しかし、光学素子の物理的寸法が大きい一眼デジカメなどであればまだしも、デジタルビデオカメラやコンパクトデジタルカメラでは素子の寸法が非常に小さく、そこに無理矢理多くの画素を詰め込んでいるために光量の不足を招くことが多くあります。当然感度も低くなるため、暗所撮影においてはむしろ不利なのです。
キヤノンではこの機種の先代となる、HF M43/M41及び上位のHF G10で、敢えて画素数を約237万画素(有効約207万画素)へと絞り、物理的な大きさとのバランスを重視して感度と発色を向上させたHD CMOS PROを採用しました。本機HF M51ではHD CMOS PROのマイクロレンズやカラーフィルターを改善することで、さらなる感度の向上に成功しています。
個人的にはコンパクトデジタルカメラでも行き過ぎた高画素化には抵抗を感じていましたので、このような考え方で作られたカメラは非常に魅力的で、是非そのうち欲しいと思っていました。
しかし、本機は丁度1年前に発売されているのですが、現時点では後継機が発表されないまま製造を打ち切られてしまいました。今年の春モデルとしては、上位機HF G10の改良モデルであるHF G20と下位のHF R32/R31の後継となるHF R42だけが発売されています。とある販売店で話を聞いたところ、これは単純に製品ラインナップの縮小であり、HF M5x系の後継機は出ないという話になっているとのことなのです。
ビデオカメラにこだわりを持って使うハイアマチュア・セミプロであれば上位のHF G20を買えば済む話ですが、私はビデオに対してそこまでこだわりがあるわけではなく、もっと手頃な価格帯の製品でなければ手が出ません。ここ2~3週間で急激にHF M51の実売価格も下がってきたこともあり、突然ではあったのですが買う決心をしたのです。
しかし、いざ買うつもりで販売店に出向いてみると、殆どの店で完売または展示品処分のみという状態になっていました。最悪は展示品でも仕方ないと思ってはいたのですが、前述の通りこの製品は発売から1年が経過していて展示期間も長く、出来れば避けたいと思っていました。結局は自宅から比較的近い量販店で、本体色レッドが1台だけ在庫で残っているということで、本当はシルバー希望ではあったのですがこちらを購入してきました。
とりあえず簡単に窓の外を撮影してみました。雪が降る中というのは少々厳しい条件だったかもしれませんが…。
色のバランスなどは、当時としては良好だった手持ちのJVC GZ-HM570と比べても進歩しているように思います。ただ、レンズの画角が中途半端だったり、ホワイトバランスや感度の調整もなかなか思った通りにはいかないなど、すぐに気になるような弱点も抱えてはいますが…。
個人的には先代のHF M43/M41で搭載されていたファインダーが省略されたのが少々残念です。簡易的なものであってもファインダーがあれば液晶を使う頻度を下げることが出来ますし、それによってバッテリーの持続時間も多少は有利になりますから。
それでも実売2.5万円のカメラでこれだけ撮影できるというだけでも、Hi8を使っていた時代からは考えられない進歩です。価格を考えれば文句ないレベルです。GZ-HM570の方ではワイドコンバージョンレンズを併用することで、広角用のGZ-HM570と望遠・室内用のHF M51という使い分けをしていこうと思っています。
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購入金額
25,000円
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購入日
2013年02月19日
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購入場所
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