レビューメディア「ジグソー」

歌で勝負

所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。1980年代後半、「CD」であることが特別だった時代。この時代はまずレコード(ビニール)が発売され、CDが同時発売されるときには「CD同時発売!」とわざわざ話題になったものでした。そんな時代の「CDリリースオンリー」だったアルバムをご紹介します。

中森明菜。今で言うJ-POP界、80年代に強く輝いた女性アーティスト。そうアーティスト。彼女たちの時代はアイドルは「アイドル」であり、カワイイ(もしくは美しい)外見を唯一のアイデンティティに、与えられた曲を与えられた衣装で歌う、というのが主流だった時代。そんな時代に彼女は自己主張を持って自分をプロデュースし、演出した。

そんな彼女が、オリジナルのレコードには収録されていなかったシングルをA面・B面網羅して編んだのがこのアルバム。タイトルもずばり“CD'87”。当時最新のシングルヒットが味わえる。
当時のアイドルには珍しく、写真がないジャケット
当時のアイドルには珍しく、写真がないジャケット
「LA BOHÈME」。ギターのリフと4つ打ちのカウベルのリズムがこの時代の中森明菜の情熱的なラテン系の楽曲とあってる。中域の充実と調音の息の長さがヤッパ上手いな。ギターソロもカッコイイ!

「TANGO NOIR」はリミックス盤

と比べると少し奥まったような印象を受ける。タップを模したようなパーカッションのリバーブが強く、リズムが少し引っ込んでいるし、明菜のボーカルの音量バランスも少し低い。これはリミックス盤の方が迫ってくるかな。

「MILONGUITA」。アコーディオンで少しタンゴっぽい味付けがされているけれど、これぞ80年代王道歌謡曲!という感じ。懐かしいな。ちなみにこの曲と「TANGO NOIR」を含む数曲の編曲は元PRISM

の中村哲だって。こんなところで出稼ぎしとったんかいなw

セールス的にはともかく、本人の気力、テクニック、マネジメントなど周辺状況、時代、音楽界の方向性すべてが高次元にバランスしていた80年代中盤。その時代に繰り出されたシングルが網羅されている。

時代を席巻した歌姫の声が、歌が堪能できます。

【収録曲】
1. LA BOHÈME
2. 最後のカルメン
3. TANGO NOIR
4. DESIRE -情熱-
5. 危ないMON AMOUR
6. MILONGUITA
7. ジプシー・クイーン
8. Fin

「MILONGUITA」

  • 購入金額

    3,200円

  • 購入日

    1987年頃

  • 購入場所

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