120mmタイプのBlue-LEDデュアルファン仕様です.
特許を取得した独自の冷却システムQSC technologyの効果を比較検証します.
比較対象は,プレミアムレビューAntecのKUHLER H2O 950です.同じ120mmタイプですが,H2O 950は厚型のファン/ポンプ一体型です.
一方,ELC120は,薄型の従来型ですが,ウォーターブロック部に特徴があります(内部構造なので確認は出来ません).
この二つの水冷クーラーは,基本パーツが非常によく似ています.特に,マザーボードへの固定方法は同じです.
一つ一つのパーツは,全く同じではありませんが,バックプレート,固定用ブラケット,ナット,スプリング付きネジは同じ方式です.
よって,CORSAIRの水冷クーラーに比べると,設置に時間がかかります.ただし,H2O 950より,バックプレートのナットが外れない分,改善されています.
ENERMAXには,ETD-T60-VDなどで実績のあるバックプレート固定方法があるので,この方法を採用して欲しかったです.
水冷チューブもほぼ同一だと思われ,蛇腹形状ですが,比較的柔らかく,取り回しは楽です.
取り付ける前に,動作確認してみます.
ENERMAXお得意のBlue-LEDがとても綺麗に映えます.この状態でのファンノイズですが,サイレントモード(1500rpm)は,非常に静か,パフォーマンスモード(1800rpm)は普通のクーラー並みで許容範囲,ターボモード(2200rpm)は残念ながらうるさいです.このターボモードを常用するのは厳しいですが,高負荷時のみであれば,仕方ないかなと思えるレベルです.
ちなみにENERMAXのTB.SilenceであるUCTB12P(500~1500rpm)なら,最大でもサイレントモードと同じであるため,非常に静かです.
ただ,ちょっと残念なのは,この切替SWが軸部にあるため,設置したあとから変更することは出来ません.設置する前に,設定をしなければなりませんので,組み込む前に一度動作確認し,ノイズチェックすることをお勧めします(この場合でも,片側はラジエーターから取り外さないと変更できませんが).
では,冷却性能を見ていきます.
いつものように,PCケース内設置で,ケースファンは静音設定のまま,OCCT(CPU)の負荷をかけて,CPU温度をHWMonitorで読み取ります.
ファンの設定は,Low(30%),Mid(60%),High(100%)とし,Antec GRIDまたはF-Steam Tuningから設定しています.注意点としては,CPUファン端子が3ピンの場合,ELC120-TAは,ウォーターポンプとラジエーターファンの電源が同一なため,CPUファン電源から取ると,ウォーターポンプの出力も低下してしまいます.CPUファン端子が3ピンで,マザーボード制御させる場合には,ラジエーターファンのみCPUファン端子に接続し,ウォーターポンプ電源は4ピンペリフェラル-3ピンファン端子変換コネクタ等で,直接12Vを確保してください.
それでは,結果です.±1℃くらいの誤差があることを念頭にお願いします.
一言で言うと,H2O 950より,ELC120-TAの方が冷えるという結果です.
これは,どのモードにおいても同様で,ELC120-TAの方が薄型ラジエーターですが,冷えています.ラジエーター部やファンの差ではなく,冷却水循環量の問題ではないかと思います.
上でも指摘しましたが,H2O 950は,冷却ファンとウォーターポンプのモーターを共用していることで,循環量が少ないのではないかと思います.加えて,ELC120-TAの特許取得したQSC technologyの効果が出ているものと思います.
ELC120-TAは,120mmタイプで,しかも薄型ラジエーターですので,非常に設置しやすいです.デュアルファンで干渉する場合には,シングルファンでの運用も可能ですから,ELC120-TAは非常に設置自由度が高く,その割によく冷える一体型簡易水冷CPUクーラーだと言えます.
冷却性能以外にも,ELC120-TAはENERMAXお得意のLEDファンが綺麗ですので,ドレスアップにも最適だと思います.
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購入金額
0円
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購入日
2013年09月19日
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購入場所
ナンチャンさん
2013/10/16
harmankardonさん
2013/10/16
基本構造は同じっぽいですね.
Antecは,ポンプ/ファン一体型に,ENERMAXはウォーターブロック部に,特徴を出して,差別化を図った感じです.