ThinkPadがlenovoに嫁入りしてから、しばらく経ってからのものになります。自分としてははじめてのlenovoロゴ入りのThinkPadです。IBMがPC事業をlenovoに売却した際に、「IBM ThinkPad」というブランドを5年間使って良いという契約を結んだため、天板とパームレストには「IBM ThinkPad」のロゴが入っています。
ただ、直販で購入する際にIBMロゴの有り無しを選択できた上に、この後のモデルではIBMロゴが完全に排除され、天板には大きなlenovoロゴが入るようになったので、lenovoとしてはいち早くIBMからの脱却を行いたかったようですね。
このThinkPadはT61といい、第一世代Core2 DuoのT7100 1.8GHzと、WXGAの14.1インチ液晶を搭載したモデルです。T61としては底辺に位置するモデルですね。自分の物として所有するPCとしては、初デュアルコア、初ワイドのPCとなります。
Tシリーズは、「Thin & Light」をコンセプトとするモデルで、それは最薄部27.6mm、最厚部31.9mm、重量2.3Kgという事からも分かります。ただ、この数値は先代のT60の14.1インチスクエアのモデルと比べると、再薄部で1mm、最厚部で0.5mm厚くなっています。
さらに、先代まではすっきり収まっていた6セルのバッテリーが収まらなくなったために、後部に出っ張る形になります。自分のものは出っ張りを避けるために4セルのバッテリーが付いています。
参考画像
また、T40番台でかなり強度不足が指摘されていたため、60番台では本体側にRollCageと呼ばれるマグネシウム合金のフレームが入り、61番台では液晶の天板にもRollCageが入れられています。これにより、重量を増やす事なく大幅な強度アップが行えたということです。
Tの40番台から60番台へのモデルチェンジは、性能以上に色々な部分が変わっているので、箇条書きにしてみます。
・クリックボタンの赤ライン、青ラインが無くなる
・キーボードのファンクションキー列より上の色がグレーから黒へと戻る
・日本語キーボードにおいて、フォントサイズが引き上げ
・Windowsキーの導入
・Accsess IBMボタンがThinkVantageボタンとなる
・lenovoロゴの導入
40番台ではありませんが、同世代のR52改めR53(15インチ)と並べています。サイズ的には、横幅はほぼ同じで、縦が数センチ伸びたという感じです。
主にキーボード周りの改変ですが、クリックボタンが黒一色となったのはコストダウンによるものですが、ユーザーから受け入れられなかったため、後にラインが復活しています。Windowsキー無しというコンセプトは貫いて欲しかったですね。
デザインの面でも、Pentium世代にあった流れるような曲線のラインも、コストダウンのために切り捨てられ、より無骨さが増しています。これの方がより洗練されているとも言えますが、個人的には残念なポイントです。
しかし、パソコンとしてみた場合、このようなデザインは性能的には何ももたらさないため、60番台ではばっさりと切り捨てられています。
見方を変えれば洗練されているとも言えますが、自分としては残念なポイントです。
シングルコアのR53と、性能で比べてみると、やはりデュアルコアである分、CPUの性能では倍近いアドバンテージが、T61にあります。メモリも、266MHzと400MHzですのでやはり差があります。
ただ、グラフィック性能では、R53がATi Radeon X300搭載であるのに対し、T61はオンボードのGMA X3100ですので、逆にR53が差をつけています。さらに液晶に関して、TN液晶のT61は、IPS液晶のR53に勝ち目はありません。
今回買ったのはいつものようにヤフーオークションで、CPU、1GBメモリ、DVDコンボ、4セルバッテリー、XP Proのプロダクトキー有り、HDDとACアダプタが無い状態で7,250円でした。ThinkPadは、60番台から電源の電圧を16Vから20Vに引き上げているので、幾つか持っている16Vのものは使えないので、20Vのものを新たに中国から560円で購入しました。
HDDが無い事についてはIntel SSD 320の300GBを奢ってみました。2.5インチのSATAドライブがこれしか余っていないという事なんですけどね。装着はThinkPadですので、何も悩む事なく一瞬で完了します。
OSはWindows XP HomeEdition SP2。光学ドライブが元から付いているので、この構成でセットアップを行っていきます。
BIOS起動までが動作確認されていたので、自分が恐れていたのは、MBRやIDEコントローラーが壊われている事です。BIOS上ではDVDドライブ、SSD共に見えていますが、なぜかHDDがインストールされていないというエラーが。
一瞬、SSDだからか?とも思いましたが、ググってみると、XPがSATAのドライバを持っていないためとのこと。なるほど納得。ユーザーによるHDDの載せ替えにいちいち対応してくれているlenovoはさすがです。
lenovoの対応ページ
これによると、OSインストール前にFDからドライバを導入するそうですが、ディスケットドライブが手元に無いので、無くても出来る方法でインストールしました。一応ドライブは持っているのですが。。。
要は、ドライブをSATAでないようにBIOSで誤魔化せるので、それを使うという事です(多分)。ドライバはOSインストール後に導入する事で対応します。
このドライバの導入前と後で、ベンチを取ってみました。ほぼ全域で速度アップが見られます。BIOSで誤魔化しているので、IDEの限界の133MB/sで頭打ちになるようです。R52ではさらに下の100MB/sで頭打ちになっています。
と言うわけで、7000円のT61は、しっかりと使い物になったのでした。SSDは起動速過ぎですw
ところで、965チップセット搭載のThinkPadは、ハードウェア的にはSATA 3Gbpsに対応していますが、SATA 1.5Gbpsの速度しか出ないように設定されています。これは、新しい技術に対して保守的な姿勢によるものでしょう。
しかし、HDDしか無かった当時なら問題無しだったとしても、これでは読み込み速度が200MB/sを優に越えるSSDが宝の持ち腐れです。
というわけで、BIOSに小細工を施して本来の性能を発揮できるようにします。方法は以前の日記で書いたので、そのリンクを貼っておきます。
これによって、頭打ち状態のスコアを大幅に上回る事ができました。
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購入金額
7,250円
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購入日
2012年03月20日
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購入場所
ヤフーオークション
きっちょむさん
2012/03/21
Lenovoに変わってから、品質は大丈夫なの?という不安が…。
名湯さん
2012/03/21
実際、一昨年、低価格モデルのL412と、X100eをレビューする機会があったのですが、かなり良い出来で、他メーカーの低価格モデルはこれを真似出来ないだろうと思いました。
L412レビュー
X100eレビュー
きっちょむさん
2012/03/21
(いや、高くってなかなか買えないんですけどもw)
私にとって憧れのノートパソコンは
パナソニックとIBM(lenovo)ですから。
名湯さん
2012/03/21
T4xシリーズは、強度不足とネジの位置が悪いのが相まって、VGAチップの半田が割れやすいそうです。ただ、600シリーズなんかは、かなりの剛性を持っているはずなのに、何で劣化してるの?とは思ってしまいます。
新しいレッツノートは、キー配列以外はかなり良さそうですね。実機を触ってみたいです。