MISIAとDCT(DREAMS COME TRUE)の吉田美和という現代日本ポップシーンで歌唱力、表現力ともにトップクラスの二人の共演。そして、作曲はDCTの頭脳、中村正人にMISIAが加わる感じ(作詞はMISIA)。MISIAはもともとDCTのファン、というか吉田美和を目標とする歌手の一人としていたと言うこともあり、一回りほど若いMISIAが師匠との夢の共演、という感じ。
近年、jyA-Meと中村舞子によってカバーされ、
二人とも上手い歌手なので、よく仕上がってはいるのだが、やはりこれは本家と比べてしまうと本家の圧勝。
曲は生のブラスとストリングスが彩るダンサブルな曲で、打ち込みのドラムとビートの頭が力強い中村のベースがぐいぐい引っぱる。歌の担当としてはこの曲がMISIAの曲と分類されるだけあって、Aメロのすべてと主旋律はMISIA。吉田はサビのハモリと時々挟まれるフェイクコーラスで、比率としてはMISA:吉田=7:3という感じか。ただ、「上手い」だけではなく声そのものに魅力があるMISIAに負けていない..というかある意味それを上回る特徴がある吉田の声で印象としては拮抗からややMISIA優勢程度に感じられてしまうのが吉田の「存在感」というものか。MISIAの声のノリも良く、憧れのシンガーを前にすべてを出し切ろう!という気概に溢れている。
このMaxiにはもう一曲「I miss you~時を越えて~」のミックスが収められる。GomiことDJ GOMI(五味一彦)によるこのリミックスは、オリジナルではベースが引っぱっていたノリを4つ打ちで鳴らされるバスドラと裏々に入るハイハットのリズムループに代わらせて、パッド系の音色で厚く仕立てているが、その一方で、1コーラスめではほとんどバックをシンセのコードオンリーとしてMISIAの声の良さを堪能できる造りとなっている。
MISIAと吉田美和、ポップシーンでどちらが歌が上手いか?という問題がよく語られるほどの「上手い」アーティスト。しかし、この共演を聴くともはや「上手い」というレベルではなくて「+α」の味付けの差という領域であるのが判る。深い低音と突き抜ける高音の落差のMISIA、声音のニュアンスの吉田...どちらも甲乙つけがたい。2001年の初めに出されたこの作品、日本経済はバブルの反動であえいでいたけれど、「21世紀」という新しい世紀が始まる...というのが二人の声で感じられたのが想い出されます。
【収録曲】
1. I miss you~時を越えて~
2. I miss you~時を越えて~ (Gomi's Remix/Radio Edit)
「I MISS YOU ~時を越えて~」(Live:二人の声の艶はCDよりはチョット落ちます)
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購入金額
1,050円
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購入日
2001年頃
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購入場所
北のラブリエさん
2014/07/24
cybercatさん
2014/07/24
結構出たCDなので、中古屋には必ずあると思いますよ。