レビューメディア「ジグソー」

碁を始める切っ掛けになった本

小学六年生の進藤ヒカルは幼馴染の藤崎アカリと祖父の倉庫を物色してたところ、とある奇妙な碁盤を発見する。
その碁盤はまるで血のような染みで汚れており、それを発見すると同時にヒカルに呼びかける声があった。
しかし、その染みはアカリには見えず、また声もアカリには聞こえなかった。
その声の主は平安時代の天才棋士、藤原佐為で、自らの存在を感知してくれる人間を碁盤に身を宿し待っていた。
佐為と意識を共有するようになったヒカルは、同年代でありながらプロ級の棋力を持つ少年、塔矢アキラと出会う。
佐為やアキラの碁への情熱に感化され、ヒカルは徐々に囲碁の世界に惹き込まれてゆく。

ヒカルの碁の凄いところは碁が全く分からない人が楽しめるマンガであるという点でしょう。
読み始めたころは初心者ともいえない素人の状態でしたが、碁の面白さ・熱さがとてもよく伝わってきました。
当時高校生で、比較的お小遣いも自由になりませんでした(月\3,000は当時でもだいぶ少ない方じゃないかな?)が、あまりの面白さに3日で全巻(その時刊行されてたのは1-15巻まで)揃えてしまいました。
特に、佐為vs.塔矢行洋の辺りは震えながら読んだ記憶がありますw



その後すぐにルールを覚え、大学学部在籍中に有段者を名乗れるようになり、小中学生に碁を教える立場(バイト)にもなりましたが、教えた子供たちは例に漏れずヒカルの碁を読んでましたね。
作中で使われた棋譜を並べさせて、その棋譜とマンガのシーンを対応させて解説すると手を叩いて喜ばれました。
このようにコミュニケーションツールとして考えれば、碁を打てる人でも楽しめるマンガだと思います。

ただ、碁を打てた方が楽しく読めるかというとそうでもないかも…
作中の対局に用いられている棋譜の多くはプロの実戦譜で、詳しい人だとマンガの展開より先に勝敗が分かってしまうなんてこともw
作中の重要な対局に使用された棋譜ほど有名だったりしますので、図らずもネタバレを喰らった碁打ちは少なくないものと思われます。
  • 購入金額

    410円

  • 購入日

    2001年12月頃

  • 購入場所

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