日本国内での希望小売価格は、Audiowerk8が89,800円、Audiowerk2が49,800円程度ではなかったかと思います。スペック面での両モデルの差は、
・入出力ch数(型番通りで、Audiowerk8が8In/8Out、Audiowerk2が2In/2Out)
・対応サンプリング周波数(Audiowerk8は48KHz/44.1KHzをサポート、Audiowerk2は44.1KHzのみ)
という程度です。
実際に両方の基板を見比べてみると、構造や搭載部品はほぼ同一で、Audiowerk8の方がch数が多い分だけ部品点数が多いという程度にしか見えません。
せっかく両方持っていますので、同一のPCに装着して比較試聴してみました。結論から言うと、CD再生時の音質はほぼ同等です。厳密には全く差が無いとはいえないのですが、この両者の差よりも2枚用意したAudiowerk8(1枚は友人が持ち込んだ個体)同士の差の方がずっと大きかったのです。個体差で済まされてしまう程度の差といえば良いでしょうか。
細かく違いを見ると、私の所有分のAudiowerk8は高域方向の透明度でやや上回る代わりに、全域にわたってややスピード感に欠ける印象があります。一方、友人のAudiowerk8では、透明感はやや劣るもののスピード感が増し、締まりがよく感じられます。恐らく使用頻度の違いから、エージングが進んでいるか否かの違いで付いた差ではないかと思うのですが。
ここでAudiowerk2を交えて比べてみると、私のAudiowerk8に少しスピード感を足したような印象を受けます。エージング以外の違いといえば、Audiowerk2では基板上に直付けされたRCAピンから出力されるのに対して、Audiowerk8はさほど品質が良いとは思えないブレイクアウトケーブルを介したRCAピンからの出力になるという点でしょうか。その意味では、44.1KHzのソースに限っていえばAudiowek2の方が良いのかもしれません。
私の手元には、同じくemagic製のオーディオインターフェースとして、USB接続で24bit/96KHzをサポートしたemi6/2m(改称後はa6/2m)、emi2/6(a2/6)もあります。それぞれの構成は、
・Audiowerk2、Audiowerk8:DSP、D/Aコンバーター共にPhilips製
・emi6/2m:DSP=XILINX製、D/Aコンバーター=AKM製
・emi2/6:DSP=XILINX製、D/Aコンバーター=CirrusLogic製
と異なっているのですが、意外なほど音質的には共通のキャラクターを持っているのです。勿論細部にはそれぞれの個性はあるのですが、emagicトーンともいうべき傾向があるのは間違いありません。
比較的価格帯の近かったecho digital audio製GINA24/96と比べれば高域方向の表現や最低域部分の力感など差の付く部分は多くありますが、それでも何となく使いたくなる魅力を持った音質の製品といえます。なんとなくバブル期の59,800円クラスのCDプレイヤーと共通する印象を受けます。
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購入金額
1,500円
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購入日
2007年10月03日
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購入場所
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