レビューメディア「ジグソー」

天才が残した名作

「仮面ライダー」、「人造人間キカイダー」と並ぶ巨匠・石ノ森章太郎の傑作。
奥付け:昭和41年7月15日初版発行
     平成15年3月1日98版発行
日本SF漫画の金字塔は刊行40周年。
少年期にアニメを見たのが先か、原作が先かはもう忘れてしまったが数巻所持していた。
手塚治虫の「ブラック・ジャック」や「バンパイア」などとともに大好きだった漫画のひとつ。
母親が段ボール箱にドーナッツ盤やオモチャとともにしまい、物置に保存してくれていたようなのだが残念ながら処分されていた。
40歳を越えてあらためて購入。
それぞれ特色のあるカッコイイ9人のサイボーグ戦士が悪いヤツラを叩きのめすSF漫画・・・のイメージがずいぶんと異なってしまった。
死の商人「黒い幽霊団」=軍産複合体である邪悪な組織がビジネスである未来戦争のために生み出した、哀しき改造人間たち。
9人の男女が「黒い狩人」によって世界中から拉致後戦争道具の試作品として改造され、反組織体制にまわり、平和のため終わりなき戦いに身を投じてゆく経緯の物語。
天才幼児001の誕生、004の改造人間としての誕生挿話には幼心にもかわいそうな話だなと感じた記憶が残っている。
そして9人目のサイボーグ、主人公の混血児島村ジョー009の誕生(ジョーは天才カーレーサーだったような記憶もあるのはアニメの話しだったのか?)。
モスクワからNY、フランス、東西分裂していたドイツ、中国、イギリス、ネイティブアメリカ、アフリカ、そして日本と、世界各国からそれぞれ異なる特殊能力を備た魅力あるキャラクターを生み出しているところなどがとても興味深い。
当初は一冊モノで終わる予定だったとか。

雑誌連載当時1964年は、東西の冷戦やベトナム戦争など正義を見失った混沌とした時代背景が色濃く、進化した科学の産物、核を歪んだ国益追求のために研究・開発・所持し始める世界に、警告を発する作者の炯眼。
これも「仮面ライダー」や「キカイダー」に共通のテーマが全編にわたり貫かれており、やはり子供のためだけの漫画とは思えない。
所々、記憶の断片にあるシーンが読みたいのだが、何巻のどんな物語だったかは失念。
ですので次は2巻を購入します。
全15巻、ジックリとそして何度も繰り返し読むに値する本です。
  • 購入金額

    490円

  • 購入日

    2011年07月10日

  • 購入場所

16人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (9)

  • aoidiskさん

    2011/07/10

    漫画もアニメも好きでした。

    石ノ森章太郎先生

    石森章太郎先生時代の

    ジュン 好きでしたね。

    いいですね。
  • Deep Impactさん

    2011/07/10

    大人になった今だからこそまた読み直したい一作ですねっ!
  • vingt-et-unさん

    2011/07/11

    aoidiskさんもお好きでしたかー。
    もうもうワクワクしっぱなしになるくらい好きでした。
    「加速装置っ!」なんて奥歯をカチッとさせて廊下を走ってみたり(笑)
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