ヨーヨー・マ(Yo-yo Ma)。馬 友友が漢字名だが、フランス生まれの彼は西洋風にファーストネームを先に読む「ヨーヨー・マ」として識られる。そんな中国系アメリカ人である彼が、イタリア発祥の弦楽器チェロで、アルゼンチンの音楽タンゴを演奏した作品。
曲はアルゼンチンの作曲家兼バンドネオン奏者Astor Piazzollaの作品(共作1曲含む)。バンドネオンはアコーディオンと仕組みとしてはよく似た楽器だが、鍵盤ではなくボタンで演奏される。そのためコンパクトになっているが、ボタンの配置は独特で、かつベロー(蛇腹)のイン(押す場合)とアウト(引く場合)で同じボタンでも音程が異なるので、大変難しい楽器とされている。
このアルバムはYo-yo MaがAstor Piazzollaと共演もした生粋のタンゴ奏者達や自分たちの仲間と成した「Astor Piazzollaに捧ぐ」アルバム。
「Libertango」。なんといっても。もの悲しいNestor Marconiのバンドネオンの調べ。シンコペーションリズムのベースの上でヨーヨー・マとパーカッションがのびやかに、つややかに「歌う」。チェロの深い音色がバンドネオンに寄り添うように奏でられる。
「SUR:Regreso al amor」は右chでビブラートで震えるNestorのバンドネオン、左chで重いベースを弾くHector Consoleが重く沈むリズムを形作っている。Leonardo Marconiのピアノが入ったあとも左手低音弦の重さが際立つ。もの悲しく泣き叫ぶようなYo-yo Maのチェロ。ドンカマなど無縁の演奏者の感情のうねりによってスピードも一定でない、雄弁な曲。最後のチェロの限界のような高い音がココロの叫びのようだ。
「Tres minutos con la realidad」。ヴァイオリンの中西俊博
のような小粋な曲。コミカルなピアノ、フルアコっぽいジャジーなギター。Yo-yo MaよりむしろピアノのKathryn Stottの方が目立つくらい。曲を大切にして自分の見せ場があまりない曲かも。Yo-yo Maの透き通るチェロの音が、日本人の琴線に触れるタンゴの調べと溶け合い、グッとくる、作品です。
【収録曲】
ASTOR PIAZZOLLA (1921-1992)
1. Libertango/リベルタンゴ
2. Andante from Tango Suite/アンダンテ(タンゴ組曲)
3. Allegro from Tango Suite/アレグロ(タンゴ組曲)
4. SUR:Regreso al amor/スール(南):愛への帰還
5. Le Grand Tango/ル・グラン・タンゴ
6. Fugata/フガータ
JORGE CALANDRELLI / ASTOR PIAZZOLLA
7. Tango Remembrances/追憶のタンゴ
ASTOR PIAZZOLLA
8. Mumuki /ムムーキ
9. Tres minutos con la realidad (Three Minutes with Reality) /現実との3分間
10. Milonga del angel/天使のミロンガ
11. Cafe 1930/カフェ1930
Yo-Yo Ma Home
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購入金額
2,345円
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購入日
1997年頃
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購入場所
ふじしろ♪さん
2012/03/16
cybercatさん
2012/03/16
>リベラタンゴは、聞いているだけで切ないですね~。
あの旋律がたまらんですね。
れいんさん
2012/03/16
ブランデー2杯です。
O(≧▽≦)O ワーイ♪
cybercatさん
2012/03/16
>1曲で
>ブランデー2杯です。
そっちか!!ww