Am5x86は、後にx86互換CPUでは一般的な手法となる、PR値(Performance Rating)を採用した初めての製品ともいわれています。このCPU自体の動作周波数は133MHz(FSB 33MHzの内部クロック4倍で133MHz)ですが、型番にはPentium 75MHz相当の製品という意味のP75という名前がつけられています。
ちなみにここまでは搭載CPUをAm5x86-P75と表記していますが、アイ・オー・データ機器の公式資料によると、PK-A586/98の搭載CPUは、「AMD Am486DX5(Am5x86TM-P75相当)」と記載されています。これは比較的後の時期に出荷されたAm5x86-P75には、Am486DX5という名称が新たに与えられていたことによります。若干のリビジョンの違いは存在する可能性がありますが、基本的には同等の製品と考えて差し支えはないでしょう。
私がこの製品を入手したのは2000年頃の話で、当時は既にSocket5のPC-9821Xt13/C12に移行していた時期でした。それ以前に使っていたPC-9821Ap3/C8Wのアップグレード用として使ってみたいと思っていたため、出物を見つけて飛びついてしまったのですが、結局は殆ど使われる機会は無いままとなっています。
ちなみにPC-9821Ap3/C8Wは標準搭載のCPUがIntel DX4 100MHzであり、簡単に言うとFSB 33MHzの内部クロック3倍で100MHzを実現したCPUでした。このCPUは他の486系とは異なり3.3V動作であり、これに対応させるためこのモデルではデュアルボルテージ対応のSocket6が採用されていました。そこで変換下駄を挟まずそのままAm5x86-P75を搭載してみたことはありますが、その場合Am5x86も100MHz動作となり、動作クロックが同等である以上性能面でも特に大きな差は付かなかったと記憶しています。
-
購入金額
300円
-
購入日
2000年頃
-
購入場所
Schrödingers Katzeさん
2013/03/27
クロック当たりの処理能力はこちらのほうが低いのですが、素直だったので、こっちのほうが売れてたような。
整数演算は兎も角、FPUは、Intelのほうが速かった様な。
jive9821さん
2013/03/27
Cyrix製CPUを使ってしまうと互換性に難がありましたからね。当時のAMD製x86互換CPUはソケットに挿すだけで普通に動くという時点で一定の評価をされていました。
FPUに関しては同クロックであればやはりIntelの方が速かったと記憶しています。そもそもPentium 75MHz相当といっていますが、整数演算で同等以上であってもFPUを比較すると大幅に劣っていましたし。
元のIntel DX4 100MHzはバランスに優れていて十分優秀なCPUでしたし、仮に差し替えていてもそれほど満足感は得られなかった可能性は高かったでしょうね。
Schrödingers Katzeさん
2013/03/28
当時はあんまりFPUを多用するようなソフトも少なかったように思いますし、安価に無改造で、高い互換性を持ったアップグレードパスというのが、この商品の本質だとは思います。
Cyrixの石はBIOSがきちんとサポートしてれば然程酷いことにはならなかったんですが、98x1だと制御ソフトが必要でしたし。
けんこうさんさん
2013/03/28
手間と癖のあるCyrix 5x86の方を愛用してました。
私もPC-9821Ap3つかってましたよ。^^
jive9821さん
2013/03/28
これはまさにその通りと思います。PC-9800ではCPUの対応幅を広げるようなBIOSアップデートはなかったため、どうしても互換CPUは扱いにくかったのですが、挿すだけできちんと動くというのは最大の武器でした。
一方で挿すだけでは動かないCyrixは、PC-9800ユーザーにとってはどうしても扱いづらさがありました。もっとも、後の6x86シリーズのおかげでA20ラインマスク機能下駄(いわゆる魔法下駄)が用意されたわけで、その意味ではむしろCyrix様々だった部分もあるわけですが。
>私もPC-9821Ap3つかってましたよ。^^
Ap3ユーザーの方はなかなか見かけませんね。Ap2/As2辺りのユーザーは沢山いたのですが…。実は私にとって初のデスクトップPCだったのが、このAp3/C8Wでした。そこから次々と古いPCを入手していったので、手持ちにはより古いPCも少なからずありますが。