打たれたとしても、現在でいうような5の5、天元といった趣向の一手として取り扱われたことでしょう。
初手の星打ちが殆ど無かったことについてはヒカルの碁一巻でも描かれています。
しかし、呉清源を中心とした昭和初期の棋士たちを中心に星打ちの研究が進み、「宇宙流」で知られる武宮正樹の活躍により本書のテーマである「三連星」が一気に普及することとなりました。
三連星とはその名の通り、一手目、三手目、五手目で隅と辺の星を占めることを指します。
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右辺の石をにらんでどの着点を選ぶかは白も大いに悩みます。
本書では星の定石研究の開拓者である呉清源の最新(2004年発売当時)の研究結果がまとめてあります。
相手の工夫に対する対策とそのまた対策といった具合に極めて詳細に展開の解説がなされています。
私自身、三連星に興味を持って、あるいは三連星を敷いて打ってみようと思って本書を購入したのではなく、白の立場から、三連星に対する対策を知りたく購入しました。
しかし、そういう観点からはイマイチだったかなぁ…というのが正直な感想です。
本書は一つの作戦に対する解説量が多い分、取り扱われている作戦数自体はあまり多くありません。
なので、三連星にまつわる折衝を網羅するようなものではなく、白の布陣もかなり限られたものになっています。
ですので、私と同じようなモチベーションで囲碁書籍を探す方は他の本の方が良いかもしれません。
本自体は面白いですし、素材もハードカバーの上質紙で、高級感あふれるのですが(そのかわり囲碁関係の書籍としては高めです)、自分の求めるもとは違った、という意味で満足度はそんなに高くありません。
あと、苦手なものにはより積極的に関わっていくのが一番の対策かもしれません。
三連星を敷かれるのが苦手だったので、逆に黒を持ったときは自分から三連星を敷いてみたりしてました。
その甲斐あってか、少しは三連星というものが分かってき…かなぁ…?
この辺りはスポーツ・ゲームでも通じるところが有るかもしれませんね。
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購入金額
2,100円
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購入日
2005年頃
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購入場所
M.T.オーエンさん
2012/05/28
>黒を持ったときは自分から三連星を敷いてみたりしてました。
これはジェットストリーム的なものなんでしょうか。
トム様さん
2012/05/28
行間が調整出来たらもっと見栄えが良くなるんですけどね。
碁を知らない人に三連星がどんな戦法であるかを説明するのは難しい…てか、ジェットストリームが分かりませんw
強いて言うなら三連星は戦いを誘う積極策ですね。
比較的お手軽に自分の勢力が敷けるうえに、お互いの作戦がハッキリするので三連星を敷けば多くの場合勢力の張り合い、あるいは戦いが勃発します。
要所を逃すと一瞬で形成がひっくり返る場面が続くので、以前の私のように苦手に感じる打ち手は少なからず居るのではないかと。