レビューメディア「ジグソー」

King of 安物電源!でも、普通に使えるよ(・∀・)

POWER MANのATX電源「IP-S450CQ2-0」です。
PC-NETで500円のジャンクで売られていたので購入しました(;=゚ω゚)=333

【形状】ATX
【出力容量】450W
【出力電流】3.3V:24A、5V:15A、12V:18A+18A、-5V:無、-12V:0.3A、+5VSB:2.5A
【コネクタ】20p+4inATX、田型4+4pin、PCI-E(6pin)×1、S-ATA×4、ペリフェラル×2、FD×1
【発売時期】不明
【製品HP】(↓型名は同じだが、ファンガード等に違いがあります)
http://www.emu-corp.com/in-win-lineup/ip-s450cq2-0/

ショップブランドのケースで定評のあるIN WINが販売するPOWER MANブランドの電源です。
(恐らく、電源は自社生産では無いと思われます)

まず、持ってみて非常に軽い印象を受けます。外から見ても判るくらい中身もスカスカです(^^;

容量は450Wと廉価PCでは十分な容量で、コネクタ類はCPU用が4+4pinであったり、このクラスでグラフィックカード用のPCI-E(6pin)が付いていたり、意外に充実しています(;=゚ω゚)=333
容量は必要十分!
容量は必要十分!

ファンは12cmのものが使用されており、静音と言えるレベルです。
(HPを見る限り、「静粛性を考慮してスマートな熱制御」と書いてるので回転数可変タイプっぽい)
ファンガードは電源の筐体の鉄板を直接打ち抜き整形されたものでフラットです。別途、ファンガードを付ける材料費や取付工数を削減しているものと思われます。ひょっとして、電源の筐体ケースだけIN-WINで作られているのかも(^^;
巨大なファン
巨大なファン


PC-NETのジャンクコンテナに押し詰められていました。
同店でPOWER MANのSFX電源を購入したときは3台中2台が死んでいたのですが・・・
今回は未使用っぽく見えたので、懲りずに購入してみました(^^;

とりあえず、ジャンク品なので解体してみます(`・ω・´)
すると・・・明らかにスッカスカですw
これなら、奥行き12cmにしたら良いのに・・・(12cmファンが入らなくなりますが)
パカッ!
パカッ!

ACインレットの部分です。
端子雑音対策用のXコンとYコンが、インレットの足に直接はんだ付けされています。
このインレットの足1本に、Xコン、Yコン、抵抗、リード線と4つの部品がはんだ付けされており、かなり作業がし難そうです(^^; 基板に載せればよいのに・・・
ACインレット部分
ACインレット部分

AC平滑用の電解コンデンサはSAMXON製の680uFが2本。一応、105℃品で地雷で有名な動物電源とは異なります。

アレニウスの2倍則に従うと、同じ保証時間の場合105℃品は85℃品の4倍の寿命を誇ります。とは言え、1次側の平滑ではリプル電流も少なく、スイッチングのパルス成分を平滑するような激しい充放電がある訳でも無いので、あまり気にする必要が無いと思います。
(オーディオアンプなど民生機は85℃品が主流ですが、設計が悪くない限り20年使っても壊れることは少ないです)
AC平滑用電解コンデンサ
AC平滑用電解コンデンサ

1次側全体を見てみます。
右下の方から、ヒューズ、コモンモードフィルタ、XコンとYコンがあります。
ACインレット側にもあるのに何故・・・端子雑音が大きくて防げなかったのだろうか・・・

そして、平滑用のブリッジダイオードを通り、AC平滑電解コンデンサへ。何故かここにバリスタが入っています(^^; 普通はブリッジダイオードの手前なんだけどな・・・ 部品IDがZNなのでバリスタと思うけど、突入電流防止用のパワーサーミスタの可能性もあります。

その後、PFC及びスイッチングのコントロールICを通り、トランスへ。放熱板の裏にはスイッチング用のFETが付いています(゚ω゚)
SW電源1次側
SW電源1次側


お次は2次側。
トランス通過後に放熱板の付いた平滑用のダイオードを通り、電解コンデンサで平滑を行い、トロイダルのコイルでスイッチング周波数のスパイクノイズを取り除いています(;=゚ω゚)=333
さすがにPC用だと電流が大きいので、かなり大きなコイルが載っていますね・・・

ちなみに2次側のコンデンサは地雷で有名だったコンデンサ「OST」のオンパレードorz
しかも、容量、サイズ、数量ともに少ないような気がします。
PC用ではコンデンサの定格リプル電流を超えた使い方が普通なので、コンデンサ自身の自己発熱が大きくなります。ちゃんと冷やさないと、すぐに破裂すると思います(^^;

左下はフィードバック回路で、電圧検出を行いフォトカプラを経由して1次側に返しています。
通常、過電圧はここで検出されて保護されます。
電源2次側
電源2次側


パッと見ですが、
・基板は紙フェノール(片面実装用で強度が低いが安い)
・部品は片面実装(チップマウンタは不要。恐らく自動挿入機も使わない、中国の人海戦術(^^; )
・放熱板は必要最小限のサイズ
・2次側の電解コンデンサは少なめ
・そもそも比較的高価そうな部品がFETとコントロールICくらいしかない・・・
 (トランスやコイルは日本製だと高いですが、ほとんど人件費なので中国製だと凄く安い)
っとよくコストダウンが出来ている気がします(^^;

ただ、熱的にみても、コンデンサの容量的に見てもマージンは無さそうな設計がされているようなので、十分にデレーティング(例:通常は各出力の定格の3-4割程度で使用する)して余裕を持って使うのが良いと思います(゚ω゚)

粗悪電源で話題となった動物電源がありますが、ちょうどこの時にに発熱・消費電力の大きいPentium4やAthlonXPが主流だったのが問題で、Socket370など消費電力の低い環境環境でデレーティングしてやれば意外と長く持ったりするものです(´ω`)
(それでも、リード線の処理がヘタクソで、いきなりバチッっとショートしてお亡くなりになるクソ電源もあるのですが・・・)

ちなみに動作は問題ありませんでした。
動作確認風景
動作確認風景
電圧も問題なさそう
電圧も問題なさそう


使用頻度の低いサブPCなどで使いたいと思います。
  • 購入金額

    500円

  • 購入日

    2012年07月28日

  • 購入場所

    PC-NET日本橋店

25人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • いぐなっちさん

    2012/08/05

    大変詳しい解説ありがとうございます♪
    勉強になりました。
  • ふっけんさん

    2012/08/05

    いぐなっちさん

    普通の組み込みスイッチング電源の設計者から見ると、450Wで2000円程度で売られている電源なんて、どうやっても作れないくらい、ありえないほど安いです(^^;
    だから、中身がどうなって、どのようのコストダウンしているのか気になってしょうがないところがありますw

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