その中で、ROGでありながら2万円を切る価格で売っていた本マザーを入手してみました。
[ PC構成 ]
CPU :Intel Core i7-2600K #6
CPUクーラー :TrueBlack 120
マザーボード :MaximusIV GENE-Z
メモリー :G.Skill F3-16000CL6T-6GBPID
VGA :なし
SSD :Crucial RealSSD C300 64GB
電源 :Silver Stone SST-ST1000-P
OS :Windows 7 Enterprise SP1 64bit
ケース :CoolerMaster Test Bench V1.0
[ I/Oパネル部分 ]
・USB2.0 8port
・USB3.0 2port
本製品では、P8シリーズやMaximusIVExtremeに装備されていた「IEEE1394」と「Bluetooth」が省かれている。
そのかわり、USB2.0のポートが8個もついているのは小型のMicroATXボードでは非常にありがたい。
※8個中1個はROG Connectポートとなる。
さらにUSB3.0ポートも2個搭載されており、外部の高速ストレージを使用できる。
・HDMI端子 1個
ROGシリーズでは初となる外部映像入力端子が標準搭載されている
ROGシリーズと言えば、オーバークロック用のハイパフォーマンスボードというイメージが強く、高電力・高出力なイメージが強いが、本製品を使用した電力消費テストでは、かなり省電力性に優れていた。
Zシリーズのボードが全般的にそうなのもしれないが、個人的にROGのボードとしてはかなり異色のマザーだと感じた。
外部GPUを使用した場合、ボード上に実装されている「Virtu」により内蔵GPUの「Quick Sync video」を使用することも可能だ。
[ ボード上の装備 ]
・ROG Connect
USB経由で接続したノートパソコンなどのPCからBIOSの設定が可能な「ROG Connect」の有効/無効を切り替えるスイッチ。以前自分は、RampageIIIExtremeにて、ROG ConnectにVAIO Pを接続し、Windowsを起動させた状態でオーバークロックテストを行なったことがあるが同様のことがMaximusIVGENEでも可能となる。
・GO BUTTON
OS起動中に押すとメモリーのオーバークロックができるらしいが、押しても何も変化はなかった。
システム起動前に押すと、P8P67 EVOなどに実装されていた「MEM OK!」と同様の効果が得られる。
MEM OK!は、メモリーの相性が出た場合にメモリーの起動設定を自動で認識してくれる機能だ。
・Extreme Engine Digi+
ROGシリーズの上位機種MaximusIVExtremeと同等の8+4フェーズのデジタル制御式のVRMを基盤上に装備。BIOS上からより細かいフェーズ切り替えが可能。オーバークロック時の安定性を上昇する。
・iROG
各部の電圧や動作クロックをBIOS上で細かく制御できる。P8シリーズには搭載されていないROG独自のチップ。
・PCI Express X16 X2
グラフィックボードなどの拡張カードを指すPCI Expressスロットは2基搭載されている。
ATIボードのCross FireX、NVIDIAのSLIに対応しているが、2枚差しした時にはそれぞれX8となる。
Z68の仕様上、X16スロットに他の拡張カードを指した場合は、ビデオカード側もx8になることは覚えておいた方がいいだろう。
※MaximusIVExtremeとの違い
・Dual BIOS
MaximusIVExtremeでは、2基のBIOSが搭載されており、片方のBIOSがクラッシュしても復旧できたが
MaximusIVGENEは1基しか搭載されていない。
・Intel製LANChip
MaximusIVExtreme 2個
MaximusIVGENE 1個
その他かなりの仕様の違いがあることがわかるがその分、コストが低く抑えられている。
[ SoftWare ]
・ASUS Ai SuiteII
ASUSの各ツールを統合したユーティリティツール
・TurboV EVO
OS上から簡単なオーバークロック設定が可能
・DIGI+VRM
OS上からデジタルフェーズを切り替え可能
・EPU
OS上から省電力設定を切り替えることが可能
・FAN Xpert
OS上からFANスピードを変更可能
・ProbeII
OS上で電圧設定を確認可能
・Sensor Recorder
OS上で各電圧、温度、ファンスピードなどをリアルタイムモニタリング可能
・Ai Charge+
有効にすることで、ipodなどの機器の充電速度を約3倍も高速にすることが可能
・ASUS ROG Connect
・ASUS ROG Connect Plus
・ASUS ROG GameFast
本ソフトは、他のPCなどにインストールし、ROG Connect経由でMaximusIVGENのBIOSをOSを起動した状態で可能する遠隔操作要のソフトウェアだ。
・Disk Unrocker
WindowsXPなどの古いOSで2.2TB以上のHDDを認識可能にするためのソフトウェア。
SoundBlaster X-Fi MB2
本機に実装されているSound chipにてクリエイティブの「EAX(擬似サラウンド機能)」、「Alchemy(WindowsVISTAおよびWindows7でEAXを有効にできる機能)」、「Crystalizer(高音補完。MP3などで効果を発揮)」が使用可能となる。
・DEMON Tools
仮想ディスクをマウントできるツール。
・Mem TweakIt
メモリーのオーバークロックユーティリティ。メモリーのレイテンシをOS上から変更可能。
・ROG CPU-Z
OS上でCPUの仕様を確認できるシステムインフォユーティリティ
・Lucid Virtuソフトウェア
OS上で、外部GPUとCPU内蔵GPUを切り替えることができるソフト。
ソフトウェアで残念なのは、3DMARK11やPCMARK7などのライセンスが付属していないことだ。
個人的には二千円程度価格が上がってもいいから、付属して欲しかった。
[ オーバークロック ]
P8P67での検証では、5GHzでの常用設定において、安定することはできなかったが、本製品では、5GHz常用が可能だった。「iROG」による細かな電圧設定や「Digi+」による電源回路などの機能によって5GHzでも非常に安定して稼働が可能になったと見ている。
Core i7 2600K 1.456V
5GHz OCCT 1H 完走
ただし、オーバークロックの限界値は、P8シリーズと変化なく、ROGだからと言って限界値が伸びることはなかった。
Zシリーズ期待のBCLK耐性については、P8シリーズよりも低い値となった。
P8 BCLK限界 106.0MHz
MaximusIVGENE 105.0MHz
Pシリーズと比較すると高クロック域での動作やベンチマークは非常に安定しており、ROGである点をあえて言うなら、やはり安定性が高いということになるだろうと思う。
[ 消費電力 ]
今後の自作のキーワードと言える「省電力性」については、抜群と言える。
定格動作
アイドル時 57W
高負荷時 147W
※高負荷時はOCCTのPOWER SUPPLYの一番高い消費電力で計測
★総評★
ROGらしい高いオーバークロック性能と安定性を確保しつつ、必要最低限の装備でコストをかなり抑えている点が非常に好感が持てる。
アイドル時の消費電力は低く、小型ケースに装備しても十分に熱を抑えることができるだろう。
ビデオカード2枚差しによるハイスペックゲームマシンやVirtuを使った小型映像編集マシンなど、自作コンセプトの幅も非常に広いボードだと言える。
これらのコンセプトをこのボード1枚で組み上げることができるのは自作好きにはたまらないのではないかと思える。
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[ 2011/8/24 追記]
常用5GHz達成!
他の板では、常用5GHzは中々通りませんでしたが、この板でOCCT1h突破できました。
耐久度は、かなりあるんだと思います。
5GHzの状態でのフルロード時の消費電力は、226Wでした。
アイドルは、40W程度です。
Z68は、高性能と省電力性を見事なバランスで達成しているボードだと思います。
中でもこの板はコストパフォーマンスもよく、お薦めできる板ですね。
PCIがほしい人には向きませんが、小型・高性能・低消費電力なマシンを作りたい人には至高の1枚だと思います。
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購入金額
19,980円
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購入日
2011年07月31日
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購入場所
ネイエフさん
2011/08/06
ただ唯一の欠点がPCIがないことです
SE-PCI200があああ・・・
300は高すぎて(
つくもさん
2011/08/06
このマザーはどっちの方向に降るかで、お金のかけ方が全然ちがってきますね
PCIがないので、PCI Express x1のカードを使うしかないんですよね。
300は3万近くするから出費がバカにならないですね;
ネイエフさん
2011/08/07
いずれPCIがなくなると考えると必然的に移行しないといけなくなるのがつらいところです
そのころには2万円ぐらいまでに下がっていてほしいものですが