レビューメディア「ジグソー」

低消費電力型Piledriver

物理8コアFXシリーズの低消費電力版CPUです。

発売日から幾ばくか立ちましたが相変わらずの踏み絵状態でZigsow初レビューになります。

IYH!ずっと俺のターン!!

 

はい、冗談(?)はさておき、本題に入っていきたいと思います。

 

 AMD FX-8300 

型番:FX-8300
パッケージ:Socket AM3+ (942 pins)
開発コード:Vishera / Piledriver
モジュール数/コア数:4 Modules / 8 Cores
クロック:3.3GHz / Turbocore 4.2GHz
L1 Cache:128KB (64KB + 64KB)
L2 Cache:8MB (2MB/Module)
L3 Cache:8MB (shared)
プロセスルール:32nm SOI (Silicon on Insulator)
ダイサイズ:315mm2
TDP:95W
対応メモリ:DDR3-1866

 

ダイサイズに関しては変わってないだろ?という憶測値です。

えー、そのうちこっそり内部構造をスキャンできたら確認して訂正します。出来たら、ね。

 

それ以外は基本的にここまでのFXシリーズと変更はありません。多分。

FX-8300の特徴としては次の2点。

 

①TDPが95Wに引き下げられている。

②動作クロックは3.3GHzとダウンしているが、TC時はFX-8350と同様の4.2GHzが採用されている。

 

とりま1個ずつ見ていきます。

まず①ですが、恐らくSteamroller延期のためのつなぎ役としてリリースしておきたかったのでしょう。

AMDのロードマップからSteamrollerが消えたのはGlobal Foundries(以降GF)の28nmプロセス立ち上げのもたつき(というか失敗?)のせいによるものと考えています。

GFはIBM、Samsungと一緒に行っているCommon Platformに参加していますので、そのGFがこけたということは、現在28nmのファウンドリ業を行っているのがTSMCのみということになります。

AMDとしてはGFの株式を売却しTSMCでもハイエンドCPUの製造を行うことはできるのですが、Intelが22nm世代でフィンフェットを採用したことと、モバイル向けSoCも22nmに移行することを宣言しておりますので、モバイル向けチップ(用はARM)の製造がTSMCの28nmに殺到しているため、AMDの物量では恐らくTSMCのキャパシティを裂いてもらえないでしょう。

製造技術に関しては、2013年中にKaveriをTSMCの28nmプロセスで投入するらしいので、SteamrollerコアFXシリーズへの最適化は比較的容易でしょう。

半導体産業は物量の世界なので、用は純粋に大して金にならないから相手にしてらんねーよ、というのがTSMCの立ち位置から見た見解でしょう。

とまぁそんなわけで新製品を投入する目処が立たない中で編み出した苦肉の策でしょう。

 

②ですが、これはTDP引き下げの為でしょう。

TC時のクロックが据え置きなのは、セールス上の売りを用意しておきたいのと、立ち上げから時間が経過してプロセスが安定してきたことにより、良質なウェハの比率が増えてきたからでしょう。

ここでいう良質、悪質というのは

良質

・同一クロックを伝送するために必要な電圧が低い

悪質

・同一クロックを伝送するために必要な電圧が高い

ということになります。

基本的に電圧は2乗で消費電力に効いてきますので、この電圧の高低差は大きなアドバンテージたり得ます。

もうちょっと平たく言うと、同じ電圧で動作させた場合、良質か悪質かで最高クロックが変わってくると言うことです。

実際にはリーク電流(これが一番のくせ者)、貫通電流、発熱スパイラルなどもあるので、TDPで考える場合にはこのまんまとは言えないのですが、まぁそんなもんなんだな~ぐらいで流しといて下さい。

 

ではパッケージを見ていきます。

 

相変わらずプレッシャーのある缶ケース使用です。

デザイン的には特に大きな変更点はありませんね。

 

 

今更ですがAMDの国内代理店はCFDなんですね。

いえ、ただの独り言です。

 

お次に内容物。

 

 

中身は

  • CPU
  • リテールクーラー
  • 取説
  • エンブレム

と代わり映えしないラインナップです。

です、が!

お気づきになりましたか?

そう、リテールのファンがなんか赤い

ちょっとちょっと、なんですかこの期待感は。

8150、8350となんら変化のない中で、8300でファンに変更点?

ちょ、みなぎってきたw

 

てなわけで早速ババーンとご開帳!

 

 

…あ…れ…?

ファンは色的に派手になったけどヒートシンクが…しょぼくなった?

いや、ファンの直径も小さくなったし、フィンの枚数も減ってるし、何よりヒートパイプがついてない。

 

どういうこと!?

 

何コレ、TDP減ったからこれでいいでしょってことですか。

それはなくない?

何より8350と1000円くらいしか変わらないのにそういうことする?

ていうかその1000円の差って明らかクーラー分の値段ですよね?

AMDの良いところってIntelと比べてリテールの質が良いってのもあったのに。。。

なんかもう無いわ。。。

このあとどんな結果が出てもこれがかなり尾を引くよ。

 

そしてさらに無いのがこのヒートシンクの出来の悪さ。

 

 

なんか曲がってたりバリみたいなのがあったり。

これはいくらなんでもひどくない?

値段なんて下げないで良いから今までと同じリテールクーラーにして欲しかったよorz

 

そしてこっそりグリス塗布のパターンも変わっています。

 

ちなみに8150と8350のクーラーがどうだったかはコチラをご覧下さい。

てなわけでテンションがだだ下がっておりますが、めげずくじけず、進んでいきます。

ええ、これでくじけるくらいなら初めから8350も8300も買ってませんから。

 

お次はCPUパッケージの刻印です。

 

ここも変更点はなく、

前工程(フォトリソグラフィ)はドイツ/ドレスデンのFab1、後工程(アセンブリ)はマレーシア(工場不明)ということで、FX-8350と同じですね。←コピペ

今回掴んだOPNはFD8300WMW8KHKになります。

一体どういった単位でロットを構成しているかは知りませんが、頭数が圧倒的に少ないようなので発売直後あたりに入手した人は全員同じOPNではないでしょうか。

 

では以上で外観的な何かは終了し、スペックの確認に移ります。

スペックと言っても8350の時のデータに新たに測定した8300を追加するだけなのですが。

へ?3770Kのデータも入れろって?

嫌だよ、泣きたくなるじゃん!

…はい、プレミアムレビューで頂戴した品ですからね、こういう時にこそ役立てますよ、はい。。。

 

と、いふわけで、ベンチマークに突入していきます。

まずは測定環境です。

 

FX-8300

 

FX-8150

 

FX-8350

 

Core i5-3570K

 

Core i7-3770K

 

もう深く考えずにベンチの結果をババンと載せていきます。

CPU負荷系はAMDとIntelの混合で、GPU負荷系は同一環境でCPUだけ換装しているAMDのSocket AM3+のみとなります。

ではまずCPU負荷系から。

 

 Sandra 

 

 CINE BENCH 

 

 Super Pie 

*単位は秒

 

続いてGPU系のベンチマーク結果です。

これは1つの表にまとめた結果になります。

 

 

さて、こんな感じでバーッとベンチマーク結果を載せてきましたが…

ぶっちゃけFX-8300微妙ですね。

マルチスレッドでもシングルスレッドでも一世代前のアーキテクチャであるFX-8150よりも芳しくなく、純粋にシングルスレッドで見れば1100Tよりもよろしくない

へ?Ivyとの比較はするだけムダなのでパス1です(マテ。

 

GPUが絡んでくるところだと一応FX-8150よりは上をいっていますが、このあたりTurboCoreの恩恵もあるでしょうから、評価としてはなんともいえないところですね。

なんというか、素直に感想を述べるのであれば動作周波数並の結果ですね。

BullかPileかに関わらず、この世代は純粋に動作クロックで比較しても良いのかもしれません。

 

ですが8300の神髄は性能ではなく消費電力です。

そのこのところをチェックしていきましょう。

 

秋葉原ではFX-8300を低電圧版としてポップ制作をしていた店舗があるようですが、本当に電圧低下の結果なのですか?←素朴な疑問

AMDのTurboCoreはかなり自由な電圧設定をしているのでそこのところがちょいと気になるのですが。

まぁそんな野暮ったい話は置いといて、やってみましょう。

電圧の読みはワットモニターのピークを目視で、負荷はOCCTでかけます。

 

 

どどん、と。

何も設定をいじらずに測定してみたとこと、FX-8300はTCが入らずに定格の3.3GHzで駆動しておりましたので、あえて表記をしてあります。

8150と8350の時は共にTC入ってクロックが上がっておりましたので、比較対象としてはあれですが、かなり差が出ております。

これについては後日8300を4.2GHzに設定した状態で測定してみたいと思います。

 

ですが現時点でこれだけはっきりした差がついていると期待しちゃいますよね?w

それではやや中途半端な感は否めませんが、この辺でFX-8300レビューファーストインプレッションを締めたいと思います。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。

このレビューが少しでも皆様の自作PCライフに寄与すれば嬉しいです。

  • 購入金額

    17,470円

  • 購入日

    2012年12月30日

  • 購入場所

    PCDEPOT

12人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • Vossさん

    2013/01/10

    >嫌だよ、泣きたくなるじゃん!

    思わず涙が・・・・無論、悲しみの、ですよ?(笑い涙な訳ないじゃないですか)

    しかし、リテールなんてどうせ使わんだろ的な、なげやりな作りですねぇ・・・・
    AMDは完全にAシリーズ中心で行くんだろうなあ。
  • 来人さん

    2013/01/10

    >Vossさん

    コメントありがとうございます。

    ね、3770Kのデータと並べると泣きたくなりますよね。

    そう、リテールの作りがひどいんですよ。
    ご祝儀価格だと思って買ったのにこの体たらくですよ。
    これは普通に凹みました。

    そうですねぇ、APUを主軸に据えていくのは間違いないでしょうね。
    実際プロセスとファウンドリの問題があるとはいえ、2013年中にリリースするのはTemash、Kabini、Richland、Kaveriの4プロセッサで、いずれもAシリーズAPUとしてリリースされるらしいですからね。
    ただこっちもこっちでプロセスの都合上どこまでIntelと戦えるかですね。

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