仮想戦記につきもののこれらは、当時の日本には一つとしてこなせる力はありません。なので、それらを扱う小説というのは、いわゆる勘違い小説というカテゴリに分類されます。
それをあえてやろうというのが、この「浅間」シリーズです。筆者は横山信義。開戦初日に連合艦隊が壊滅するという作品を持つだけあって、リアル派の著者だと自分は思っています。
つまり、日本単独で行おうとするから無理なのであって、史実よりも強力な同盟者がいれば良い、というのが今作の設定です。カバーの絵は、菊の紋章と旭日旗さえ付いていますが、ドイツの巡洋戦艦、「シャルンホルスト」級です。そして、作中では火星を搭載した双発の木製機・・・すなわち和製モスキートが大暴れします。
そう、ドイツ、イギリス、オランダ等々、アメリカを除くすべての国と同盟を組むことで、ようやく上の目標を達成できるというのですから、なんともはやです。
一巻であるこの本では、タイトル通りパナマ運河に対する攻撃が描かれます。ただし、これは戦いのクライマックス的な部分を始めに描くという手法のようで、それまでの経緯は省かれています。なので、これを読んだら、続きも読まなきゃなぁとなってしまっていますw
さて、浅間級こと、シャルンホルスト級ですが、28cm三連装砲塔を三基搭載と、戦艦と言うよりは超重巡と言った方が近いこの船。日本がドイツから四隻購入したという設定となっています。31ノットの速力で、史実の金剛級のように、機動部隊の直衛として重宝され、大活躍する・・・らしいです。
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購入金額
105円
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購入日
2012年05月07日
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購入場所
ブックオフ
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