http://www.amazon.co.jp/dp/B009PFIR9M
HEX3 Jajaスタイラスは、日本ではかなりマイナーですが、Jot Touch等と同じく本来筆圧に対応していない普通のタッチパネルを筆圧対応にする特殊なスタイラスです。(アプリの対応は必要)
Jot TouchはBluetoothによる接続で、アップルのiOS系のアプリしか対応していませんが、こちらはなんと超音波を使った通信で、マイクさえついていればAndroidでも対応可能です。
私自身全く存在を知らなかったのですが、どうやらKickstarter案件で資金集めに成功し、その後製品化されたもののようです。私はAndoroidでペイントアプリを作っているため、HEX3創設者から「あなたのClover PaintをJajaスタイラス対応にしませんか?サンプルを送りますよ」というコンタクトがありました。普通に購入すると8000円ほどするもののようです。
こういった特殊スタイラスは指の代わりに黒いゴムや、透明な円形のチップ(Jotシリーズ)をペン先として使う事が多いのですが、これはかなり特殊で、金属っぽい円盤が先端についています。それを先端に球のついた軸で支え、球の部分が自由に回転し、ある程度傾けても金属円盤が画面にぴったり張り付くようになっています。Jot Touchは45度程度までしか傾けられないようですが、こちらは60度くらいまで傾けることができ、かなり自由度は高くなっています。
とりあえず拙作ペイントアプリへの対応は後回しにして、タッチパネルとの相性をみてみました。
利用したハードはGALAXY Note10.1です。普通にゆっくり波線を描いたつもりなのですが、かなりガクガクと線が揺れ、一部途切れてしまっています。タッチパネル感度との相性に難があるようです。
GALAXY Note 10.1は電磁誘導スタイラスに対応しているため、そちらと、さらに指でも同じように斜めの線を描いて、タッチ位置の正確さを比べてみたのが以下の画像です。
3つはどれも同じように、フリーハンドでできるだけまっすぐな斜め線を、比較的ゆっくりなストロークで描いています。左側の指ではすこし階段状に揺らいでいる線が、中央のJajaスタイラスでは大きな揺らぎになっています。静電容量パネルで先の細いゴムスタイラスを使うと起きる現象がやはりJajaでも起きてしまっています。素早くざかざかと色を置いていく感じのお絵描きなら気にならないかもしれませんが、線画での利用には向かないようです。(端末のタッチパネル特性にもよりますが大抵はこんな感じです。ただし、iPadの場合、精度が高いのか、もしくは細かい補正が効いているのかはわかりませんが、以前先端に黒いゴムの付いたスタイラスで試した時、斜めにまっすぐな線が引けたので、これもiPadならいい感じなのかもしれません。現在手元にiPadがないため試せないのが残念です)
その後、拙作ペイントアプリを対応させて調べましたが、GALAXY Note 10.1では確かに筆圧や2ボタンに対応できました。
ただし、筆圧はON荷重がかなり高く、その後すぐに飽和筆圧に近い部分まで一気に立ち上がります。ものすごくピーキーで扱い辛い印象です。
総合的にみると、電磁誘導スタイラスに対応したタブレット端末のあるAndroidでは購入する意味は全くないと言えます。
IGZO液晶を採用した端末(AQUOS pad)でも線の途切れはないものの、やはり揺らぎは出てしまっていました。鉛筆等でも描けるよう特殊なタッチパネルを採用したというTogari(Xperia Z Ultra)等のタッチパネル精度によっては使えるかもしれませんが、筆圧特性もあまり良くないので使い方がかなり限られそうです。
■ 2013/07/01追記
昨日「Cloverプラグイン(Jajaスタイラス)」が完成したので、ドコモ スマートフォン ラウンジに行って、最新のドコモスマートフォンでJajaスタイラスがどんな使い心地になるか試して来ました。(ラウンジではGoogle playアプリをインストールして試すことができました)
実際ためしてみると、端末により非常に使い心地が変わるという結果になりました。
特にタッチパネルの反応は様々で、完璧に動作するものがあるかと思えば、Jajaスタイラスでタッチしても一切反応しないものまであります。
ただし、この時点では試していなかったのですが、後述する「導電性グリースをスタイラスの可動・接合部分に塗る」ことで、実はほとんどの端末で動作が改善される可能性があります。(家に帰ってから導電性グリースを塗ったため、これらの端末では試せていません)
[ 最も反応が良かったもの ]
・GALAXY S4 (SC-04E)
この端末では途切れない上に斜めの線を描いてもほぼ揺れがありませんでした。
・MEDIAS X (N-04E)
・MEDIAS W (N-05E)
線の途切れもなく、触れた瞬間からきちんと線が引けます。多少の揺れはありますがかなり小さいです。
[ タッチの反応がいまいちなもの ]
・AQUOS phone zeta (SH-06E)
・AQUOS phone si (SH-07E)
・ELUGA P (P-03E)
・Optimus it (L-05E)
[ タッチにほぼ反応しないもの ]
・AQUOS pad (SH-08E)
[ タッチに全く反応しないもの ]
・ Disney Mobile on docomo (F-07E)
・ Xperia Tablet Z (SO-03E)
[ Jajaのパケットに反応しないもの ]
・ MEDIAS X (N-06E)
タッチパネル自体の反応は良好なのに、なぜパケットに反応しないのかは謎です。
個体差なのか、マイクの品質によるのか・・・
ちなみに手持ちの端末ではThinkPad Talbetも反応しませんでした。
拙作ペイントアプリでJajaの筆圧がちゃんと動くようになってわかったのですが、ざかざかと高速でペンを動かすと、Jajaの筆圧がやってくるのが遅れるため、筆圧が正しく反映されません。ゆっくりなストロークの方が筆圧を考えると良いようです。ただし、ゆっくりだとペンの制御が難しいし、タッチパネルによっては揺れが我慢できなくなるというジレンマが・・・
□ その後、導電性グリースを塗ってみた
その後家に帰り、ネット上でJot Touchについて調べていた時にみかけた、「導電性グリスを塗ると線の途切れがなくなる」というのをJajaスタイラスでも試すために秋葉で買ってきた導電性グリースを、Jajaの画面に張り付くチップとそれを支える球の可動部分、またペンに差し込む軸の部分に少量塗って試してみました。
効果は劇的でした!
GALAXY Note 10.1はもちろん、HTC Flyer、ThinkPad Tablet、Kindle Fire HD手持ちのすべての端末が、タッチの瞬間にきちんと反応するようになり、途切れもなくなりました。(MEDIAS ES (N-05D)は最初からタッチ感度良好でした)
上記端末はラウンジで試した部類でいうと、「タッチの反応がいまいちなもの」なので、ラウンジのものもこれ以上ならば劇的に改善されるかもしれません。(実際には試していないので断言はできませんが)
ただし、線の揺れに関しては特に変化が見られません。
というわけで、タッチに関する使用感はかなり良くなり、初日と違って結構使えるスタイラスという印象になりました。
むろん、タッチ精度や筆圧に関する感度・応答性が電磁誘導式デジタイザーに遠く及ばないのは変わりありません。
ただ、手持ちの普通のタブレットを、なんちゃって筆圧対応タブレットにしてみるために、遊びで買うくらいの価値は感じられます。
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購入金額
0円
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購入日
2013年06月27日
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購入場所
サンプル入手
manya嫁さん
2013/06/28
文字用?にしてもちょっと厳しいそうな気がすんですが、アルファベット圏だったら気にならないのかな?
そもそもペン先に色々ついているタイプは、線画を描く時には邪魔になってしまわないかな?と躊躇しております。
でもいろんなタイプのペンが出てくれるのは、選択の幅も広がって良いですね。
Clover Paintさん
2013/06/28
むろん電磁誘導式スタイラスには遠く及ばないのですが、指よりはペン先位置がわかって多少ストレスが軽減されます。
(とはいえ、ちゃんと置いた位置から描けるかどうかは、タッチパネル側の精度の問題もあり難しいようです)
Androidではアプリ側にドライバを組み込んでBluetooth接続の特殊な周辺機器に対応することが(Jot TouchがAndroid用SDKを出さないところから推測すると)無理らしいのですが、Jajaスタイラスでは超音波を使ってデータを発信し、端末はマイクで受け取った超音波を解析、データを復元するというアイデアが素晴らしいと思いました。素のままではかなり使い勝手が悪いのですが、工夫してなんとか欠点を補えないかなと考えています。これ一本で殆どすべての端末を筆圧対応にできるわけで、すごい可能性を感じるスタイラスではあるので。
manya嫁さん
2013/07/01
超音波っていうアイデアが画期的でこの後の進化を期待したい製品ですね。
色んな描き心地のペンが出ることは、選択肢の幅が広がって本当によいですね、全部ワコムばっかりになってもつまらないので。
お返事ありがとうございました。