所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。絵(マンガ)が先か音(イメージソング)が先かそんな記憶の中で両者が混ざり合っている作品をご紹介します。
“クリスタル☆ドラゴン”。少女漫画家あしべゆうほのライフワーク(他に「悪魔の花嫁」の作画家として有名)。話はケルト神話をベースとして、アリアンロッドと呼ばれる少女が伝説の「杖なき魔法使い」として成長していく話。敵役としては彼女の一族を壊滅させ、族長の娘ヘンルーダも自分の血で穢した「邪眼のバラー」。様々な困難を乗り越え、仲間を喪い、仲間を見つけ、成長していく...ハズ...っつ~のも、これ、あまりのライフワークぶりにまだ完結していない、どころか、作者が他の仕事をする際は休筆するのでもう30年も経つのにまだ二十数巻。忘れた頃に書店に出現し、「おっなつかし~」で買って帰ると数巻抜けてたり..の繰り返し。そんで当方はいま20巻くらいで停滞中。話はかなりファンタジー要素が強く、高尚で楽しめるのだが、筋立ても結構伏線ありで入り組んでいるので、一気に読みたいと思いつつ...ま、こちらは5巻分ほど遅れたからまた買っても良いな。
それで音楽。まだお話の方が一桁の冊数しか行ってないころイメージアルバムが出た。それをレコード店(CDショップではなく(^^ゞ)で見かけ、その少女漫画としては非常に書き込み要素が多く、ドラゴンが飛ぶ流麗な絵に魅せられたのが先だったか、音楽を手がける笹路正徳の名が目にとまるのが先だったか。いずれにせよ購入し、聴いてみると...嵌まった。
笹路正徳、伝説のバンド“マライア”のキーボーディスト。“YENトリックス”、“Marginal Love”などの名盤を残し、ちょうど注目していた矢先。ジャズ~フュージョンをベースに持ち、プログレ色をかぶせたロック。とまさに当時のcybercatの志向に超ツボはまり。そんな彼が、手がけたイメージアルバム、原作も荘厳な物語なので期待して聴くと...ヴォーカルレスで、リズムが打ち込み(それも当時の打ち込みなのでバリバリリズムマシンっぽいけど)ではあるが、メロディラインと展開が非常に美しい。キーボーディストならではのきらびやかなシンセを用いた構築された幻想的な世界と、マライアを彷彿とさせる変拍子をフィーチャーした激しいロック。
当時はアナログレコードで購入したが、後年3枚のアルバムが合体し2枚組CDとして再発された。
「真実の名」ハープとエレピが合わさったような音で主旋律が取られる女声コーラスが神秘的な曲。
「狩」当時の最新鋭サンプラーEmulatorを使ったクラシカルな曲(ティンパニは生らしい)。当時は使用楽器が詳しく書かれることも多く、この曲では他にDX-7とmini-moogを使用とか。
「ルーン」民族楽器のようなリズムのバックに、中間部のきらびやかなシンセのシーケンスと坂本龍一のようなピアノが美しい。
ハードサイドは「ル・ガール」。ハードロックに不気味なコーラスやボイス、ガラスの砕けるような音や獣の吠え声などのエフェクトを重ねた躍動感あふれる曲。主旋律は少し東洋的だが、オフでなるキーボードがディストーションギター風の泣きのソロ!
「バラーの手の内」は7拍子の緊張感あふれるヘヴィロック!ここで下降ラインの不安定なリフを奏でるのはホンモノのギター。ディストーションバリバリでスピード感あふれている。
「極光(オーロラ)」も7拍子(7/8というより3/4+4/4といった風情)で始まるド プログレ。緊迫感がある前半部とまさにオーロラのような幻想的な後半部。
...そしてこのシリーズに嵌まることになったきっかけは..「別離」。ザ・王道・オブ・泣きのハードロックバラード。Am⇒Em⇒G⇒D⇒F⇒G⇒A⇒Aの長調解決ではじまり、泣き泣きのmini-moogソロに行く。ディストーションバリバリでライトハンド風の運指もあり、ちょ~大盛り上がり。自分にとってmini-moogの音とはコレ!っていう感じで。これに出会ったために
これを買ったと言ってもほぼ間違いない(^^ゞ。
Amazonにはこの3アルバムの合体した2枚組CDは見当たらなかったので、「別離」の入った再発盤1stに繋いでマス。
【収録曲】
DISC.1
1. 真実の名
2. 悪魔の矢
3. 邪眼
4. 学びの園
5. 狩
6. 思慕
7. 反乱
8. 黒い血
9. 別離
10. クリスタル☆ドラゴン
11. 女魔法使い(ドルイダス)
12. バラーの手の内
13. サークレット
14. 不思議な島
15. 闇の血
DISC.2
1. 楯の乙女(スカルメール)
2. ウーナの嘆き
3. 妖精界への門(アールヴヘイム)
4. ルーン
5. ル・ガール
6. 誓い
7. 火の剣(フリーブ アン ティネ)
8. 運命(さだめ)
9. この一瞬の為に
10. 極光(オーロラ)
11. 剣
12. 眠れる竜
13. 杖
クリスタル☆ドラゴン
クリスタル☆ドラゴン2
クリスタル☆ドラゴン3
「クリスタル☆ドラゴン」(31分44秒からのmini-moogソロ必聴)
物語性がある作品。美しさの中に潜む狂気。
無機質なリズムと笹路の奏でる美しい旋律、そしてその底にたゆたう恐ろしさ。
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購入金額
4,466円
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購入日
1991年頃
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購入場所
ふじしろ♪さん
2011/10/31
原作の物語はようやく、佳境を迎えたところで、バラー・アリアン共に竜の杖を手に入れたのですが、またもやそこで「悪魔の花嫁」の連載に作者が向かってしまい、中断されたまま(汗)
完結するのかしら。
ANIMEX 1200シリーズの方のCDを持っております☆
どちらかというと、私は、チーフタンズや、ケルティック・ウーマンあたりのアイルランド音楽が好きなもので、このアルバムはホンノリ「クリドラと違うなぁ…」と思ってはいます。
が、旋律は美しいですね。
”ジャズ~フュージョンをベースに持ち、プログレ色をかぶせたロック”
というcybercatさんの解説で、傾向がよくわかりました。
私の好きな方向性と、ちょっと違っていたから違和感があったんですね!
またゆっくり聞いてみます~。
cybercatさん
2011/10/31
>原作の物語はようやく、佳境を迎えたところで、バラー・アリアン共に竜の杖を手に入れたのですが、またもやそこで「悪魔の花嫁」の連載に作者が向かってしまい、中断されたまま(汗)
な~る。秋田書店系って本屋も大きいところに行かないと置いてないので、田舎では情報が途切れがち。(^^ゞ
>このアルバムはホンノリ「クリドラと違うなぁ…」と思ってはいます。
自分もこのアルバムにはちょっと打ち込みのドラムなどは違うな、という気がします。
マンガに入り込んだ後にコレ聴いたらちょっと...となったかもしれません。
私は笹路正徳ファンだったので受け入れ可能でしたが...
yookano794さん
2012/06/25
あしべゆうほの絵も勿論良いのですが、クリスタル☆ドラゴンは物語も面白いですね。
果たして完結してくれるのかどうかが、私も心配しています。(w
「ガラスの仮面」とこれは、最後を是非とも読みたい作品No.1ですね。
cybercatさん
2012/06/25
>原画を見る機会がありました。
なんと!うらめし...イヤうらやましい...
>クリスタル☆ドラゴンは物語も面白いですね。
>最後を是非とも読みたい作品No.1ですね。
大筋としては予定調和なんでしょうが、そこにどうやって持って行くのかそれが知りたいです!