楽器店で単品で叩いたときは良い音だったが、他と混ぜてみると音色が違っていたとか、使用目的が限定されるような音色でその後同シリーズに手を出さなかったとか...そんな現在使っていないはみ出しシンバルをご紹介します。
「Istanbul Agop」。以前紹介したSABIANの項で「もともとトルコ発祥のZildjianだがアメリカに渡ったAvedis Zildjianが興した会社がいまのZildjian社の核となっている。これに対してZildjian一族でトルコに残ったグループが続けていたハンドハンマードの製法のシンバルはK Zildjianブランドになり、後にAvedis Zildjianが興した会社に合併されてカナダ工場に吸収された。」と記したが、このトルコのハンドハンマードグループでZildjianによるカナダ工場への吸収時にそれでもトルコに残ったグループが興したのがIstanbul社。それにはシンバル職人AgopとMehmetが中心となった。当面この二人の双頭体制で運営されていたが、Agopの死とともにこの会社もまたまた分裂、Mehmetを中心とするIstanbul Mehmet社とAgopの遺族を中心とするIstanbul Agop社に分かれた(なのでZildjianもSABIANもIstanbul MehmetもIstanbul Agopもぜ~んぶ元を正せばトルコジルジャン)。
これはその「Istanbul Agop」のSplash。11インチというレアサイズだ。
非常に美しいハンドハンマードシンバルで、同じハンドハンマードのSABIAN HH
と比べると、遙かに倍音に富む。
...が。ちょっと倍音に富みすぎていて耳に付く。もともとハンドハンマードで、品質管理がおおらかなトルコシンバル。結構同じ品名でも音色が幅広い。分裂前のISTANBULは試打して楽器店で買っていたが、今回オークション入手だったのが災いしたか...
んなわけで、今は“枯れ”待ちです。
はみ出しシンバルシリーズはとりあえずコレでおしまい。
Istanbul Agop Homepage
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購入金額
10,000円
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購入日
2007年頃
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購入場所
Yahooオークション
愛生さん
2011/07/08
cybercatさん
2011/07/08
>丸マークが散らばってるのは、デザインですか?
鎚で打ったあと(打痕)です。
キャストシンバル(鋳製シンバル)はだいたいの形に流し込んで整形した青銅を叩いて伸して旋盤加工で削って一様の厚さにして作ります。これはマシンハンマード(機械鎚)もハンドハンマード(手鎚)も変わりません。
通常は最後に旋盤をかけることが多いので、機械であれ手鎚であれその打痕は消えてしまいますが、これはそのあとさらに打っていますね(旋盤でできた溝がつぶれている)。そういう意味ではデザインと言えるかもしれません。人ならではの最終微調整も兼ねているのだとは思いますがw
愛生さん
2011/07/09
じゃぁ、全てのシンバルが、そんな紋が付いてる訳では無いって事ですねw
cybercatさん
2011/07/09
その通りです!!
>じゃぁ、全てのシンバルが、そんな紋が付いてる訳では無いって事ですねw
そうですね。むしろ少数派かも