細かい事情は省略するとして、とにかく何でもいいから1156マザーが必要になり購入→役目が終わって自分のものとして引き取った。付属品はバックパネルのみ。
同社製の自作向け「P55-GD65」をベースに、IEEE1394・eSATA・IDE・S/PDIFをばっさり切り捨て、デュアルLANを1ポートに削減、更に自作ユーザー向けのギミックを一切削り取った「写ルンです」ならぬ「動クンです」マザー。BIOSも(リンクス曰く)GD65のものが使用可能らしい。
そのほか目立つ部分ではCPU周りのヒートパイプ&ヒートシンクが無くなっている。恐らく電源フェーズ類も簡略化されているのだろう。それ以外も各所に空きパターンが見られる。
元々廉価モデルとして作られた訳ではなく、本来あったものを削ってコストを削減している点から、車で言うなら商用向けベーシックモデルのような独特な雰囲気がある。
当然その手の機能が不要なBTO向けのマザーという事だが、一時期リンクスアウトレットやsofmapで単品販売されていた。1156の寿命が予想外に早かったせいだろうか。
ちなみにこれだけ削っておきながらFDポートはしっかりついている。さすがBTOだ。
同時に販売されたマザーとしてはP55-SD50(P55-CD53ベース?)があり、そのSD50に対してバックパネルのUSBが少ない代わりにPCIexpress16スロットを2基装備することによるマルチGPU環境にも対応しているのが特徴。またOC扱いながらメモリの対応も増えている。
ベースモデルが上位で性能がSD50を上回るのに価格は殆ど同じで販売されていたので(元の流通数の関係もあるのだろうが)SD50よりこのSD60の方が早く通販から消えた記憶がある。
ちなみに12年4月現在秋葉原のsofmap店頭なら、(SD50か60かは忘れたが)まだ入手可能。
定格動作とBTO構成前提の割り切ったマザーとはいえ、ベースはミドルレンジマザーなので、基本スペックは抜かりない。また、削られた機能も言い方を変えれば余計な項目が少なくBIOS設定がし易い、追加IDE等が無いのでそのままでも起動が早いというメリットにもなりえるのだ。
同じくP55マザーというと不幸袋産GIGABYTEマザーGA-P55A-UD3Rが手持ちにあるので、おのずとそれと比較する事になるのだが…P55A-UD3Rは不幸袋から出てきただけにバックパネル欠品&メモリスロット一部不調という足枷がある。まあ今回はそれは見なかった事にして行こう。
機能的にはやはりUSB3.0とSATA3を持つP55A-UD3Rのが一枚上手だ。また、IDE等のレガシーポートもてんこもりで、多彩な要求にこたえられるのがやはり「自作向け」たる所以だろう。
そしてスロット類も若干異なり、P55A-UD3RのほうがPCIが多い。
しかしP55A-UD3RはマルチGPU環境は考慮されておらず、VGA2枚挿しをした場合片側がx4動作となってしまい、クロスファイアを行ってもスコアの伸びがよろしくない。それに対してこのP55-SD60はx8+x8動作となるのでそこそこスコアが伸びる。
重箱の隅をつつけば、他マザーのレビューで触れたことだが、PCIexスロットのツメが上から引っ張るタイプなので、他のタイプより若干取り外しがし難いくらいか。
そして倍率可変のi5 655K。これの動作に関して大きな差があった。
P55A-UD3Rはターボブースト時の細かい倍率調整が出来ず、いくらOCをしてもブースト時の上昇幅は定格と同じ2倍分という制限があった。
一方こちらは倍率を細かく調整できるので、ブースト時以外は定格クロックまで下げて、逆に1コア動作時は4.6GHzまで引っ張るという荒業もできる。これはP55-SD60のメリットというよりP55A-UD3Rが655Kに対応しきれていない感のほうが大きいのだが。
サブPC用(XP環境維持)が目的のPCなのでSATA3は不要だし、USB3.0は拡張カードでカバーできる…自分の用途では明らかにP55A-UD3Rを置き換えられるマザーであり、655Kの設定周りの分むしろこちらのほうが有利、実際3ヶ月ほどP55A-UD3Rの代わりに使用していたのだ。
登録しなかった理由はただひとつ、知人PC用として手放す可能性が高かったからだ。
しかしいざ知人に譲ろうとして本体を見ると、いつの間にSATAコネクタを1つ(2ポート分)破損させ、ただでさえ多い空きパターンを更に増やしてしまっていたのだ。
それでも4ポート残っているので実用上は問題ないのだが…更に別の1156マザーが流れてきたのでそちらを知人に回すことになり、これでは当分手持ちのままだろうということで晴れて(?)持ち物登録という訳だ。
…といいつつ、現在サブPCは不幸袋マザーに戻し、こいつは予備扱い。理由は単純明快。「不幸袋から出てきたマザーを使う」というネタをしたいだけ。
ケースも余ってるし、併用してもいいのだがやはり「LGA1156」というのが足枷となる。LGA775併売のせいで廉価価格帯のCPUのラインナップが薄く、だからといって高価格帯のCPUを使うならLGA1155を使った方がいい。
それにしても、この空きパターンだらけのマザーがあんまりしっかり動作しているのをみてると「自作向けのギミック満載高級マザーってどうなんだろ?」と考え出してしまうが、それらをひっくるめて楽しむのが自作なんですよ…たぶん。
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購入金額
1,980円
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購入日
2011年頃
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購入場所
Sofmap
わんこさん
2012/04/03
壊れたポートと一緒にはずそうぜ(マテ
下小川さん
2012/04/03
パソコンが軽くなりました!!(物理的に
とっぷりんさん
2012/04/03
下小川さん
2012/04/03
CPUソケット周囲の構造物が無いからクーラーの選ばなさはトップクラスですけどね!
Vossさん
2012/04/03
廉価マザーだと、メモリスロットが2本しかないモノも多く、安く組む際に躊躇する原因になったりするんで。
下小川さん
2012/04/04
改めてみるとこういう基本スペック揃ってて付加価値控えめなマザーは自作向けではほんと少数派ですねえ。需要ありそうなもんなんだけど。
タイトルに「貴様にはこれで十分だ!」と書いたけど実際十分だし!