監督:実相寺昭雄
待てど暮らせど結局最後まで怪獣・宇宙人が登場しない『ウルトラセブン』第43話は息子にとっても問題作であり、再び観直しているセブンの中で「ノンマルトの使者」と並ぶ名作だと私は思う。
「長い夜だ。いい夢をな!」
地球防衛軍が開発した長期自動航行可能の最新鋭宇宙ロケット、スコーピオン号のテスト飛行で地球を飛び立ったダンとソガ隊員。
プログラムしていた軌道を遥か離れ、30日間の睡眠飛行から目覚めた彼らを待ち受けていたのは、ロボットが人間たちを支配する、地球から約120億キロの距離にある第4惑星であった。
ポツンと存在する赤い公衆電話。
廊下のように縦長でえらく奥行きのある不思議な部屋。
時計仕掛けみたいな頭部内のメカをさらけ出し、秘書に油を射させるロボット長官。
体育館みたいな場所で次々に銃殺される人間。
人間居住区の空に浮かぶ4つの月。
大幅にはみ出した制作予算の帳尻をあわせるために、怪獣・宇宙人の出番なしで作られたストーリーはとにかくシュールで、科学技術の発展に夢を膨らませていた時代への示唆にとんだ内容で、とてもじゃないが子供対象のヒーロー番組とは思えない。
「眠っている間に見た夢じゃないの?」
ラストがまた素晴らしい。
第4惑星の地球植民地計画を阻止し、戻ってきたいつもと変わらぬ地球。
少し養生しろと休暇をもらったダンとソガ隊員は、歩道橋の上で明日の天気を下駄で占う。
淹れたコーヒーがぬるいと、ロボット長官に往復びんたをはられる、愛まち子さん演じる秘書アリーの暗い翳りのある表情もやけに印象的であった。
このミニフィギュアに彼女が付いていたら・・・なんて欲張り過ぎですよね。
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購入金額
210円
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購入日
2011年10月10日
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購入場所
ハットリックさん
2011/10/14
プロテ星人やナックル星人も演じてますね。
退会したユーザーさん
2011/10/14
セブンはところどころしか見ていないので
覚えてませんがこの回の評価はどうだったんでしょうか?
この廊下の端っこでコーヒー飲んでるのが
ロボット長官でつね(’’
これもまたしゅ~るでつ(・・v<やかんが特に(w
vingt-et-unさん
2011/10/14
>プロテ星人やナックル星人も
成瀬昌彦氏は劇団青年座の初代座長を務められていたんですねー。
この回に出演している、ダンやソガを逮捕する特高みたいな方も同じ劇団員のようです。
vingt-et-unさん
2011/10/14
「第四惑星の悪夢」は当時ブームになった『猿の惑星』にインスパイアされておりますね。
またヌーヴェルヴァーグの映画を観ているような感じもします。
全体的に暗い画面とか、人の顔を斜め下からアップで捉えるようなカメラなど、観終わっても印象に残る画が多いです。