現行世代に直すと、GTX650TiとHD7850の中間くらいの性能で、十分使えますが、
今、このGT500世代の最大の弱点は、消費電力の高さ。それがどれくらいか、TDPで判断すると、
GTX650Ti:110W
HD7850 :130W
GTX560Ti:170W
いかに最新世代の消費電力が落ちたかがよくわかります。その分、値段が高いですが。
さて、この製品、miniという言葉もついているように、普通のGTX560Ti(240mm)より短く(170mm)なっています。それが個人的に気に入ったので、この製品の発売時からずっとほしいと思っていたのですが、他の560Tiよりも結構値段が高かったので、買えませんでした。特殊基盤で高い傾向にあり、さらには値段が高めなエルザというメーカーですので。
もっとも、この製品の欠点というものもしっかりあります。
GTX560Tiの製品は、冷却性を高めるため、巨大なヒートシンクと2連の冷却ファンをつけている製品ばかりです。
例えば、こんな感じです。
この製品はファンが一つしかなく、ヒートシンクも小さいので、温度が上がりやすいということ。そして、若干消費電力も高くなります。(ファンが冷やそうと頑張ってくれるからです)
私は消費電力を下げるため、過去にGTX470、480のBIOSをいじってクロックを調整することで、消費電力の低減をしてきました。
この製品はどこまでいけるのでしょうか。さすがに作りがまるで違う最新世代にはかなわないとはいえ、少しでも近づきたいところ。
<計測環境>
・室温は15℃
・アイドル時の温度は起動後30分後の温度、高負荷時はベンチをいくつか回したときの最高温度
・温度の測定はHWMonitorを起動したままで、各数値を読む
・BIOSをいじる前といじった後で計測する
・使うベンチマークのソフトはFF14、PSO2、3Dmark11、Heaven Benchmarkの4本
さて、BIOSいじりの様子はやはりカットです。
設定では、通常が1.025Vでした。
こちらを実際にベンチをはかりながら、少しずつ電圧を下げたところ、0.9625Vが限界がきて、次の0.95Vでベンチ中にフリーズするようになりました。
ゲーム時はどうやらここが限界のようです。
最近のGeForceは3段階か4段階のモードがあって、それぞれアイドル時、動画時、ゲーム時、最大パフォーマンス(これがない場合がある)となっています。
GTX580の「リミッター解除状態」がこの4段階目にあたります。本来はこの4段階目は、BIOSの設定で移行しない要になっていたりします。そのモードでのGTX580のTDPは350Wまで上がるらしいので。
という話は置いておいて、
GTX560の場合は、4つ目はありません。
そのため、この3つをそれぞれ限界値を探していきます。
さて、実際に負荷をかけてみた結果は、
通常時:最大95℃(アイドル時は43℃)
改造後:最大88℃(同41℃)
<結論>
今回、フルパワー時の動作電圧を1.025Vから0.9625Vまで、0.0625V低下させました。製品自体が短く、冷却構造に余裕がない中、それなりに下がってくれたと思います。
上のTDPの欄では触れませんでしたが、実際、GTX560Tiの消費電力は170W以上、おそらく200W強はありますから、そんな小さなもので冷えるわけがありません。
こういった製品が少なかったのもうなずけます。
ただ、この結果は重たいベンチマークをかけ続けた時に出た温度と音です。通常使用時は大体650Tiと同じほどで、うるさいとは感じません。だいたい40~50%台(1600~1800回転くらい)に落ち着いているようです。
私の場合は主に動画を見るのがメインになっているので、普段は静かなままです。ゲームはたまにやるとはいえ、PSO2クラスで、動作中はだいたい75℃付近で推移しているので、個人的にうるさいと感じる60%までは届きません。新生FF14クラスならどうかというところですが、これはオープンベータが始まってやってみます。
さて、今回はあえて消費電力を無視して性能向上を狙ったわけですが、HTPCとしてはあまり意味がなくなってしまいました。素直にHD7850にしておけばよかったと思います。GTX550Tiでは少しもの足りず、GTX560Tiでは性能には満足なものの、消費電力で悩むことになってしまいましたから。
ファンの風が当たれば、この問題は一気に解決なので、こういうケースではなく、普通のタワー型ケースや、小さいもので使いたいという方の場合は、Silverstone系のケースとは相性がよさそうです。
おそらく、これが最適だと個人的には思っています。
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購入金額
9,980円
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購入日
2012年11月24日
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購入場所
Faith


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