概要
NEXTGEAR-NOTE i770SA3は、ゲーマー向けにハイパワーCPU/GPUパワーを備えたデスクトップPCを代替するノートPCである。
このジャンルのノートパソコンは、私が普段使用している レッツノートや、MacBookAir、あるいはUltrabookなどのモバイルノートとは用途・設計思想がまったく異なり、強力なCPU/GPUパワーをリーズナブルに提供することが第一であって、モバイル性(重量・形状・耐衝撃性・バッテリー使用可能時間)は必要ではない。
仕様
CPU・GPU
Ivy Bridge i7-3630QM により 4コア8スレッド 2.4GHz/TB 3.4GHz である。
TDP45Wとみるとノートとしては大きいように見えるが、昔の Pentium4ノートよりはるかに電力制御能力が高く、45Wということはなく、普段は もっと低い。
GPUは HD4000で通常動作しているが、NVIDIA® Optimus™テクノロジ対応により、
必要な時には、自動的にNVIDIA® GeForce® GTX670MXに切り替わる。
GTX670MX は 3GBのメモリを備えており、CUDAコンピューティングを利用してゲームだけではなく 動画エンコードなどにも利用可能である。
Optimusテクノロジ
http://www.nvidia.co.jp/object/optimus_technology_jp.html
Virtu MVP Mobileとは違い、現実的な 内蔵GPUと外付GPUの切替仕様、かつアプリケーションDBによって自動切り替えとなっている。
RAM
DDR3-1600 4GB SO-DIMM * 2 でデュアルチャンネル仕様。
上位モデルでは 16/32GB仕様になるが、ゲームPCとしては8GBで十分であろう。
ストレージ
mSATAのSSD 128GBと 2.5インチHDD 500GBを搭載している。
SSD 128GB は Hynix HFS128G3AMNMであまり見かけないモデル。
HDD 500GB は 東芝 MQ01ABD050で、5400rpmモデル。
どちらも 3Gbps接続で、バランス重視のようだ。
光学ドライブとして、DVDスーパーマルチドライブ TSSTcorp SN-208DNを搭載。
メーカー仕様によると書き込みは、
DVD±R ×8/ DVD±R DL ×6/ DVD-RW ×6/ DVD+RW ×8/ DVD-RAM ×5/ CD-R ×24/ CD-RW ×24
となっている。
ライティングソフトウェアとして Cyberlink Power2Go がバンドルされている。
熱と消費電力に関する項目
室温20度だが、
- CPUコアの温度は許容範囲
- SSDの温度センサーが有効ならマザーボード近辺はこの温度か
- HDDは温度センサーは有効かどうかわからない
- CPUパッケージの消費電力は小さい
外観
i770SA3は、OEMメーカーよりベースとなる本体がリリースされ、各ホワイトボックスPCメーカーによってカスタム仕様となって出荷されているため、兄弟モデルとでもいうべきものが多数存在している。
外観上の違いとしては、天板とキーボード上方に G-TUNEのロゴがあしらわれていることぐらいである。
ディスプレイ
1920x1080のNTSC比95%の色をカバーするグレアパネルを採用している。ゲームPCとしては視野角が有利でも遅延が大き目のIPSパネルは使用していないようだが、上方からの視野角は狭いが左右については十分なレベルである。
200万画素のウェブカメラとモノラルマイクが画面上部に搭載され、Skypeなどで活用できる。
ヒンジは少し硬めである。
左上部に電源スイッチ、NUMLOCK,CAPS,SCRLkインジケータが配置されている。
右にHDDアクセスランプ, WiFi, BTインジケータが配置されている
左側
左からIEEE1394, RJ45優先LAN, USB3.0(SS) x2, USB3.0+eSATA兼用ポート, マルチカードリーダー (SD/SDHC, メモリースティック)。
1394を使うことはないだろうが、eSATA/USB3.0兼用ポートは利便性が高い。
右側
右側から DVDスーパーマルチドライブ、ヘッドフォン端子、マイク端子、デジタル音声入力、デジタル音声出力、USB2.0x1
天板・背面
G-TUNEロゴが入った天板はざらついていて傷ができにくい。
背面には排気口が左右に2つ、その間に ディスプレイポート、HDMI、DVI-I、電源ジャックがある。
底面
特徴として放熱のための開口部が多いことがあげられる。
中央の縦長の部分からはヒートパイプが、左右にファンが見える。
底面から吸気して、背面から排気する。
ゲーミングPCとしては音質も重要だが、ウーハーを備えている。
下部中央に2.5インチストレージが収まっている。
キーボード
キートップはセパレートタイプで、ストロークについてはキーの反発力が強め。
少しきつい。
打鍵音は小さ目でよい。
タッチパッド
タッチパッドはパームレストと一体化されている。
Windows8のスクロールに対応しているのだが誤認識しやすいようである。
またゲームはこのパッドでは厳しく、マウスやトラックボールが必須である。
PSO2ベンチマーク
1920x1080 設定5で 5801。
ゲームをプレイしていて、ノートパソコンであることを忘れるほど快適であり、PSO2にはベストマッチしているといえよう。
バンドルソフトウェア
CyberlinkのCD/DVD ライティングソフト Power2Go,
DVD再生ソフト PowerDVD11,
写真管理、フォトレタッチソフト PhotoDirector3 などがバンドルされている。
普段使用している PhotoDirector については別項で取り上げている。
まとめ
PSO2でプレイしているとデスクトップと遜色ないレベルでプレイできている点はただただすごい。
WiFiでも問題なくプレイできているので、リビングで十分戦える。
今後他のベンチマークなどの評価も行っていくが、現段階での評価としては☆4である。
☆1つ足りないので、表面加工がざらついている点とキーボードの反発力が大きいためである
NEXTGEAR-NOTE i770SA3のSは、「シルバーモデル」なのだが、このi770???は、
ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナと 搭載するCPUが異なり、シルバー以上で Core i7-3xxx となり、4コア8スレッドのクロックやキャッシュサイズ違いなのだが、GPUは同じであるから、ゲームをするにはシルバーがコストパフォーマンスがよいお買い得なモデルと言える。
なお、現行は後継機のi770SA4だが特に違いは見つけられない。
評価できるポイント
- コストパフォーマンス (129,990円)
- PSO2クラスのゲームには十分なグラフィック能力
- メモリがまだ増設できる (スロットの空きあり)
- HDD交換可能
- この性能を持ち運べるようにしたことは○
改善をお願いしたいポイント
- mSATA SSDの容量のアップ
- キーの反発力が強く、疲労しやすい
- タッチパッドの感度が悪い(特に2本指操作時)
- 樹脂の表面加工が汚れやすい
- 樹脂が静電気を引き付けやすい
- 埃が入りやすい
- せっかく色カバー範囲が広い液晶を採用しているので、Blu-ray搭載モデルが欲しい
Optimus Technology
NVIDIA が提供している ノートPC向けのソリューションで、
日常はSandyBridge, IvyBridgeなどの内蔵グラフィックスを利用することで、消費電力を抑え、ゲームやCUDAアプリケーションを活用するときには 外部GPUを活用する仕組みである。
前世代では Switchable Graphics という、内蔵GPUと外部GPUの出力を ハードウェアスイッチ(Mux)で 液晶パネル、外部出力ともども切り替えるようになっていた。
この方式では、
- 内蔵GPUと外部GPUをシームレスに切り替えできない
- 追加ハードウェアが必要になる
という欠点があるが、Optimus ではアプリケーションによって外部GPUに描画させ、CopyEngineと呼ばれるGPU側のハードウェアで、内蔵GPUのメモリにDMA転送する方法で、通常通りIGPUがLCDやHDMI/DVIなどの出力をもつ PCHに転送する方法がとられる。
CUDA などの技術と IGPU+PCHの仕組みをうまく活用して2つの欠点を解消したものである。
技術的には SLIに近いが、それよりもVirtu i-MODE にとても類似している。
Optimusが使えるのは、Arrandale以降の Core iシリーズと Core 2 Duo (Penryn) と ATOM N4xxx以降で、GPU側が GeForce 200M,300M, ION, それ以降の M系統である。
Virtu i-MODEとd-MODEではそれほど速度低下しないことが確認できるが、
Optimusについては、この機種は外部GPUからのディスプレイ出力設定が UEFIにない。
しかし、外部GPU(670MX)からディスプレイ出力できる他社モデルの場合で違う結果が出ているようだ。
NVIDIA コントロールパネルのPhysX構成で GPU 設定ビジュアライザーにより、
現在有効なディスプレイ接続が見える。
なお、PSO2スコアについては、Optimusに対応したドライバのバージョンにも影響を受けるはずなので、時間をみて検証したい。
カーリーさん
2013/05/07
まぁ今外付け安いですから無理に内蔵しなくてもねー
はにゃさん
2013/05/07
Blu-rayオプションを用意しようとすると、バンドルソフトウェアのエディション変更が必要になるからかもしれないですね。