我が家のPCの中で、断トツの消費電力を誇るのは、実のところX79構成のメインマシンでなく、Z77構成のサーバである。
「ビデオカードも積んでないサーバが何故?」と思われるかもしれないが、
・ストレージ搭載数8(3.5HDDx6 2.5HDDx1 2.5SSDx1)
・ハードウェアRAIDカード、エンタープライズ向けDualNICの搭載
・冷却ファン数4(12cm)、簡易水冷クーラーの搭載
・24時間365日ノンストップ稼働
・・・・と来れば、メインマシンが多少の電気喰い程度なら、トータルの消費電力におけるビデオカードの有無など大した要件とはならない。
勿論、世の中にはこういう規格外なメインマシンもあるにはあるが(苦笑)、いくら省電力CPUを使おうが、アイドル状態で100Wを超えるPCを連日連夜稼働させた場合、一般的なゲーミングPC程度であれば、年間消費電力が余裕で上回る事になる。
要するに、便利さの代償として「電気代がアホみたいにかかっている」のである。
ちなみに、簡易計算ツールにて(120Wでノンストップ計算)年間電気代を計算してみたところ、
楽勝で30000円オーバーであった。
実際の電気代は流石にそこまで極端では無いのだが、ざっとの計算であっても確実に万単位の年間維持費が必要なのは間違いない。
そこで、昨今の節電志向なども考慮(停止するという選択肢が無いあたり、俺ってば非国民)して、より消費電力の少ない電源を用いる事で、節電に協力しつつ、ちょっとでも自分の懐の痛みを解消する事にした。
・・・で、消費電力の少ない電源といえば、やはり80+の最高峰"Platinum"である。
ただ、正直言って高い。
以前に比べれば相当にお安くなっては来たものの、値段を見るとBronzeの三倍くらいは当たり前にする。
投資効果がいまいち不明なため、購入を躊躇していたのだが、簡易計算上では「アイドルが20w下がれば、年間4000円強」の電気代節約となる事が判明。
ならば、8000円台あたりで保証が三年以上ある製品を購入すれば、元が取れるどころかトータルでプラスではないか!
懐は一時寂しくなるだろうが、長い目で見れば得である。
それに、80+Platinum電源という奴は、部品や設計もお値段相応に上質(例外もある)。
ならば、購入するに迷う理由などあるものか。
Amazon「マイドアリィー」
正直、完全な最安値ではないのだが、狙ってた製品で在庫があり、送料含めると最安値ということで、今回はAmazonからお買い上げした。
こちらが、80+Platinum認証電源、『KRPW-PT500W/92+』のスペックである。
80+Platinum認証、12v-1レーン構成、450W以上という条件で、8000円台。
ビデオカードは積まないが、HDDを沢山ぶら下げるので、12v周りが貧弱な製品は問答無用で却下なのだ。
こちらが、製品外観となる。
Platinum電源としては安価な価格設定の代償として、高級機と比較して外見は普通。
非プラグインということで余剰ケーブルの処理が面倒だが、プラグイン方式はリップルノイズの発生や変換効率の低下、コネクタ基板とコントローラーの搭載によるコスト上昇や、筐体の大型化といったデメリットもある。
価格を抑えつつ性能を上げるという観点からすると、敢えて非プラグインとしたのは正しい選択だろう。
ケーブルはスリープに納められているが、これ「見た目はともかく、ケーブルの取り回しが固くなる」ので、ケーブルを「黒一色にして裸のまま」にしてくれるほうが、正直有り難い。
まあ、製品製造の段階で全てのケーブルが黒一色だと、ヒューマンエラー続出するだろうから無理だろうけども、何とか工夫してそういう製品作ってくれない物だろうか。
そして、この固い電源コード「昨今流行のケースに突っ込む場合」に、結構アイタタな問題がある。
まずは、このSATAーHDDのコネクタを眺めてみて欲しい。
3.5インチHDDでもそうだが、HDDの上下を正位置とした場合、コネクタの配置はこうなる。
んで、こちらが本製品のSATA電源コネクタ。
図のほうにも記載したが、この配線だと「HDDの上下が正位置配置」の場合、上から順にケーブルを配線していく形となる。
この配置、従来の「ケース上部に電源が配置」されているケースにおいては、何ら問題とはならない。
問題となるのは、昨今流行のケース、つまり「ケース底部に電源が配置」されているケースを使っている場合だ。
この場合、ケーブルは「下から上」に配線されていくので、コネクタの向きは全部逆向きになってしまう。
これで、ケーブルが柔らかめならいくらでも配線を工夫出来るが、本製品のケーブルはスリーブのせいで結構固い。
お陰で、HDD裏の配線は結構な苦労を伴う作業となった。
少なくとも、配線写真撮影を忘れる程度には面倒だった(苦笑)
ただ、昨今販売されているPCケースの大半は、結構安価な製品でも底面配置となっている。
この点はそろそろ流行に沿って改めても良いと思うのだが、どうだろう?
さて、前口上長くなったが、電源なんてな性能テストが「消費電力」と「出力安定性」くらいしか無いので、さくさくと進めていこう。
果たして、こいつは私の皮算用通り『Platinum電源でアイドリング20w低減』を達成出来るのだろうか?
というわけで、毎度お馴染みワットチェッカーいってみよう。
こいつが元々の電源。一応、動物な80Plusの電源より効率は良い。
こちらが本製品。
お見事、アイドルはほぼキッチリ20wの低減に成功した。
一応、比較のためOCCTも取得しているのだが、本製品を搭載するWHS機は、CPU最大運用時でも60%行くことが無いため、ここまでの消費電力になることはまず無い。
これで、二年でだいたい元が取れる!
マザーボードがASRock製だと、OCCTでの電圧取得が3.3しかマトモに取れないため、それのみ掲載するが、出力は比較的安定しているようだ。
数値を見る限り、極端な谷が出るような事も無かった。
総論としては、
・今現在500w圏内で収まるPCを使っていて、
・80PlusBronze以下の構成を利用しており、
・稼働時間が長いならば、
「長い目で見ると得するから、Platinumに取っ替えろ」
って事になる。
保証期間も三年間と長め(Platinumとしては短いが)であり、品質のほうも申し分ない。
12v-1レーン構成なので、HDD山盛り積む構成や、高速なビデオカードを載せる構成(1枚構成に限るが)など、構成面における自由度も高い。
私がやったような常時稼働のサーバ、もしくは大出力状態での稼働時間が長いネトゲPC向けであり、
どちらにおいても、電気代だけで二年の間に元が取れる。
質の悪い電源使って、パーツを痛めつけつつ余分な電気を使うより、
消費に貢献しつつ節電して、自分の懐を痛めず、質の良いものを使える。
結構良いことしてるんじゃね?
っていう自己満足もついでに得られて、更にお得ってことでひとつ(ぉぃ
ってか・・・・世間にこれ以上喧嘩売るのやめい、俺。
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購入金額
8,330円
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購入日
2012年11月27日
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購入場所
Amazon
cybercatさん
2012/11/28
はにゃさん
2012/11/28
サブPC (i7-3770K) SILVER
メインPC (i7-3570K) GOLD
と使用頻度に合わせて改善中です。
うちもプラチナにしたいなぁ。
でも、その前に 24x7運用のサーバが 80PLUSですらないという酷い有様をどうにかしなくては!
Vossさん
2012/11/28
メインPCは比較的早い時期にGold化した(当時使用していたHD6950の消費電力が怖かったので)のですが、WHS機導入、その後のストレージ集中配備化、要らん出費ばかり増やすくせに、電源購入費用は先送り先送り。
ようやっと更新したら、この結果ですからねー・・・・いや、マジ電源重要でした。
はにゃどの
台数多い環境だと、中々躊躇する買い物ですもんね・・・・性能上がる訳では無いし。
ただ、その鯖の稼働率ウチと一緒やないですかw そこを最初になんとかすべきではw
ちょもさん
2012/11/29
ただし、交換前はこれまた頂き物の Signature850でしたが、Platinumになって電源の発熱が減った結果電源ユニットのファンの回転数が落ち、P183の下段のエアフローが劇的に悪化、SAS HDDの発熱が上がったのが欠点ですね…
2枚基盤のサンドイッチ構造と、一般的な電源らしからぬSignatureも、内部を眺めてはその作りも楽しめるという意味でも、好きな電源だったりします。
電源で35000円は…出せねぇ。
Vossさん
2012/11/29
エナジア800もGoldなので悪かないのですが、今の構成だとオーバースペック気味。
それだけだと、やっぱ三万円以上は・・・・うん、俺も出せねぇw