録画機のマザーボードの選定にあたり私の必要要件をまとめました。
・PT3が動くこと
・PV4が動くこと
・安いほどよい
・余計な機能は不要
・これらの機器を搭載して小型化したい(Micro ATX)
これらの要件をまとめつつ、ポイントになるのが「PV4」の存在でした。
PV4はPCI接続のキャプチャーカードで現在でも私個人的には「最強のキャプチャーカード」なので、絶対にはずせませんでした。また、ネックになるのが「PCI接続」である点でした。
これまで、PCI互換がついているマザーはいくつか試す機会がありました。
ASUSのP8Z68-M PROは、ASMedia製のPCIブリッジチップにて接続されていました。このASMediaのブリッジチップですが、使ってみた所、本当におまけ程度、動くことは動く程度のもので、PV4に至ってはキャプチャーの途中でエラーが出まくる始末でした。
その後、GIGA Z87X UD3を触る機会がありました。Z87X UD3は、ITE製のブリッジチップが搭載されており、こちらの方は、ASMediaと違いPCIの帯域を確保できており、PV4単体で使う場合は問題ありませんでした。
しかし、今回自分がテーマにしているのはPT3の4チャンネル録画をしながらPV4でキャプチャーすることでした。実際過去に、ネイティブPCI対応の「ASUS Rampage Extreme」では、Coer 2 QuadeながらPT2とPV4の同時使用が可能でした。
ですが、Core2 時代のマシンは今となっては消費電力が高いので録画機としては向きません。
そこで、いろいろ調べた結果、INTEL Chipset B75に白羽の矢が突き刺さったのでした。
このB75ですが、恐らくインテル純正の最後のネイティブPCI接続対応チップセットだと思います。
そこで、今回ASRock B75M R2.0を購入してみました。ちなみにですがR2.0はUSB3.0に対応したバージョンです。
■Asrock B75Mの仕様
・SATA3×1ポート
・SATA2×5ポート
・USB2.0×8ポート
・ネイティブPCI×2
・PCI Express ×2
・USB3.0 ピンヘッダ搭載
上記仕様を読み解くと、
・SATA3でのRAIDができない → 録画機にそんなものは必要ない
・SATA2が5ポートしかない → 録画機なら1ポートでも十分
・USB2.0が2ポート少ない → 特に問題はない
・ネイティブPCI → これがほしかった!
・PCI Express ×2 → PT3が2枚させるじゃないか!
・USB3.0 ピンヘッダ搭載 → あると便利だよね!
となります。
自分の中ではまさに「約束された勝利の剣」とも言えるマザーボードでした。
■録画機の構成
【M/B】 ASROCK B75M R2.0
【CPU】 intel PentiumG620T
【GPU】 CPU内臓GPU
【RAM】 A-Data XPG Gaming V2.0 Series DDR3 2000G
【クーラー】ASHURA SHADOW ROG EDITION
【SSD】 Intel SSD 80GB
【CASE】 SST-TJ08B-E
【PSU】 SEVENTEAMブランド80PLUSブロンズ取得ATX電源
【OS】 Windows7 HOME 32bit
■付属品
・SATAケーブル×2
・バックプレート
・説明書
■各部紹介
[SATAポート]
SATAポート構成は「SATA6.0G」が3基搭載されています。うち、チップセット接続のネイティブSATA6.0GはB75の仕様から1基となっており、残りの2基(A0,A1)は、ASMediaでの接続となっています。
ASMediaポート接続の場合、SSDの速度が大きく減少する可能性があるのでB75チップセット接続のSATA3_0に接続したSSDないしHDDにOSをインストールしましょう。
ASMediaの方は、それでもSATA3Gよりは速度は出ているので、データ用にHDDを接続しています。
こうすることでHDDの限界までのシーケンシャルスピードを出すことが可能になり、録画時やキャプチャー時に安定して動作してくれています。
[ネイティブPCI]
これがこのマザーボードを購入した最大の理由といってもいいPCI接続ポート、しかもインテルネイティブのものです。
これがあるおかげでPCI帯域の非常にシビアなPV4を何の問題もなく動作させてくれます。
[USB3.0]
背面にあるUSB3.0は4ポートあります。またマザーボード上にUSB3.0のピンヘッダーがありますので、ケースの全面にUSB3.0を引き出すことが可能です。
使用しているPCケース「SST-TJ08B-E」では、問題なくUSB3.0を全面パネルに接続することができました。やはりUSB3.0があるとデータの転送が速いの非常に便利です。
■マザーボードの独自機能
このマザーボードには、Asrock独自のいくつかの機能が実装されており、自分もこれがどんなものか調べるまで分かりませんでした。これらの機能を録画機上では使用することはありませんが、ざっと紹介しておきます。
[XFast RAM]
ざっくりいうとRAMDISKです。RAMDISK内にRadyBoostなどを割り振ることができるので、高速化が図れるというものです。ただ、今回録画機ではPV4を使用している関係上メモリーを4GBにしているのと、そもそもRAMDISKを使う意味がないのでこの機能はオミットしています。
[XFast USB]
USB機器の速度を向上する機能ということでしたが、どういう理屈で高速化しているのか全くわかりませんでした。こういう速度向上機能はRAMDISKみたいな裏技を使ったりして速度向上を図ると思うのですが、そういう機能ではないようで、用途は不明です。
実際、速度の向上も全く見られませんでした。
[除湿機]
もっとも謎だった機能がこれです。ようするにスタンバイ(S4/S5)時に何等かのセンサーで読み取った温度で自動的にFANを回す機能、ということでした。
何を読み取ってFANを回しているのか全くわからないので、知らない人でこの機能をONにしたら電源を落としているのにFANが回るので、一瞬こわれたんじゃないかと思うかもしれません。
もちろん、この機能はうっとおしいのでオミットです…w
■インテル独自のSmall Business Advantageについて
このB75は「ビジネス向け」というアプローチがされているマザーボードで、マザーボード自体がもっている独自の機能をSmall Business Advantageというソフトウェアで制御ができます。
このいくつかの機能についてご紹介します。
[ソフトウェアモニタ]
これは、恐らくウインドウズの管理システムのユーザーアカウント制御を使っているのではないでしょうか。第三者がソフトウェアをインストールまた、ネット経由でインストールしようとすると警告を出します。
ただ、個人用途ではこの機能は、自由にソフトを出し入れできないので、邪魔な機能なのでオミットです。
[データのバックアップと復元]
これもウインドウズで標準で搭載されている機能ですが、自動タスク処理をすると録画に影響を及ぼすので、手動にしています。
[USBブロッカー]
USBを接続した時、このPCに接続していいUSBと認識されない場合に警告を表示し、USBを認識しないようにします。会社なんかではよくあるUSBブロックですが個人で使う場合は、あまり意味はありません。
[PCヘルスセンター]
タスク処理でPCのメンテナンスを自動的に行うよう設定できます。バックグラウンドタスクで実行されるようでメインタスクには影響を及ぼさないようですが、録画時に帯域を圧迫し失敗する可能性があるので、この機能もオミットです。
[エネルギーセーバー]
業務の終了時間にPCを自動的に電源をスタンバイ、または休止にし、業務開始時にPCを起動できるように設定できる機能です。ですが、録画のマネージメントタスク上でPCの電源制御を行うので、この機能も意味なしでオミットです。
録画機というコンセプトで使用しているので、これらの「独自機能」は全てオミットにせざる終えません。また、録画機でない場合にしても、例えばRAMDISKは電源を落としたらRAM内のデータも消えてしまうので、普段使いではあまり使用することはない機能です。
■使用感
PT3の4チャンネル同時録画は全く問題ありません。非常に安定して動作します。
また、4チャンネル同時録画中でもPV4でのキャプチャーも可能です。
ただ、HDDの速度が若干遅いので、まれにPV4のキャプチャーがエラーで停止することがありますが、概ね問題なくキャプできています。
これまでのASMediaとITEのブリッジチップ接続では、4チャンネル録画とPV4のキャプチャーの同時使用はほぼ不可能でした。
なので、ネイティブPCIに変更した時の安定感は感動ものです。
また、マザーボード自体も基盤上にあまりよけいなものがついていないので、シンプルで安定して動作してくれます。
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購入金額
6,480円
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購入日
不明
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購入場所
アーク
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