それはおかめ納豆を発酵させるむろ(何室もずらっと並んでいます。ネカフェ状態ですね。ただし一区画は密閉されていて広い)の制御システムを設計したときに知りました。発酵の工程も食品メーカーにより様々なんでしょうけどもタカノフーズ・おかめ納豆のそれはとても複雑な制御を要求されました。そしてその制御パラメータは沢山有る品種全て違うんです。もちろん発酵中の温度、湿度等全て記録されています。
納豆をどうやって容器に入れるか? わら式の納豆と同じ。
納豆用の豆を煮ます。
規定量の煮豆を容器に入れます。
煮豆の上から発酵のための菌が含まれた水を噴霧します。
薄いフィルムを乗せます。
たれ、からしを乗せます。
蓋を閉じます。
専用のトレイに並べ、それを規定の段数まで積み上げます。
ここまで完全自動です。しかも各工程後にこれでもかというほど自動確認の検査システムが付いています。豆以外の物が混入していないか、金属は含まれていないか。フィルムは規定通りに乗せられたか、からし、たれは乗っているか?最新鋭の装置で検査されますが、要所に人が配置され自動検査が見逃した問題は無いか監視しています。
衛生状態の管理もそうです。これでもかというほど徹底していました。
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ですから、食品会社がいい加減な生産を行って問題になった事件が起きるたび腹立たしくてしょうがありません。例の雪印とか不二家とか。あんないい加減な事をしている企業があるのは、もう企業風土というか文化の問題でしょう。あんなのは例外中の例外と信じたい。
タカノフーズは本当にこれでもかと言うほど徹底的な衛生、生産管理を行っていました。
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現地工場内設置調整時はいつものラフな格好で作業できるはずも無く、専用の靴と通気性のあまり良くない全身を覆うつなぎ服。使い捨ての手袋や頭を覆うゴム止めのカバーとマスク。
半導体工場はもっと凄いのですがあちらは涼しい。食品工場はそうはいかない。大変な職場です。俺はおかめ納豆は安心して買っている。俺もシステムは全く手抜き無くがっちり作り込みました。生産設備の一部を設計した人間が安心して食えると思っている事は参考にしていただいても良いかもしれません。
尊敬すべき食品会社もきっと多いんです。ですから馬鹿げた会社が食べ物を作って問題になった事件が起きるたびにとても悲しくなります。そういう会社は本当に食品を作る事を止めていただきたいと願っています。
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購入日
不明
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