテゴリーに入れられることも多いが、どちらかといえばAORやR&Bをヴォーカルレスでやっている、というイメージに近い。2ndである「Ⅱ」は1st
に引き続き、ベースにDarek Jackson、ドラムスに三浦晃嗣が加わる。
そしてこのアルバムでは数曲でシカゴの名コーラスグループ、The Chi-lites(ザ・シャイ・ライツ)らが加わり、歌をつける。 ヴォーカル(コーラス)が入ると、まさにAORやブルースの方が肌触りが近く、「フュージョン」というとジャズテイストのロック系インストのイメージが強い現在の解釈とはずいぶん異なる。
「SLOW MOTION」は山岸のミュートギターによるCOOLな刻みと硬いリズムがステキなシティポップ。男性コーラスグループThe Chi-litesが加わっているので、SHOGUN
のような肌触りのAメロと、歌なしのBメロのフュージョンっぽい展開が面白い。TOKI(土岐英史)の流れるようなサックスソロが、ソロのバックとしては異常に饒舌な(自己主張が強い?ww)Darekのスラップベースと絡む。他の音が先に消えた後、ギターのカッティング音で終わるのが、カッコイイな。
「THE LADY PIMP」はベースパターンが印象的なファンキーなインストチューン。山岸のピロピロと?w弾いているブルージィなギターソロがアメリカン。ラストの佐々木久美(MISIAのツアーサポートで知られるゴーカイなおっかさんw)のオルガンソロが出色!
「GOLGOⅡ」は色合い違ってかなり実験的な曲。機械的なスローなリズムに合わせて、メンバーがソロを取り合う趣向のブルース調の曲。ベースソロが(たぶんDarek本人による)スキャットと同期していて面白いな。
1stに劣らず、ごった煮状態で、AORあり、ブルースあり、ファンクあり、R&Bあり、テクノ系フュージョン?ありの作品。メンバーの幅広い芸風?を反映してまさに「フュージョン(融合)」。現在の狭い範囲の「ジャパニーズフュージョン」にないおおらかさを感じます。
ジャンルの開拓者ってこんな感じだよね。
【収録曲】
1. SLOW MOTION
2. SIDE SHOW
3. A SILENT LOVE
4. LOVE WILL FIND A WAY
5. THE LADY PIMP
6. BOBBY JOE
7. GOLGOⅡ
8. IF EVER I FIND YOU
「SIDE SHOW」
粋な抑えたプレイがオトナの感性
後のフュージョンは体育会系のノリのモノが多くなったが、ワザのアピールを抑えて、ツボを押さえた...みたいな?
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購入金額
3,200円
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購入日
1986年頃
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購入場所
北のラブリエさん
2013/08/14
こういうの、大好きです。
cybercatさん
2013/08/14