レビューメディア「ジグソー」

分解してバッテリーセルを交換してみた

LSIのMegaRAID SAS 9260-8iの機能制限版ともいえる、NECのN8103-130(MegaRAID SAS 9264-8i)ですが、ファームウェアを書き換えることでMegaRAID SAS 9260-8iとして使用可能なことはN8103-130の紹介で説明させていただいた通りなのですが、どうもバッテリーバックアップモジュールとの相性が悪い様子。

 

N8103-120と、N8103-124という型番のバッテリーバックアップモジュール(両方ともiBBU06のNEC向けOEM品)を使ってみたのですが、本来フルチャージ時の容量が700mAh弱なのに、Degratedメッセージが出たためrelearn(バッテリーを完全放電して再充電するリフレッシュ作業)を行ったところ、最大容量が1215mAhと表示されてしまって、ステータスがFailedまたはDegratedになってしまう症状が発生。


iBBU06のバッテリー容量は675mAhなので、当然搭載されているバッテリーは1215mAhもの容量を持っていません。
この1215mAhという容量ですが、iBBU07の容量と一致するため、どうやらiBBU07と誤認している可能性があります。

 

手元に2つのiBBU06があったので、いろいろ実験してみました。

 

・N8103-120
N8103-116/117/118向けのバッテリー。
古いのでバッテリーが劣化し、550mAh程度しか容量が無くなっていたため放置していたもの

 

・N8103-124
N8103-116A/117A/129/130向けのバッテリー。
容量660mAh程度でまだまだ使えるので、書き換え前のN8103-130に装着していたもの

 

※ここから先、N8103型番だと訳がわからないので、LSI型番で説明します
※下記で9264改とあるのは、ファームウェアを書き換えたN8103-130(MegaRAID SAS 9264-8i)のこと

 

9264改に装着したiBBU06のDesign Capacityが1215mAhとなっていたのに気づいて、原因として思い立ったのが
・iBBU06をiBBU07として誤認
・iBBU06のバッテリー容量を正しく認識していない
といったあたりです。


誤認している、またはファームウェアアップデートでiBBU06が使用不可になってiBBU07以降を使わないといけなくなった場合は、バッテリーを買い直せば良いのですが、それだとお金がかかる(カード本体よりもバッテリーの方が高い…)ため、手持ちのiBBU06をどうにかして使えないかと試行錯誤してみることにしました。

 

 

・iBBUのバッテリー部分を交換


 

1215mAhと表示されるようになってしまったiBBU06を、MegaRAID SAS 8708EM2に載せてみたところ、こちらでも1215mAhと表示されるようになっていました。
ということは、容量情報またはiBBU07であることをどこかしらにバッテリーが記録しているはず。
relearn回数とかもステータスで確認できますから、間違いなくFlashメモリがバッテリに載ってます。


それなら、iBBU06からバッテリーだけ取り替えればいいんじゃね?ということで、試しに新しく容量が多い方のiBBU06のバッテリーを、在庫としてしまってあったiBBU06のコントロール基板に載せ替えてみました。


結果は…正しく表示されず、1215mAhのまま。
ということは、やはりコントロール基板側に情報が記録されているってことでしょうか。

 

 

・古いiBBU06に換装



ファームウェアアップデート時にバッテリー側で保持している情報が書き換わってしまったと仮定し、別のiBBU06を装着。
試しに電源を入れてみると、正しくDesign Capacity 675mAhと認識。
ファームウェアアップデート時にバッテリーを装着していたことが問題?と思ったのですが、relearnを行うと(バッテリーを装着すると、最大容量を認識するためrelearnするのだ)1215mAhに…(涙


ということで、ファームウェアアップデート時にバッテリーを装着していることについては、原因ではなさそうです。

 

 

・バッテリーを入れ替える(ちょっと危険)



まさか、バッテリー側に容量を記録とかしてないよね?ってことで、念のため2つのiBBU06を分解し、お互いのバッテリーセルを入れ替えることにしました。
分解は危険なのでまねしないでくださいね…

シールを剥がすと、バッテリーユニットと保護回路が確認できます。
ハンダを除去し、バッテリーを取り外して、お互いのバッテリーを交換、ちゃちゃっとハンダ付けして作業完了。

 

試しに電源ON…してみたのですが、結果変わらず。
ま、当然と言えば当然な結果となりました

 

 

・バッテリーを交換してみる(危険)



仮に、iBBU07と誤認していて、容量がDesign Capacityの1215mAhから大幅に少ない600mAh程度しか充電できないためにDegratedになっているとしたら、バッテリーを1200mAhのものにしちゃえばいいんじゃね?!という強引な解決法を思いついたので、まずは手持ちのリチウムイオンバッテリーと交換して正常に動作するかテストすることにしました。

 

【注意】
バッテリ-には過充電防止用の回路とかありますし、そもそもバッテリーによって特性も違うはず。
そもそも分解自体、ショートさせた場合や傷つけた場合を考えると、絶対お勧めできません。
しかも、安全回路とか取り外してバッテリーだけ交換とかしちゃってますからね…
今回の実験はそこらへんを完全に無視して、素人が適当にやっていますので、自信を持ってお勧めできません。

 

まずは、バッテリーを交換してもちゃんと認識するのか?ということをテストするために、なにか使えるバッテリーが余ってないかな…と探したところ、そういえばLogicoolのMX Revolutionのバッテリーがサイズ的によかったかも!ということを思いだし、机の奥から引っ張り出してみました。


…って、取り外したときよりも倍くらい膨らんでるやん!(涙

これじゃ、完全に使えないですよね…外見的にまずNG。

 

 

で、次に白羽の矢が立ったのが、前に使っていたauの携帯電話用バッテリー、52CAUAA。
現在、LogicoolのMX Revolutionの代替バッテリーとしてとても快適に使えているバッテリーです。
2年以上使っていたので、バッテリーは2個あったんですね。
今MX Revolutionに入っているのが新しく届いた方で、もう1個最初に使っていた分が余っていました。
そこで、これを分解して組み込んでみることに。

 

 

さっそく、おもむろに分解します。
バッテリーに傷をつけるときわめて危険なので、作業は慎重に。
クラフトナイフでプラスチックカバーを取り外し、コネクタとおそらく保護回路っぽいように思われるパーツをおもむろに取り外します(この手の回路はiBBU06の基板側で持っているはず!)。

あとは、セルから出ている金属の帯にケーブルをハンダづけし、基板と繋ぎます。

※極性はぜったいに間違えないようにしてください。たぶん、爆発します。

 

 

iBBU06のセルと比べると52CAUAAは長さが若干短く、幅は同一です。
そのため、ケーブルをつけてもそのままiBBU06に組み込むことが可能でした。
ケーブルとバッテリーをケースに押し込み、絶縁と温度センサーをバッテリーに貼り付けるためラベルをもとに戻してから9264改に装着し、電源を入れてみると…おお、550mAh程度だったバッテリーが600mAh超になっているではありませんか!


試しにrelearnサイクルを実施してみましたが、異常発熱もなく、問題なく認識していました。
バッテリー交換計画第1弾、問題なく大成功。

 

ということで、次は1200mAhのバッテリーに交換なのであります。

1200mAhを超えるバッテリーを探していたところ、CASIOのEXILIM用バッテリー、NP110が電圧、容量共にちょうどよさそうなことがわかりました。
しかも、値段も300~500円程度と激安。
もちろん、新品純正品は高いのですが、中華製激安互換バッテリーは新品でも300円台からあったりします。


ただ…この手の激安バッテリーって、額面通りの容量を持っている保証も無いですし(特に中国から直接仕入れている場合は代理店側の確認もないので、さらに怪しい)、分解してiBBU06に組み込むという危険な使い方をするのに、リスクが高いどこが作っているかわからない中華製バッテリーを使うのも怖いところ。

 

ということで、200円弱で投げ売られていた、利用時間僅少という純正の中古バッテリーをゲットしました。

僅少といわれても確かめる術は無く、iBBU06に組み込めば容量確認はできるものの、とうぜん分解するので返品できる訳も無く。

とはいえ、容量不明、額面だけは1200mAhを歌っている中華製よりも、多少使われていても純正のバッテリーの方が安心感があります。

 

早速、届いたNP110をおもむろに分解してみました(よい子は真似しないように!)。
サイズを確認すると、iBBU06のバッテリーよりは大きいものの、ケースを若干加工すれば収まりそうな感じです。

 

分解が終わったらケーブルをちゃちゃっとハンダ付けして、ケースの干渉する部分をリューターを使ってぶった切って、両面テープでバッテリーを固定して作業完了。

プラスチックケースの一部分が干渉するので、側面の部分を削って対応しました。


あとは9260改に載せてPCのスイッチON。

異常発熱がないかMegaRAID Storage Managerで確認してみると、20℃前半でまったく問題は無さそう。

バッテリーを交換すると充電→放電→充電というサイクルを一度行う為1日放置する必要があります。
昨日の夜に交換し、先ほど帰ってきたところ…見事にバッテリーのステータスがOptimalになっているではありませんか。


最大容量は定格1200mAhに対し1028mAhと控えめで、販売時の「利用時間僅少」はかなり怪しいとしても、十分な容量だと思います。

これで、安心してバッテリーバックアップ付のMegaRAID SAS 9260-8i相当のRAIDカードとして使うことが出来そうです。

バッテリーがへたっても、200円くらいで交換可能ですから、エコですね!(危険

  • 購入金額

    0円

  • 購入日

    2013年02月頃

  • 購入場所

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