レビューメディア「ジグソー」

人は蹴られても痛いけれど、蹴るのも痛いということが伝わる一作

1000年間無敗の陸奥圓明流(むつえんめいりゅう)という古武術の使い手の陸奥 九十九(むつ つくも)のお話。
単なる格闘技の話と言うよりも、格闘技を通しての人が通じ合うことを書いてある。

格闘技漫画のため、凄惨なシーンも出てきたり、試合・仕合が、殺し合いになってしまったりしてしまうこともあるけれども、そこには作者の意図が込められている。

(第一部)九十九が神武館に喧嘩を売り勝利する。
(第二部)全日本異種格闘技選手権決勝で闇の世界で生き残ってきた不破圓明流の不破 北斗を破り優勝。不破北斗は死亡。
(第三部)アメリカに渡り、史上最年少ボクシングヘビー級統一王者になる。
(第四部)ブラジルに行き、バーリ・トゥード(なんでもあり)の大会でレオン・グラシエーロを破り優勝。レオン・グラシエーロは死亡。
大会終了後、コンデ・コマの継承者であるケンシン・マエダと戦うためジャングルに行く・・・休載。

第四部の大会終了後、作者宛てに「なんでレオン・グラシエーロを殺したんだ!」とクレームが多数入り、それで作者が嫌になって休載したらしい。
確かに、レオン・グラシエーロは貧困層居住地に住む優しい神父さんだった。だから、殺さなくても良かったかもしれない。
しかし、真剣勝負であったがため、それぞれの戦うことへの思いが強かったため、どちらかの死が無い限りは戦いが終わらないということも、読者にはわかっていたはず。

九十九は殺すために試合をしたのではなく、もう二度と陸奥圓明流と戦うことを誰もしない・させないために、世界最強であることを示して、陸奥の血を途絶えさせようとしていたのではないだろうか。
この部分は、再開された第弐門の中で明らかになって行くように思う。

試合中に九十九はよくこう口にする。
「蹴られると痛いなぁ。」と。
どんなに強くなっても、蹴られることは痛いのである。こう作者は言いたいのではないか。
そして、蹴ることによる影響で、人を傷つけ、ときには人を殺めてしまうことも伝えたいのではないか。

ぜひみなさんに読んで欲しい一作です。
ちなみに、我が家にあるのは文庫版13冊です。
  • 購入金額

    0円

  • 購入日

    不明

  • 購入場所

19人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (4)

  • UDさん

    2012/02/24

    「あした青空」を持っていますw
  • makihibikiさん

    2012/02/24

    >UDさん
    コメントありがとうございます!
    よ、よ、読んだことありません!
    手配します!!(職場に有志で作った漫画部があるので、誰か持っているだろーと。)
  • makibisiさん

    2012/02/25

    タイトルは聞いたことあるんですけど、読んだことないですね。^^;

    漫画部・・・とっても気になります。w
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