レビューメディア「ジグソー」

DELL SAS6/iRと比べてみた

HPのサーバー向けSAS RAIDカード、HP Smart Array P400 Controllerです。
LSIのLSISAS1078 ROC (RAID-on-chip) プロセッサを搭載し、RAID6まで対応可能です。
当方の所持しているモデルはBBWCユニットがないためRAID5までしかサポートされませんが、RAID0での使用なので問題はありません。
BBWCがないためキャッシュメモリのデータ保持が出来ませんが、サブマシンということもありパフォーマンス最優先のライトキャッシュON設定で使用しています。

キャッシュメモリはDDR2-533MHzメモリを256MB搭載しています。
ユーティリティからリードキャッシュとライトキャッシュに割り当てるキャッシュメモリの容量を変更可能なのがすばらしいところ。
現在は50%/50%で使用しています。
ドライブキャッシュON、P400のライトキャッシュONで測定したベンチマークは下記の通りです。

使用しているHDDはSeagateの2.5インチSAS HDD、Savvio 15K ST973451SS(15,000rpm/74GB) 4台をRAID0構成にしています。



1,キャッシュメモリに収まる100MB測定
100MB
100MB
キャッシュの効果がスコアにも現れており、シーケンシャルリードは600MB/sに迫る勢い、ライトも370MB/sときわめて高速です。
ランダム512Kもシーケンシャルとほぼ同一スコアであり、実際に体感でもサクサク動いているのが解ります。
ランダム4Kも最新のSSDに迫る速さで、4KQD32に至ってはSandForce SF-2281と同一の速度を叩き出しています。

比較に、DELLのSAS6/iRの100MB時ベンチマークを貼っておきます。
SAS6/iR 100MB
SAS6/iR 100MB


2,キャッシュメモリには収まらない1000MB測定
1000MB
1000MB
キャッシュメモリは256MBですので、メモリに収まらない1000MBで計測してみました。
シーケンシャルリード、ライトは共に360~380MB/sと、DELLのSAS6/iRとほぼ同一のスコアで、ドライブの性能上限かと思われます。
ランダム512KBはリード100MB/s、ライト200MB/sと一世代前のSSDと同レベル。
4Kはガクッと下がりますが、リードで12MB/s出ており、HDDとしてはきわめて優秀な値です。

DELLのSAS6/iRと比べるとユーティリティーの出来が秀逸で(DELLが簡素すぎるだけともいう)、キャッシュメモリの割り当てを、リード/ライトそれぞれに%で指定可能だったりと、いろいろな設定が可能です。
また、DVDでブートしてRAIDカードやHDDのファームウェアもアップデートできますし、遙かに便利。
ファームウェアで性能差があったST973451SSも、最新ファームウェアのHPDBにアップデート出来ました(使用しているのはHP OEM版)。
ユーティリティ
ユーティリティ


素直にSSDを買った方が扱いも楽ですしお勧めなのですが、エンタープライズ向けのSASも相当値段が下落しているので、オークションではかなり安価に購入できます。
2.5インチの74GB 15000rpmドライブ×4台とP400を両方買って15,000円未満でしたので、同容量のSSDを買うよりも価格は1/3程度で済みました。
といっても、癖もありますし熱も持ちますから、お勧め出来かねますが。
メインPCはSSDなので、サブマシンもSSDだとつまらないという理由だけでSASにしています(苦笑

サブマシンで使用したところ1つだけ問題が生じています。
症状としては、コールドブート時はP400のBIOSを認識するものの、リセット時にはP400のBIOSが表示されず、ドライブを認識してくれない点。
結構面倒な問題ですが、おそらくMAXIMUS III GENEとの相性でしょう。
コールドブートであれば使えることと、サブマシンということもあってこの仕様で使っています。
この点、何も設定する必要の無かったSAS6/iRの方が手軽ですね。

あと、LSISAS1078 ROCがめちゃくちゃ熱いです。
そのままだと手を触れると火傷するくらい熱かったので、ヒートシンクを乗せてみましたが、それでも触れないくらい熱いです。
まあ、もともとエアフローの考えられたサーバー用のハードウェアなので、エアフローがあまりないタワーPCだとしょうがないですね。

※2012/1/9追記

ROCチップが熱い件ですが、ヒートシンクのみでとりあえず人肌レベルまで冷却させることが可能になりました。
といっても、方法は単純で「穴あき拡張スロットブラケット」と「大きなヒートシンク」だけですw
窒息ケースのエアフローを利用して冷却
窒息ケースのエアフローを利用して冷却

使っているケースが、エアフロー最悪なAbee smart 330Tなのですが、吸気が貧弱すぎてケースのあらゆる隙間から空気を吸い込んでいます。


この窒息状態を利用して、拡張スロットのブラケットをAntec P183に付いてきた穴あきのものに交換し、P400のヒートシンクを風の通る向きに変更したところ、ブラケットの穴から吸気された外気がヒートシンクに当たり、良い感じで冷えるようになりました。

P400を購入する場合、別途ヒートシンクは必須かと思われます。

  • 購入金額

    5,000円

  • 購入日

    2011年12月30日

  • 購入場所

21人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (7)

  • tomoさん

    2011/12/30

    ユーティリティー取り扱いやすそうですね。
    それにしてもいいな~SAS
  • ちょもさん

    2011/12/30

    tomoさん:
    ユーティリティはエントリーモデルのDELL SAS6/iRと比べてはいけないですね…
    動きもサクサクですし、便利です。
    SSDは“速くてあたりまえ”ですが、メカニカルなHDDで極限まで高速化させたエンタープライズ向けのSAS HDDって使っていて楽しいですね。

    業務向けのSASインターフェースカードって、中古だと激安で買えますのでお勧めですよ~
  • Vossさん

    2011/12/30

    え、これ五千円???
    羨ましすぎる・・・・これなら業務で山ほど使っているので、是非ともホスイ・・・・・
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