レビューメディア「ジグソー」

「速い」Palm

Palm OS 5.2系の本体として最も高速な機種といわれていたのが、このTungsten Cでした。CPUはSONYのCLIEでも採用されたIntel Xscale PXA255なのですが、クロック周波数がCLIEの倍の400MHzで、画面解像度もハーフVGAのCLIEよりは狭い320x320ピクセルにとどまっていたため、単純な処理速度では、当時のPDAの中では極めて優秀な部類でした。

実際に、CLIEとしては高速な部類のPEG-NX80Vと比較しても、アプリケーションの動作は軽快でしたし、Webのブラウジングなどの速さでもTungsten Cの方に軍配が上がります。

ただ、それでも当時の常用PDAはPEG-NX80VやPEG-NX60であることに変わりはありませんでした。確かにTungsten Cは速度では優秀なのですが、PDAにとって速さとは必ずしも快適さには繋がりません。現代の水準で見れば色々と古さが見えるCLIEであっても、当時の基準で見ればあらゆる機能がバランス良く1台の中に含まれていたことが大きな魅力であったのですが、Tungsten C速さ以外の点でCLIEを超えている部分が特になかったためです。

Tungsten Cは個人的にこだわりのあるハードウェアキーボードを搭載していることが大きな魅力だったのですが、このハードウェアキーボードはCLIEのものと比べると数段打ちにくいのです。Linuxになる前のSHARP製PDA、Zaurus MI-E1辺りに搭載されていたものに近い感覚で、個人的にはどうも馴染めませんでした。

無線LANはIEEE802.11bではありますが、一応内蔵はしていたので、単純なブラウジング速度はCLIEよりも数段上でした。ただ、先述の通りCLIEよりも画面解像度は狭く、情報量という意味では極めて物足りないものでした。CLIEではCF型の無線LANカードやAIR-EDGEを使ってブラウジングすることはよくあったのですが、Tungsten Cではテスト以外の目的で使った記憶が殆どありません。

せめてCLIEシリーズのハーフVGAと同等以上の解像度を持つディスプレイが搭載されていれば使い勝手は大きく向上していたでしょう。ただ、描画領域が広くなるとこの機種のセールスポイントである速さでは不利になるわけで、何とももどかしさを感じる中途半端さが気になる製品です。
  • 購入金額

    14,800円

  • 購入日

    2008年12月14日

  • 購入場所

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