シンバルはバラ一枚程度ずつしか持っていない試し買いのものは様々なメーカーのがあるが、メインで使用しているのは白抜き(1枚除く)のA.Zildjianであることは
ここらへんで書いたとおり。
でも実は使っていない(出していない)セットがもう一つある(セット買いしたわけじゃないけれど、一つのメーカーで十分セットが組める)。
それは..「İstanbul」。
ここでシンバル界の知識。シンバル、と言う楽器、複数の会社が存在するが実はいくつかの会社は根が同じ。PAiSTe、UFIPやMEINLといった独立系?もあるにはあるが、(特に日本で)大きなボリュームを持つ群、ZildjianとSABIANは同じ根を持つのはここらへん
で書いたとおり。
整理すると
・もともとはトルコにZildjian姓をもつシンバル職人の一族がいた(つかこのZildjianというのがそもそもシンバル職人という意味らしい)
・世代は下りアメリカに渡っていたAvedis(三世)にこの家伝の製法が相伝されたので、彼はアメリカでAvedis Zildjian社を興した(A.Zildjian)。
・一方トルコにあった本拠はハンドハンマード(手槌)系のシンバルメーカーK.Zildjian社となる。
・A.Zildjian社がカナダに工場を造り、買収したK.Zildjian社をそこに移す。
・その後工場の統合でK.Zildjianブランドの工場をアメリカに移す際、カナダの地に残ったのがSABIAN
というところまでは述べた。ただここにもう一つストーリーがあり、「A.Zildjian社がカナダに工場を造り、買収したK.Zildjian社をそこに移す。」の際に、カナダに移らずトルコに残った職人グループがいた。彼らが興した会社がある。
有力職人のAgop TomurcukとMehmet Tamdeğerがその中心となった。Zildjianのブランドは使用権がなかったので名付けて「İstanbul」シンバル。元がK.Zildjian系なのでハンドハンマードの系列。
1980年代には「ハンドハンマードなのに安価」「ハンドハンマードの割にきらびやか」ということで、高く評価された。とにかく安かった。機械打ちのAジルよりも安い。でもって手槌のわりに音が立つ!通常ハンドハンマードの特徴として語られるのは「ダークな...」「抑えめな倍音の...」「落ち着いた音色..」「速やかな減衰で粒立ちが良い...」などがカタログに載っている(し、実際SABIANの手槌シリーズHH↓は倍音抑えめのダークな音)
でもこのメーカーは明るい!倍音多い!でAジルより倍音多くて煌びやかかもしれん。
「かもしれん」のはバラツキが大きいのでw
ここのメーカーは試打せずに買うのは冒険(少なくとも購入当時は)。
同じ名称同じ口径で、平気で音が違う、重さが違う、薄さが違う(^^ゞ。
..そこが味なんだよ!byシンバル職人←ホント?
...ものはイチバン薄いシンバルSPLASH。本当に薄く、縁を持つとたわむぐらい。削りすぎだろw音的には倍音が多いけれどSPLASHとしては大きめの12インチなのでEXTRA THIN CRASHとしても使える音量もある。倍音多めで明るい音だが、少し枯れたのか耳障りではない。既に持っているAジルと違い、近鳴りするキャラで学校の教室を使った学園祭では活躍。いい買い物でした。
ただこのメーカー「İstanbul」はまた分裂したんだよね。会社を設立したAgopとMehmetが代替わりすると 「İstanbul Agop」と「İstanbul Mehmet」に割れてしまった。「İstanbul」部分は同じロゴを使うなど全く縁を切った訳ではないみたいだけど、後に手に入れた「İstanbul Agop」
は近い口径(11インチ)ながら倍音が暴れていて、曲を選ぶ。このAgopとMehmetの共同経営だった時代のİstanbulはコレクターズアイテムになっている事を考えると目利きだったな、と。
Istanbul Agop
Istanbul Mehmet
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購入金額
6,000円
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購入日
1989年頃
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購入場所
退会したユーザーさん
2011/12/14
cybercatさん
2011/12/14
>一言でシンバルと言っても、奥が深いですね!
シンバルって「そのものが鳴る」楽器なんで、奥が深いんですよね。