生まれて来る意味 消えて行く意味 規格が生きている現在(いま)
11文字の<連携(デュアルグラフィックス)>
混合十字砲火(Hybrid CrossFire) 『最後のオンボード』
嗚呼…其処にロマンは在るのだろうか?
※斜体部は某曲パロネタなんで気にしないでください。
ごく普通のASUS製グラフィックボード。RadeonHD5000系としては最下位に位置するHD5450を搭載するが、VRAMが1GBと容量だけは豪華だ。
ローエンドチップだけにファンレス・ロープロファイルの定番スタイルを備える。騒音の心配は無く、度世代ローエンドGeForceと比べるとチップ自体の発熱が少ないのである程度無理は効くが、小型PCへの組み込み時は温度に注意したい。
クーラーはまるでファンタイプクーラーのファン部分を埋めたかのような放射状デザイン。普通のクーラーに対して冷却力に変化があるのかは判らない。
出力も典型的なD-Sub/DVD/HDMIのセット。ブラケット上部にASUSのロゴがあるくらいしか特徴がない。とはいえASUS製ということで梱包も程よく丁寧、基盤上のパーツが曲がっている等の荒さもなく、品質は高そうだ。
性能面を見るとただでさえローエンドな上に型落ち。今更の出番は少ない。ヘタにCPU内蔵グラフィックを持つPC(IntelHD3000とか)に挿すと性能が下がる恐れがあるレベルの性能だ。あくまで旧型PCの延命や動画再生支援用と割り切った方がいい。
ちなみにCPUパワーが劣るPCでもこれを挿せばBDがカクカクせずに視聴可能なのでその用途での能力は確かなのだが、後継のHD6450が登場している。HD6450は消費電力を維持しつつ性能をアップさせているのであえて選ぶ意味も無い。
そんなVGAを入手したのはWindows8発売と前後して行われたセール。
Windows「8」発売記念特価で888円という投売り価格がされていたものだが、さすがの私もそれだけでは使う場面も無いので手を出さない。しかし我が家にはこれがある。
実質的にAMD最後のオンボードグラフィックとなった890GXチップを搭載したASRock製マザー。890GXに内蔵されたオンボードグラフィックス「HD4290」はこのHD5450との「AMD Dual Graphics」…オンボードと外部VGAとのクロスファイア動作に対応しているのだ。
ちなみに「Hybrid CrossFire」と呼ばれる事もある…というかそちらのほうが通りがいい。Wikipediaによると760G~880Gまでの同機能については「ATi Hybrid CrossFire」と呼ばれ、890GX及びその後のAPUシリーズでの同機能は「AMD Dual Graphics」という事らしい。
…何故APU化の1個前で区切ったのだろうか?
実際今「AMD Dual Graphics」と言うとAPUシリーズの機能を指す事が多いので「Hybrid CrossFire」と言ったほうが判りやすい気がする。
ちなみにASRock 890GM Pro3 R2.0の公式サイトやマニュアルには「Dual Graphics」の名前は無く「ATI Hybrid CrossFireX」と書いてある。Xまでついちゃったよ!!
※面倒なんで以下「Hybrid CrossFire」に統一。
さて、早速HD5450を装着してHybrid CrossFire動作を狙ってみる訳だが…
小型の旧型VAIOを無理やりATX電源化改造したへんてこPCなので内部は悲惨。写真撮り忘れ。
とにかく、装着が終わったらBIOS(UEFI)側の設定でVGAを挿してもオンボードグラフィックが生きる設定にしておく必要がある。
890GM R2.0の場合は恐らく以下の3点を確認すれば大丈夫だろう。
Internal Graphics Mode→UMA
Primary Graphics Adapter→PCI Express
Surround View→Enabled
後はHD5450側にディスプレイを接続し、OSを起動。ちなみにOSはWindowsXPだ。早速最新版のドライバをインストールして…って罠があった。
先ほどから書いている通りグラフィックボードはHD5450、内蔵グラフィックスはHD4290だ。ところがAMDのグラフィックスドライバは2012年6月頃からHD4000系以前をレガシードライバとして分離してしまっていた。
正直にHD4290用のレガシードライバをインストールするとHD5450が機能せず、HD5450用のドライバを使用するとHD4290が機能しない。なんという世代間格差。当然マザー・VGAそれぞれに付属しているディスクにはそれ用のドライバしか入っていないのでダメ。
対処方法はズバリHD4000系とHD5000系が分離される前の旧バージョンCCCを使って2つのドライバを一気にインストールする事。今回はCCC12.4を使用した。
ちなみにAMD公式サイトの旧バージョンドライバは判り難い場所にあるので某代理店(アスク)様がサポート用に転載しているヤツをダウンロードしたほうがラク。
…で、何とか無事2つのVGAが動作する状態にはなったのだが、肝心のCrossFireの項目が出てこない。CCCのバージョンをいくつか試したがダメ。元々780Gマザー時代から何度もCCCを出し入れしているWindowsXPなので余計なゴミが残りまくっているのか、はなからXPではダメなのかは判らない。とにかく出来ない。
XP自体が起動に2分以上かかる鈍足状態だっただけに無駄な時間を食いまくる。更にこれは親のPCだ。これ以上の検証はムリと判断。一旦放置。
HD5450購入から1ヶ月経った頃、SSDを捻出して遂にこのPCもWindows7化。OSクリーンインストール直後で出来なかったらムリと諦める。最後の挑戦としてOSセットアップ直後にCCC12.4をインストール。
双方認識OK
あった!遂に念願のHybrid CrossFireだ!
↓890GX(HD4290)単体WEI
↓HD5750単機/Hybrid CrossFire時WEI
…下がってね?5450のがAeroスコア低いとは予想外。
↓HD5450単機 3DMark06
↓HD5450+890GX Hybrid CrossFire 3DMark06
いや、予想はしてたけどね。差が無いってさすがにおかしいね。
いやまあ事前にあった情報から殆ど意味がないという結果は見えていたのだけど、これはさすがに正しく動いていないのかもしれない。正しく動いたところでHD6450を単発で使ったほうがよっぽど簡単で高性能な気がするが。
【追記】
3DMarkVantage以降でないとDualGraphicsが動作しなかったとのコメントをいただいたのでVantageを動かしてみた。そしたらちゃんとスコアに変化が!
↓HD5450単機 3DMarkVantage
↓HD5450+890GX Hybrid CrossFire 3DMarkVantage
確かに変化したけど強烈にスコア下がってるじゃねえか!
やっぱりコレ、設定が上手くいってないのだろうか。とにかく私の手ではHD5450+890GXの力を見ることは叶わぬ願いのようだ。
まあ正しくCrossfireで実力が出たところで、Crossfireに対応できるようなソフトがHD5450+αの性能で使えるのか?という問題もあるのだが。
しかし最後のチップセット統合グラフィックに持たされたHybridCrossfire(Dual Graphics)。APUシリーズの系譜という意味でも一度やってみたかった。ただそれだけの理由なのだから悔いは無い。
此れは 生まれて来る前に 消えて行くOnbordの物語(HybridCrossfire)
嗚呼...性能はもう無意味ても ドライバ(12.4)を使って往くロマン
――詠い(しるし)続けよう → 設定に迷わぬように……
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購入金額
888円
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購入日
2012年10月25日
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購入場所
Sofmap
Vossさん
2012/12/01
下小川さん
2012/12/01
一応GPU-ZやCCC上ではCrossFireの扱いになってるんですけどねえ。
ふっけんさん
2012/12/01
下小川さん
2012/12/01
結果、期待を裏切らない2重オチになってしまいました。うーむ手強い…
ふっけんさん
2012/12/01
APUのデュアルグラフィックスレビューで唯一スコアが伸びたのに
下小川さん
2012/12/02
また弄ってみたい気持ちもあるんですが、せっかく表向きだけでもHybridCrossfireになっているのでヘタにいじってクロスファイアに戻らなくなるのが怖いって言う!