のレビュー「ジュークボックス“KIRA”」の項で取り上げた(ビデオに登場させた)作品をご紹介します。
MISIA。すでにデビュー15周年を迎え
日本におけるSOUL DIVAの第一人者として確固たる地位を築いている彼女も、この作品で世に出た。
衝撃。通るクリスタルな高音、しわがれない響く低音、息の長い説得力のある中音域。粘る音程、キレのよいリズミカルな発音。黒人のボイストレーナーに師事したといわれるその声は他の誰とも違っていた。
1stアルバム
を発売日に買ったのを鮮明に覚えているくらいのパワー。たった2曲(とそれぞれのアレンジ違いでトラックとしては5つ)だったが、その後の彼女を予見するには十分だった。
そのデビュー曲「つつみ込むように…」。「ジャーン、ジャーン、ジャーン、ジャーン」と左右に散らされたアタックのある和音はKIRAではふわっとした広がりをもって定位が移動し、まさに“つつみ込まれるよう”。その後ソリッドなリズムに音場が収束し、MISIAの第一声がハイパートーンでかぶさる。それが、2曲目のMUROのラップをフィーチャーしたミックスでは、エレピのコードとリズムのみが強調されたソリッドなつくり。メロディ、それだけでリズムが感じられる歌唱力というかリズム感がすばらしい。KIRAで聴くとエレピのコーラスエフェクトが目の前で左右を行き来する。ただバスドラとシンクロする打ち込みのベースはやや物足りない感じ。
「Never gonna cry!」はハッピーでハイテンションな曲。でもAメロの低い音であまり「動かない」難しいラインも苦しそうでなくきちんと出ている。それがサビになって高音域に移るにしたがって晴れ、ぐいぐい引っ張るベースに乗って盛り上がる。4曲目は同曲の「JUNIOR VASQUEZ REMIX」だが、後のライヴでのアンコール前の〆として定番となった「INTO THE LIGHT」で使われたような、リズムとMISIAの声のサンプリングのループ+ソウル調コーラスで徐々に盛り上げていく感じのイントロ。「ドォォォンン」と左右いっぱいに広がるパーカッシヴな効果音とティンパレスを中心としたパーカッションでダンサブル。オルガンソロがグルーヴィ。個別クレジットはないけど追加キーボーディストのJoseph Joubertか。最後の「J.V DUB MIX」は声のサンプルをループするMIXだが、曲の印象もかなり違う。Aメロはラインが変えられたベースラインとMISIAの声、パーカッションだけというスカスカさ。サビに入っても元曲とは違うキーボードのバッキングと声のループが続くかなり「加工された」曲だ。でもMISIAのメロディラインがしっかりと元曲と結び付けている。
現在のように女性シンガーがクロっぽい曲を歌うことに、そしてそれがメジャーとなることに、なんら抵抗がなくなったのは彼女の功績。それもこの一枚があったからです。【収録曲】
1. つつみ込むように…
2. つつみ込むように…(DJ WATARAI REMIX featuring MURO)
3. Never gonna cry!
4. Never gonna cry! (JUNIOR VASQUEZ REMIX)
5. Never gonna cry! (J.V DUB MIX)
「Never gonna cry!」
MISIA OFFICIAL WEB SITE
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購入金額
1,200円
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購入日
1998年02月頃
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購入場所
れいんさん
2013/05/23
ジェケットってこんなのだったのね。
アルバムから知りましたから
cybercatさん
2013/05/24
我輩!テトであーる♪さん
2013/06/02
いい曲ですよね〜♫
今でも良く聴きます(^^)
cybercatさん
2013/06/02
>今でも良く聴きます(^^)
彼女の曲の中ではやはり、「cybercat的よく聴く曲」でも5指に入る感じデス...