偶然新品の半端物在庫が安売りされているのを見つけて買ってみた品です。BAユニット搭載イヤフォンの定番であるSHUREやWestoneの製品を今まで使ったことがなく、一度は使ってみたいという興味本位での購入です。
このUM2RCは、元々あったUM2という製品をベースに、リケーブル対応などの小変更を施して発売されたモデルとのことです。現在の製品ラインナップではUM20 Proが後継品という扱いになるようですが、価格は結構違います…。
一応正規代理店経由の品だったようで、日本市場向けの保証書がきちんと同梱されていました。
本体とキャリングポーチが入っています。このキャリングポーチの中に交換用のイヤーピースをはじめとする添付アクセサリーの類が収納されています。
他社製の多くの製品と異なるのは、添付イヤーピースの形状や素材のバリエーションが極めて多彩ということです。他社製品では似たような形状の素材違いやサイズ違いでバリエーションを構成するのですが、Westoneの添付品は統一性が感じられないほどの違いがあります。
今まで私が使ってきたカナル型イヤフォンは、ほぼ全てノズル径がComplyのサイズ表記で200または500か、それに近い太さという物だったのですが、これは細軸と呼ばれる物で、SHUREやWestoneなど、割合限られたメーカーの製品で採用されている形状です。
これだけ種類が豊富だと自分に合うイヤーピースを見つけるのが一苦労だったのですが、結論としては軸が太いモデルよりは大きめの物を選択して、耳に密着させることを重視すると良い結果が得られるようです。
この後の試聴は、写真の物と同系統で、もう一回り大きい物を装着した状態で行いました。
比較的狭い帯域を充実させた音作り
とりあえず試聴用のDAPには以下の2機種を使いました。
まず第一印象としては、音場は広く、それでいて密度感もあるものの、最低域も最高域もあまり伸びていないというものです。そこでDAC-HA300を使って50時間程度エージングを進めてから再度試聴してみました。
すると基本的傾向は変わらないものの、低域の伸びは良くなったように思います。高域は質はまずまずで、周波数的にも高い方まで意外と良く伸びているのですが、相対的にはどうしても量が不足しているように聞こえるというものでした。ちなみにイヤーピースが上手く合っていないときには印象は全く違っていて、低域が全く伸びないハイ上がりという傾向に聞こえていました。色々な曲を聴いてみて、ヴォーカルや楽器の質がもっとも良くなる組み合わせで、最初に書いたような印象になるということです。
David GarrettやDiana Krallのように中域の質感が求められるようなソースはかなりの好印象です。空間も程々に広がり、ヴァイオリンなど弦楽器の質もかなり良好です。
ただ、高域のキレや量がある程度必要となる、「Get Lucky / Daft Punk feat. Pharrell Williams」などを聴いてしまうと、高域方向のおとなしさがマイナスに作用してつまらない音になってしまいます。
「Englishman In New York / Sting」ではハイハットがもう少しくっきりと鳴ってくれれば文句ないという音です。ヴォーカルやサックスの質感などはかなり良好でした。
イヤーピースがよりマッチすれば、高域方向の落ち込みも改善しそうな気がするのですが、この状態で得られている音場や質感を捨てるのも得策とはいえず、やや高域が少ないということを理解した上で使うのが正解という気がしています。
なお、本機はRCの名が示す通りリケーブル対応ですが、端子形状は現行のWestoneの製品で使われているMMCXではなく、CIM 2Pin互換のピン配列を持つ専用ケーブルです。手持ちのJH Audio Michelleも同様にCIM 2Pin互換であり、ケーブルを使い回せないか試してみたのですが、コネクター周辺の形状差によりきちんと刺さらないということが判りました。なお、浮いた状態で一応音を出すことは出来ます。
ただ、ケーブルさえ用意出来ればバランス接続も可能となりますので、後日ケーブルを用意してバランス接続による試聴も行ってみたいと思います。
現行モデルだった時期にどの程度の価格が相場だったのかは知らないのですが、1万円台であれば十分に魅力的といえるだけの実力は備えており、今回の購入価格では極めて高い満足度ということが出来るでしょう。
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購入金額
5,500円
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購入日
2017年04月26日
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購入場所
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