今回レビューする『GV-N670OC-2GD』は、大阪の日本橋にあるPCパーツショップ・PCワンズが毎週木曜日21時からUstreamで放送している「わんずちゃんねる」のプレゼントでいただいたものです。
・わんずちゃんねる
当選した時にはあまりのことに驚きましたが、めちゃめちゃうれしかったです。また、PC自作を始めて以来のハイエンドビデオカードだったので、少し緊張もしましたw
それでは、早速レビューしていきますっ!
◆パッケージ
パッケージは非常にシンプルです。デザインは、最近?のギガバイトのビデオカードの外箱にデザインされているものと同様の、目のようなデザインです。
ただ、ハイエンドのビデオカードの割にはパッケージがミドルレンジやローエンドのものと同等の質なので、ラグジュアリー感はありません。
付属品も非常にシンプルで、無駄なものは一切入っていない感じです。ハイエンドビデオカードの付属品に見られる商品の質の高さをアピールするペーパーなどはありません。
良いように捉えれば、ビデオカード本体の質で勝負する。悪く捉えれば、本体以外はコストカットしているといえますね。この点をどう捉えるかは人それぞれですが、付属品やパッケージにもカードと同様の質を求めるにとってはマイナス点ですね。
◆カード概観
カードには、ギガバイトのハイエンドビデオカードに採用されている『WINDFORCE 3X』が搭載されており、3連のファンが目立っています。
カバーにもWINDFORCEのロゴがデザインされています。
ひとつ残念なのは、カバーがプラスチック製である点です。ハイエンドビデオカードのカバーがプラスチック製だと、少しテンションが下がってしまいます。
商品価格が少し高くなっても良いので、ハイエンドビデオカードのオリジナルファンモデルでは金属カバーを使用して、豪華さを出して欲しいなと個人的には思います。
4gamerのGTX 670レビュー記事を読むとリファレンスカードの基板はかなり短いみたいですが、このカードはカード長と
基板の長さが同じであることから、オリジナル基板であることがうかがえます。
基板のカラーがブルーであることからもオリジナル基板であることがわかりますね。
カードをサイドから見てみてみると、基板全体がヒートシンクで覆われており3連ファンとの組み合わせで高い冷却能力を示してくれそうです。
また、3連ファンモデルながら2スロットにしっかりと納まっているのは好感が持てますね。
ヒートシンクを上から見てみると、真ん中のファンがある位置の下にGPUコアがありそこから極太のヒートパイプ3本が左右に分かれているのがわかります。
左右のヒートパイプの先にはヒートシンクがあり、効率よく熱を伝えてくれそうです。
SLIコネクタは2つあり、3-WAYや4-WAY SLIの構築も可能です。『GIGABYTE』のロゴがさりげなくあしらわれており、なんとなくカッコいい。
補助電源はリファレンスの6ピン×2から6ピン+8ピンへと変更されています。オーバークロックモデルではありますが、6ピン+8ピンという構成からはさらなるオーバークロックができそうな期待を持たせてくれます。
出力コネクタは4系統で、DVI-D・DVI-I・HDMI・DisplayPortです。
所有しているN560GTX-Ti Twin Frozr II OCとサイズ比較をしてみました。長さは27.2cmと長めです。リファレンスモデルが24cmほどなので、リファレンス比で+3cm程長くなっています。ただし、補助電源コネクタの位置がサイドなので、27.2cmのスペースが確保できれば確実に収まります。
幅は10.7cmとすこし長いので、Mini-ITXケースなどに収めようとする場合には注意が必要かもしれません。
◆スペック
GPU-Zでスペックを確認してみました。コアクロックはリファレンスと比べてベースクロックが915MHz→980MHz、ブーストクロックが980MHz→1059MHzへとオーバークロックされています。リファレンス比で7~8%のオーバークロックです。
次にEVGAのPRECISION Xでも確認してみました。ダウンクロック時は324MHzまでクロックが下がります。
また、オーバークロックにおけるパワーターゲットは111%までとなっていて、オーバークロックのマージンは低いようです。ただ、リファレンスモデルでもパワーターゲットは122%までの様なので、このあたりはハードが原因というよりは、BIOSレベルでの問題かなーという感じがします。
◆性能
それでは、グラフィック性能を見ていきましょう。比較対象は先ほど紹介したN560GTX-Ti Twin Frozr II OCです。
ドライバは、2012年6月30日時点で公開されている公式の最新版・301.42です。
また、今回の検証に使用した構成は以下のとおりです。
@4.5GHz
まずは、3D MARK 11です。PerformanceモードとExtremeモードの2通りで計測しました。
ハイエンドすげー!!と、思わず言いたくなる性能ですwwPerformanceモードでは、5027→9291で約1.8倍のスコアアップ。Extremeでは1634→3220と2倍ものスコアアップ!脱帽です…。
次は、FF14のベンチマークです。LOWとHIGHの2通りで計測しました。HIGHに関しては、デフォルトのウインドウモードのままです。
HIGHは4631→6975となり、1.5倍もの数値です。一方、LOWはわずかプラス600程度でHIGHとは大違いです。HIGHと比べてもスコアの上がり幅が小さすぎるので、もしかするとドライバの問題かもしれません。次のドライバが公開された時点で、再度検証したいと思います。
続いては、MHF 大討伐ベンチです。1920×1080のフルスクリーンで計測しました。
10292→16843へと6000以上ものスコアアップで、1.6倍です。ベンチ中は120fpsを余裕でオーバする状態が続いていました。
さらに、ファンタシースターオンライン2のベンチでも計測しました。設定は全てを最高数値にして設定しました。
驚きの結果です。1万以上ものスコアアップで、2倍以上です。
最後に、バトルフィールド3(以下、BF3)での検証です。BF3にはベンチマークが無くプレイ中は操作しだいで画面の負荷が変動するので、プレイが開始される前のムービーシーンで検証しました。
検証に使用したシーンは『COMRADES』でトンネルのシーンから証券取引場へ向かう途中のシーンです。画質設定はプリセットにある『最高』設定です。
脅威の30fps以上ものアップです。キャンペーンモードに限るなら、最高設定でも60fpsを維持できると思います。
また、画質設定を『中』に落としてマルチプレイモードを一通り遊んでみました。ステージや対戦人数により100fps前後まで落ちることもありましたが、基本的には120fpsを超えます。画質設定を『低』にすれば常に120fpsをキープできると思います。マルチプレイでは画質よりも如何にfpsを落とさないかが重要なので、120Hz液晶でヌルヌルプレイしたいなら画質設定は『低』がおススメです。
うーん、XL2420Tが益々欲しくなってきた…レビュアーに選ばれていればなぁと、今更ながらに思いますw
ベンチ結果を一通り見てみると、旧世代からの性能アップは当然ですが高負荷時にその性能差が顕著です。GTX 670はフルHDなどの高解像度でゲームをプレイするユーザーにとって、旧世代からの買い替えに十分に値する性能を有していると言えます。
また、GTX 680のレビュー記事を見てみるとGV-N670OC-2GDのスコアは、GTX 680のリファレンスモデルと同等のスコアのようなので、GTX 680と同じ性能を有しているといっても過言ではないと思います。つまり、現状はシングル最速ということになります。
◆静音性
静音性に関しては、具体的に装置を用いて計測したわけではないので主観的な判断しかできない点はご了承ください。音の確認は、負荷中に再度パネルを開けて耳で確認しました。負荷は、上記のBF3のシーンを最高設定で走らせました。
ファンの回転数計測は、MSIのAfterBurnerを利用しました。
まず、アイドルに関してはGV-N670OC-2GDは23%の回転で750rpmです。他のケースファンの音にまぎれて音を聞き取ることできず、非常に静かです。
N560GTX-Ti Twin Frozr II OCは40%の回転で1600rpmです。GV-N670OC-2GDと同様に他のケースファンにまぎれているため、静かです。
負荷をかけている間、GV-N670OC-2GDは41%の回転で1900rpmでした。アイドル時と同様に、回転数が上がっているにも関わらず、風きり音などは聞こえてこず静かでした。
一方のN560GTX-Ti Twin Frozr II OCは55%の回転で2800rpmでした。風きり音が目立つようになり、明らかに騒音値がアップしていました。また、個体の原因か軸音も目立つようになっていました。
◆温度
温度はMSIのAfterBurnerで計測しました。室温は26℃です。
アイドル時は32℃と低く、冷えています。また、負荷中でも63℃とハイエンドモデルながらも低い温度です。先述の静音性とをあわせて考慮すると、静音性と冷却性能のバランスが良くクーラーが非常に優秀であることがわかります。
一方、N560GTX-Ti Twin Frozr II OCは負荷時でも60℃を越えることが無く、冷却性能は優秀であることがわかります。ただ、先ほどの静音性では負荷時に風切り音が聞こえてきたので、クーラーを静音性ではなく冷却性能寄りに振っていることがうかがえます。
これらの結果から、GV-N670OC-2GDは静音性と冷却性のバランスが良いが少し静音よりではないかと考え、クーラーの回転数を少し調整見ました。
調整ソフトはMSIのAfterBurnerを使用し、コア温度が60℃に達した時にファン回転数が50%に達するように設定しました。
この結果、3D MARK 11 Extreme設定を実行時で59℃となり、ファン回転数調整がデフォルト時と比べ4℃も低下しました。
音に関しても調整前と同様にケースファンにかき消されるレベルで静かでした。使用するPCケースによりますが、室温が26℃を超えるような夏の時期は自分で回転数を調整したほうが良いと思います。室温が25℃を下回るような時期には、デフォルトのファン回転調整でも十分すぎる冷却性能を発揮してくれます。
◆消費電力
最後に、消費電力を計測してました。
起動10分後をアイドルとし、負荷時は3D MARK11(Extreme)とBF3実行時に計測しました。BF3は性能検証で示したシーンと設定と同じです。
まず言えるのは、ハイエンドカードなのに消費電力が優秀過ぎることです。オーバークロックモデルとはいえ、旧世代のミドルレンジビデオカードより消費電力が20W程度高いだけで性能は1.5倍以上(場合によっては2倍以上)であり、ワットパフォーマンスがずば抜けて高いことがわかります。
これだけ消費電力が低いと、2-WAY SLIにしたとしても電源は800~900Wもあれば十分ですね。
◆まとめ
性能・静音性・冷却性能・消費電力を見てきましたが、どれをとってもすばらしいの一言です。GTX 670のリファレンスモデルはクーラーの性能が残念仕様らしいですが、このモデルは違います。
静音と冷却性のバランスが良い上に、オーバークロックモデルであるため性能はGTX 680に匹敵しています。
さらに、GV-N670OC-2GDは発売時から値段が下がっており、現在は42000円台で購入できます。GTX 670で見るとオリジナルファンモデルであるため安くは無いですが、GTX 680と同等と考えるとGTX 680はリファレンスモデルでも50000円近くするので安いと思います。
シングル最速ということでGTX 680を購入するのもアリですが、リファレンスモデルを購入予定でオーバークロックもしないということであれば、このモデルを買ったほうが満足度は高いと思います。
このモデルを買って、浮いたお金でCPUをより高性能なものにするなりSSDにするなりした方が、PC全体としての性能アップにつながると思います。
残念なのは、カバーがプラスチック製である点ですね。これが金属製であったなら、満点でした。
あー、本当に120Hz液晶欲しい!
カードはPCI Express 3.0に対応したので、後はCPUとマザーを対応したものに変更すればPCI Express 3.0のレビューができる!ってことで、こんなところでTop Gun Reviewのアピールをしてみる。
-
購入金額
0円
-
購入日
2012年06月30日
-
購入場所
わんずちゃんねる
bibirikotetuさん
2012/07/01
その差かもしれません。
深海さん
2012/07/01
なるほど、LOWがCPU依存率が高めであれば今回のベンチにおける伸び率の低さも納得できますね。
貴重な情報ありがとうございました!
きっちょむさん
2012/07/01
ワンズチャンネルなるものがあったんですねぇ。
性能もちょっとの消費電力の増加で、
これほど性能アップすれば万々歳でしょう~^^
深海さん
2012/07/02
ホントに技術の進歩は恐ろしいですw1世代前のミドルレンジカードと同程度の消費電力なのに性能は大幅アップですから。
ハイエンドでこのワットパフォーマンスだと、GTX 660でどうなるのかが楽しみです♪