私としては大変気に入っていましたが、時代と時間の流れに逆らうことはできず、現在は現役を引退し、DVのデータ吸い出し用として稼働しています。
本機は、当時ではハイスペック機に分類される機種で、当時は珍しい3CCDでセンサ構成されています。
レンジ幅が狭くなりはするものの日常使用では問題ないため、色再現性が高くメリハリのある画を作り出してくるメリットの方がはるかに大きいです。
先端技術として、レンズシフト式の光学手ブレ補正が搭載されたことも、出力映像の美しさに寄与しています。
その記録映像の高品質さから、当時はテレビ局のレポート等にも使用されていたと聞きます。
また、最近は削除されつつつあるファインダーも搭載されています。
コンサートの暗がりでの撮影やバッテリー消費の面で考えると、液晶画面だけでは難があります。
本機のファインダーは引き出すことで角度を調整することができるため、ローアングル撮影や三脚に装着して被写体を追うときにはとても重宝します。
ファインダーが搭載されている機種はあるものの、大抵この機能がない場合が多く、メーカサイドとして必要と思わないのか疑問です。
ファインダーと相まって、ズームキーがシーソースイッチ(前後方向)になっているため、とても操作し易いです。
本機は液晶で撮影するより、ファインダーを使用した方が撮影し安いと私は感じます。
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記録メディアは、今では数少なくなったDVテープです。
当時はHi-8からの過渡期でしたので、デジタル記録とそのコンパクトさにはワクワクしました。
さらに、これも今ではほとんど見かけなくなったPCカードスロットを搭載し、PCカード接続のFDDが付属します。
これを接続することでスチルカメラデータをFDに保存することができますが、ドライブを接続して使用することは実用的ではありませn。
このPCカードスロットには、フラッシュカード(CF等)を挿入することができ、そこに保存することができるため、我が家では念のためにCFにアダプタを装着し、本機に挿入しています。
また、当時SONYが推していたi.LinkことIEEE1394を搭載していたため、パソコンと接続することで、パソコン側から本機を制御し、データをデジタルのまま吸い上げることができました。
残念ながら現在はIEEE1394は影が薄くなっていますが、しばらくはデータ吸い出しに使用する予定ですので、パソコン自体からそのインタフェースが削除されないで欲しいところです。
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本体は全体的にメタルで構成されており、正直、大きく重いというのは否定できず、ハンディカムと呼ぶには多少無理があるかもしれません。
ただし、最近のハンディカムを触って感じたことですが、大きく重いというのはデメリットとは限らないと感じています。
この大きさ重さがあることで、手に持ったとき、三脚に装着したとき、ともに安定して動かすことができるのです。
最近のハンディカムで、例えば運動会などで子供を追いかけた時、上手く捕捉することができなかったり、手ブレがひどかったりすることはないでしょうか?
そのために手ぶれ補正が強化されたのかもしれませんが、本機では大きさ重さのお陰でカメラを振り過ぎが軽減されるのです。
外観で特記しておきたいのが、テープカウンタです。
今ではまず見かけなくなりましたが、本機には7seg LCDのテープカウンタが付いています。
デジタルですので直接テープのポジションにはなりませんが、早送り/巻き戻しした時にカウンタがアップ/ダウンするのは、なかなか味があって良いです。
更に、設定用に、今では懐かしい「くるくるピッピ」のスイッチが搭載されています。
操作しやすいか否かは使う人によると思いますが、私としてはこのスイッチが姿を消したのは残念です。
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テープメディアであるため、経年劣化でヘッドモータの劣化は避けられません。
モータが劣化してくると、再生時に飛んだり、ブロックノイズが乗ったりしてきます。
我が家の本機でも同様で、一度15,000円かけて修理しました。
修理後は正しく再生できるようになりましたが、劣化している状態で録画したデータは、正しく記録されていないためかブロックノイズが乗る状態でした。
また、その修理から帰ってきた明細を確認したところ、ズームモータやマイクも交換に加えて、システム更新が行われていました。
確かに作り出してくる画が修理前よりビビッドな印象を受けるようになってしまい、私としては修理前のバランスの方が良かったと感じています。
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あの頃から考えると、最近のビデオカメラはとても安価になったと感じます。
最近のハイスペックなビデオカメラであればアクセサリをセットにしても、本機の購入金額の半分程度で済むのではないでしょうか?
すでに1年半ほど前にビデオカメラを新調しました。
コンパクトで、フルハイビジョンの撮影ができ、ファインダーもタッチパネルも搭載され、納得はしています。
しかし、新調する際にいろいろな機種を見て吟味しましたが、購入した機種を含め、本機を超えて満足を得られる機種はありませんでした。
願わくば、本機の良さを継承した機種がお手頃な価格で発売されて欲しいところです。
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購入金額
300,000円
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購入日
1999年頃
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購入場所
ひでさん
2011/10/14
私もこれ使ってました。本当はVX2000とか欲しかったんですけどね。
ズームのシーソーが一番使い易いですよ!
何でもコンパクトにまとめちゃ駄目ですよね。
蒼-aoi-さん
2011/10/14
そのまま廃棄するには勿体無くて。
今使っているカメラとは3年ほど使っていますが、本機を使っていたときのように、上手く撮影できずにいます。
シーソーキーにしても、メーカーがニーズを考えているのかと思うことが時々あります。