あつい夏が近づいてきました。
気になるのが、暑い中毎日、しかも一日中電源が入った状態で使用しているPCの健康状態。
部品が密集した省スペースPCであれば、なおさら気になります。
また、今年はいつも以上に電気の使用量を抑えることを気にしないといけない厳しい夏となりそうです。
いろいろな意味でPCの環境をできるだけクールにする工夫を、夏本番をむかえるまえのこの時期にしたいところです。
現在、仕事用としてメインで使用しているPCのOSはWindows 7です。
マザーボードはIntel Atom Processor N270 (1.60 GHz)が搭載されたIntel Desktop Board D945GSEJTを使用しています。
BIOSの設定で毎日朝に自動的に電源が入るようにしています。
入った電源は、その日に手動で切りますが、不在の場合には電源が入った状態で待機させています。
出張などの長期不在の場合には1週間、2週間電源が入りっぱなしの時もあります。
このPCを使用する場合は、別のPCからWindowsの標準機能のリモートデスクトップ接続やリモート接続サービス(LogMeIn)を使用してリモートから使用しています。
おもな使い方は、電子メールや表計算、ワープロなどの事務作業です。
インターネットさえ利用できれば、どこからでも同じデスクトップ環境が使用できる「VDI」を使用するような使い方です。
このPCを気に入ってメインで使用している理由は、省電力で使用することができるからです。
用途を割り切っているので、このスペックでも不便を感じることはありません。
できるかぎり電気代を押さえたいという要望にマッチしたPCです。
このPCは、休日をふくめてほぼ毎日電源が入った状態で使用しています。
そのためPCの健康状態は日頃から気になります。
暑い夏の時期は、高い気温の中で使用することになるので、いつも以上に気になります。
とくに、大切なデータが保存されているハードディスクの健康状態は日頃から気をゆかっています。
障害が起きてしまうとOSの起動障害や、最悪の場合には大切なデータが紛失してしまい日々の業務に支障がでてしまうからです。
復旧作業に手間や時間がかかることでしょう。
そのため、メンテナンスは日々欠かせないことのひとつです。
そこで、今回は「Samsung SSD 830」を使用することで、PCの健康状態を悪化させる原因の一つとである「熱」対策に効果があるかどうかの検証をおこなってみようと思います。
「ハードディスク」から「SSD」に交換することでクールな環境を手に入れることができるか気になるところです。
ハードディスクは生ものなので、いつかは壊れてしまいます。
できるだけ長持ちさせて使用したいですね。
そのためには、快適な環境で動作するように、「熱」対策などの工夫をする必要があります。
しかし、対策にも限界があるため、故障する前に定期的に新しいハードディスクに交換する必要があります。
今回はレビューさせてもらう「Samsung SSD 830」と交換することで健康状態を回復させたいと思います。
また、交換してすぐに利用していた環境が使用できるように、OSとデータを移行させてみます。
そのうえでPCの環境がどのように変わったか確認してみます。
その前に、今回レビューする「Samsung SSD 830 ノートパソコン用キット 256GB MZ-7PC256N/IT」のご紹介です。
インターフェース:SATA 6Gb/s
最大転送速度:4.16Gbps
フォームファクタ:2.5インチ
シーケンシャル読み出し:最大 520 MB/s
シーケンシャル書き込み:最大 400 MB/s
注目は、なんといってもパワフルな処理能力にあります。
コントローラにはトリプルコアが採用されています。
3つのCPUコアが同時に複数の大容量処理をおこなうため、高速なパフォーマンスを発揮することができます。
製品はしっかりとした箱におさめられています。
基本セットの「SSD 830」本体、「クイックユーザーマニュアル」、「マニュアルのCD-ROM」のほかに、「ノートパソコン用キット」には「取り付けスペーサー」、「SATA-USB変換ケーブル」、「Norton Ghost」が添付されています。
「マニュアルのCD-ROM」には各種マニュアル以外に「SSD 830」のメンテナンスツールである「SAMSUNG SSD Magician Ver3.1」が収められています。
「Magician」には「システム情報」の確認や「SSDベンチマーク」、「SSDパフォーマンスの最適化」など快適な環境で「SSD 830」を利用するために必要なさまざまなツールが収められています。
機能を改善するためのファームウェアのアップデートもおこなうことができます。
「SATA-USB変換ケーブル」は交換作業後もいろいろな用途で使用できると思うので、重宝しそうです。
現在使用しているディスクからOSやデータを「SSD 830」に移行したい場合には「Norton Ghost」を使用します。
そのほかにも、PCを日々使用する中でOSやデータのバックアップをおこなうことができる便利なツールです。
しかもフルバージョンです。
「FRGZZG58GBF5/27D」の環境でベンチマークソフトウェアを使用した計測結果です。
思った以上に、いい計測結果が出ました。
SATAIIIの転送速度を十分に活用することができる能力をもっていることがうかがえます。
「SSD 830」に交換することで、かなりよい環境を手に入れることがでそうな気配が十分します。
それでは、現在使用しているハードディスクを「SSD 830」に交換する作業を進めていきたいと思います。
OSやデータの移行は非常に簡単です。
移行には、添付されている「Norton Ghost 15.0」を使用します。
「Norton Ghost」を使用すると、現在使用しているOSの環境やデータを、移行先の「SSD 830」に設定を含めて移行することができます。
操作も非常に簡単です。
最初に、交換するPCに「Norton Ghost」をインストールします。
その後、「Samsung SSD 830」を付属の「SATA-USB変換ケーブル」で接続して移行を開始させます。
作業は「SSD 830」に交換したいPCに「Norton Ghost」をインストールして、「SSD 830」をUSBポートに接続するだけです。
難しい作業や専門の知識が必要ないのがうれしいですね。
データの移行が完了すれば、あとは「SSD 830」に交換するだけです。
これだけの作業で、OSやデータが交換前とまったく同じ状態でPCを使用することができます。
まず、「SSD 830」に交換するPCに、添付されているCD-ROMをしようして「Norton Ghost」をインストールします。
インストールされた「Norton Gost」のすべての機能を使用可能にするには、ライセンスを有効にする必要があります。
CD-ROMが収められているケースの裏に記載されている「Product Key」を使用して必ずライセンスを有効にしましょう。
「Norton Ghost」を使用してOSやデータを移行する方法は「マニュアルのCD-ROM」に収められている「NortonGhost_Data_Migration_User_Manual_(English).pdf」を参照します。
ファイルは「Magician Software」フォルダに収められています。
Windows 7の環境をを移行する場合の手順は17ページから記載されています。
今回移行する環境は「Case 2」となります。
「Norton Gost」のインストールが完了したら「SSD 830」をPCに接続します。
接続は、USBハブなどは使用せずに直接接続します。
添付されている「SATA-USB変換ケーブル」を「SSD 830」に接続します。
接続が完了したら、PC本体のUSBポートに接続します。
初めてPCに接続した「SSD 830」はPCから認識されません。
認識させるには「ディスク管理」を使用します。
「スタート」→「コンピュータ」を右クリックして表示されるコンテキストメニューから「管理」を選択します。
「コンピュータの管理」が起動したら、「コンピュータの管理(ローカル)」→「記憶域」→「ディスクの管理」を選択します。
すると「ディスクの初期化」画面が表示されるので「OK」をクリックします。
「ディスクの初期化」が完了すると接続した「SSD 830」(今回の場合は「ディスク1」)が「オンライン」の状態で中央ペイン下に表示されます。
「SSD 830」が「オンライン」状態で接続されたことを確認したら「Norton Ghost」を起動してデータの移行作業を開始します。
「Norton Ghost」を起動するには、「スタート」→「すべてのプログラム」→「Norton Ghost」の「Norton Ghost」を選択します。
OSの移行やデータの移行はメニューの「Tools」を選択して「Copy My Hard Drive」を選択します。
製品の有効化をおこなっていない場合は選択することができません。
「Copy Drive Wizard」が起動したらウィザードを進めていきます。
Windows 7を標準でインストールすると「100MBのシステム領域」が作成されます。
今回の環境では、この「100MBの領域」がある環境です。
データを移行させた「SSD 830」を使用してWindowsを正しく起動させることができるようにするためには、この領域を移行させます。
「Sourxe Drive」画面の右側に表示されている「Show Hidden Drive」チェックボックスをオンにすると、「100MBのシステム領域」[Drive:システムで予約済み(*:\)]が表示されます。
「システムで予約済み(*:\)」を選択して「Next」ボタンをクリックします。
「Destination」画面では、移行先である「SSD 830」[Destination:(*:\),Disk:2]を選択します。
「Next」ボタンをクリックすると「Advanced Options」画面が表示されます。
「Set drive active(for booting OS)」、「Copy MBR」チェックボックスをオンにして、「Destination partition type:」は「Primary patition」ラジオボタンをオンにします。
「Drive letter:」をプルンダウンメニューから「<none>」を選択したら「Next」ボタンをクリックします。
「Completing the Copy Drive Wizard」画面で設定した内容を確認したら「Finish」ボタンをクリックしてコピーを開始させます。
コピーが完了すると「Succeeded」と表示されるので「Close」ボタンを押して画面を閉じます。
引き続き、OSやデータが保存されている「C:\」ドライブの移行をおこないます。
「Source Drive」画面では、Cドライブの[Drive:(C:\)]」を選択します。
「Destination」画面では「SSD 830」の[Destination:(*:\),Disk:2]を選択します。
「Advanced Option」画面はデフォルトのまま「Next」ボタンを押します。
ディスクや環境の違いによって移行する時間は変わってきます。
データの移行が完了したら、さっそくディスクの交換作業をおこないます。
交換するPCの環境によって交換手順が変わりますので、マニュアルなどを読んで手順を確認します。
ドライバーなどの工具のほかに、小さな「ネジ」などの部品を外す作業なので、なくならないように保管するケースなどを用意するとよいでしょう。
「SSD 830」製品本体に記載されている「S/N」(シリアルナンバー)はサポートを受ける際に必要になるため、PCに組み込む前に控えておくとよいでしょう。
交換が完了したらPCの電源を入れます。
起動途中にメッセージが表示されますが、「Windowsを通常起動」を選択して起動させます。
これで交換作業が完了しました。
それでは、どのように環境が変わったのか確認していきます。
当然ですが「SSD 830」の方が良い結果です。
長時間使用して「SSD 830」を手に取ってみましたが、目立つほど熱を感じません。
HWMonitorを使用して、各パーツの温度やCPUファンの回転数を計測してみました。
SSDに交換したことで、ディスクドライブの温度が約7~8℃低下したことがわかります。
そのほかにも、CPUやマザーボードの温度も下がっています。
全体的な温度が下がったため、ケースに取り付けてあるファンの回転も大きく下がっています。
実際に使用していて、ファンの回転が上がらないため、複数の作業を同時におこなっていても静かに使用することができます。
Web閲覧などもスムーズにおこなえるようになりました。
そのほかの操作も同じくスムーズにおこなえます。
Windowsの起動時間ももちろん早くなっています。
SSDに交換することでWindowsの起動に大きく変化がでたかどうかを知りたくなったので、Windowsの起動状況をトレースしてみました。
トレースには「Microsoft Windows SDK」に含まれる「Microsoft Windows Performance Toolkit」を使用しました。
ダウンロード:『Microsoft Windows SDK for Windows 7 and .NET Framework 4 (ISO)』
「Microsoft Windows Performance Toolkit」にはWindowsの起動をトレースする「xbootmgr」が含まれています。
おもしろい情報を収集することはできませんでしたが、サービスなどの起動が全体的に早く開始されて完了していることがわかります。
ディスクのアクセスが「SSD 830」の方が多いのは「Superfech」が無効になっているためだと思います。
ディスクのアクセスが多いのですが、「読み込み」および「書き込み」の速度が向上しているのか、動作には全く影響が出ていません。
CPUの動作はSSDに変更しても変化はないようです。
SSD 830の能力を常に最適に保つためのツールが標準で添付されています。
状態の確認や、推奨される設定値を表示して設定することができる機能などが備わっています。
このツールは、添付されている「マニュアルのCD-ROM」に収められています。
そのほかにも、動作させているPCの環境を表示させることのできる「System Infomation」や「SSD 830」のファームウェアを更新することができる「F/W Update」など「SSD 830」を日々管理するために便利な機能が備わっています。
移行の環境によっては、移行したあとにディスクのボリュームの調整が必要な場合があります。
そのような場合にはWindowsの標準機能を使用して調整することができます。
ボリュームの調整や作成は「ディスクの管理」を使用します。
「スタート」→「コンピュータ」を選択してコンテキストメニューから「管理」を選択します。
すると「コンピューターの管理」が起動するので、「コンピューターの管理」→「記憶域」→「ディスクの管理」を選択します。
すると中央ペインに現在PCに接続されているディスクの一覧が表示されます。
移行後は必ずディスクの状況を確認するとよいでしょう。
ツールを使用しなくてもWindowsの標準機能を使用することで、ボリュームの管理と調整をおこなうことができます。
高速な「SAMSUNG SSD 830」を使用すると、ディスクアクセスが大幅に向上する環境を手にすることができます。
また、「SSD 830」自体の発熱が低いため、PCの内部の温度を上げることなく、長時間使用することができることも確認することができました。
そのほかにも、CPUの負荷が軽減されたり、ほかのパーツの発熱が抑えられるなどの変化がみられました。
そのため、PCのパフォーマンスや「熱」環境が改善される結果となりました。
消費電力も約1~2W下がることも確認することができました。
ハードディスクで使用していた場合は、6~11W前後で動作していたものが、「SSD 830」に変更したことで5~9W前後で動作するようになりました。
性能の良いSSDに変更することで、PCの内部の「熱」環境を大幅に改善することができます。
エアフローの確保が難しい省スペースPCには、効果的な方法だと思います。
また、PCの各パーツの寿命をのばすことにもつながると考えられます。
もちろん、消費電力が下がるため、電気代の節約にもつながります。
PCにも家計にもエコでクールな環境を手に入れることができます。
国内正規ラベルが貼ってある「ITGマーケティング」から販売された「Samsung SSD 830」は「ITGマーケティング」が提供する日本語のサポートサイトを利用することができます。
URL:『ITGマーケティング株式会社サポートサイト』
製品のパッケージに貼ってあるバーコードラベルに記載されている「Model Code」と「SSD 830」製品本体に記載されている「S/N」をホームページに入力すると「サポート窓口」のサイトが表示されます。
このサイトでは、日本語で説明が記載された「Norton Ghost」を使用した「カンタン環境移行マニュアル」や日本語版の「Norton Ghost 15.0」などをダウンロードすることができます。
付属の「マニュアルのCD-ROM」に収録されているマニュアルだとわかりずらいなどという時は、このサイトで配布されているマニュアルを活用するとよいかもしれません。
zigsow 運営事務局 さま
ITGマーケティング株式会社 さま
レビューに選定していただき、ありがとうございます。
PCのハードウェア環境や操作環境を快適にすることができました。
ありがとうございます。
nobooksさん
2012/06/14
tomoさん
2012/06/14
pakapakaさん
2012/06/14
なんか欲しくなってきました!
でも予算が・・w
tomoさん
2012/06/14
メモリーのようにどんどこ価格が下がってくるのをいのりましょうw
もっと手軽に手をだせる価格帯まで落ちてくるとうれしいのですが。
我輩!テトであーる♪さん
2012/06/14
時間かかってしまいますが
SATA-USB変換ケーブルってすごくいいですねo(^▽^)o
tomoさん
2012/06/14
ネイエフさん
2012/06/16
SSDの利点は速度だけでなく発熱源も減らせるところですね
それでいて騒音や消費電力も下がりますから、まさに一石三鳥といったところでしょうか
そして速度もすばらしいですね
tomoさん
2012/06/16
消費電力はなんとなく予想はできると思うのですが、熱については少しばかり疑っていました。
取り替えた影響で相乗効果がここまででるとは思いもよりませんでしたw
リンさん
2012/07/07
凄く読みやすいレビューだと感じましたよ~。
Norton Ghostがメチャメチャ羨ましいです。
tomoさん
2012/07/07