発売当初はコンパクトデジタルカメラとしては高額が付けられていて、スペックよりも造り込みで勝負した感のある製品でした。
画素数やレンズのスペックだけで見れば、それなりに高い水準ではあるものの特徴らしい特徴はあまりありません。もっとも、最近の製品としては画素数が少なめ(1,200万画素)ながら素子サイズは大きめ(2/3インチCMOS)であり、見た目のスペックを捨てて撮影画質にこだわったというべきバランスではないかと思います。
レンズは35mm換算で25-100mmという、あまり広い範囲とはいえないズームレンズですが、開放値F1.8(25mm時)とかなり明るいレンズを採用しています。実は今年の仲間内での新年会にはこのカメラを持参したのですが、薄暗い室内でもフラッシュ無しで十分に対応出来た辺りは大いに評価出来ます。
もっとも、セールスポイントの一つとなっているレンズ部を回転させて電源のON/OFFを行うというスタイルはどうにも好きになれません。普通のスイッチの方が安心感があります。
元々はフィルム使いだった私にとって面白かった機能としては、フィルムシミュレーションがあります。FUJIFILMのXシリーズに搭載されているもので、基本的には画質調整機能なのですが、カラー切り替え時のネーミングが
・PROVIA(標準)
・Velvia(ビビッド)
・ASTIA(ソフト)
となっていて、フィルムを使っていたユーザーにとっては画質をイメージしやすくなっているわけです。もっとも、白黒モードを「NEOPAN」としなかったのが片手落ちのような気もしますが…。
大型センサーと明るいレンズで、コンパクト機らしからぬ本格的な画質を実現していますし、このクラスとしては割合珍しい日本製ということで品質感も悪くはありません。茶色はもう少し落ち着いた色にした方が高級感は出たと思いますが。
派手さはないものの良い写真を撮るという観点から作られた、真面目なカメラという印象です。
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購入金額
20,000円
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購入日
2014年01月02日
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購入場所
ヨドバシ・ドットコム
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