2014年10月にプロケーブル社さんから200-100Vダウントランスを購入しています。
音楽は好きだがオーディオには興味が無いと仰る方でも、導入前後で著しく変化した店内の
サウンドに驚かれます。
同時にプロケーブル社推奨の電源ケーブルとSPケーブルも交換したかったのですが、どの製品の効果が現れているのかを知るためには、順序立てて交換するのが良いと考えて、約1ヶ月後に電源ケーブルを交換し、その1週間後にSPケーブルを交換しました。
どんな思いで SPケーブルを交換したのか
オーディオに興味を持ちだしたのは1973年頃です。
既にビクター社からスーパースピーカーコードと称する赤と黒の細い導線を編みこんで平たく成形した製品が出ていました。
私はより安価な製品でパイオニア社が販売していたスタッカードケーブルという赤白各2本づつの動線を灰色シース内で捻るように配置した製品を、ダイヤトーンDS-251-2付属の細いケーブルと交換し
なんちゃってマニア感を味わった甘酸っぱい思い出があります。
その後、テクニクスのSB-F01という時代を先取りしたデスクトップ小型SPや、オーディオテクニカのVM型カートリッジAT-15EaGを実験台にして、自作ケーブル制作を楽しみました。
鮮明に覚えているのは、自作三つ編みSPケーブルが、SB-F01の音圧を数段上げてくれたこと。
具体的に云うと、ボリュームを上げても音が歪まないのです。
良い音のままで音圧をあげることができました。
その結果、連続した過大入力によりユニットが断線してしまいましたが、、。
フォノカートリッジとシェルを繋ぐリード線は、リッツ線と呼ばれる細い導線一本一本を絹糸で覆い
(高域は導線の表皮面上を流れるため)高域を伸ばすと謳われたモノが流行していました。
その製品の逆を試そうと、太い銅単線に交換すると、図太い音に変化した記憶があります。
今は非常に高価な製品が溢れる世の中になりました。
専門誌広告ではⅠm辺り数万円以上のプライスタグが踊ります。
一つの分析として、市場が1/100になると、会社をたたむか販売価格を数十倍にするしかない
というものもあります。
ここでまた古い話を書きますが、ホンダがNSXを販売したのは1990年でした。
世界初のアルミモノコックボディに横置きV6エンジンをミドシップしたスポーツカーは、シビックやアコードからの乗り換え組より、Zやソアラから、またはフェラーリやポルシェオーナーの増車が多かったようです。
NSXのエンジンはC30Aという高級セダンレジェンドに搭載されているものとほぼ同じです。
故にホンダディーラーは、当時4Lで3,000円前後で販売されていたウルトラUを指定していたのですが、高額なオイル価格が当たり前だと信じ込んでいた外車からの買い替え組の多くが、「そんな安物では心配だ」と騒ぐので、NSX用と称した高価なオイルを用意したとかしないとか、、。
他には
アキュフェーズやラックスマンの高級アンプは、20万円台のエントリーモデルもハイエンドモデルも
興味のある方でないと、一見してあまり違いが分からないようにデザインされている。
その理由は、奥様が外出中にそっと交換してもバレないようにだとか、、。
電源ケーブルやRCAケーブルの市場価格が2〜4万円あたりに集中しているのも、素材や構造がそうさせるのではなく、まず値段ありき。
お父さんの平均的なお小遣いで買いやすい価格ありき の企画なんだと聞いたことがあります。
それはおかしい! きちんと効果があるんだから!
それも判ります。
確かに音は変化します。 多くの場合 良くなっていると思います。
でも、街乗り買い物用の小型車に、超高級オイルを頻繁に交換した挙句、5万キロも走らない内に買い換えるのはどうなんでしょう?
10万円のアンプと10万円のスピーカーの間に4万円のケーブルってバランスが悪くないですか?
異なるご意見をお持ちの方がたくさんおられるのは承知しています。
上記のような考えと持った野郎が書いているという事をまずお伝えしようと書きました。
店内に愛用のNS-1000Mを設置した当初は、パイオニアのスタッカードケーブルがまだ売られていたので、新たに買い直しました。
SPの配置を変更した時には既に廃番でしたので、長岡教の教えに従いキャプタイヤケーブルを引き直しています。
それから数十年が経過し、2年前にプロケーブル製ダウントランスを導入。
一気に音が変化しました。 良い方向に。
プロケーブル社HPには各種ケーブルの使い方、選び方、基本理念が詳しく書かれています。
それによると左右のケーブル長は揃えるべきとあります。
それまでは5メートルと3メートル長と、大幅に異なる数値でしたので、これを機会に5メートルで
揃えることにしました。
導線の種類や、長さによって 音の傾向が変化するという概念は既に持っておりましたので
プロケーブルHPを信じて製品を選びます。
プロケーブル社のHP記載の「公式」はこうでした
メッキ線材の場合(銅に錫メッキされていて銀色の線材)
ベルデンやWEなどの錫メッキされている線材は、短くすると、音が柔らかくなります。
長くすると、音は、よりシャープになります。
細くすると音はシャープになります。太くすると音はマイルドになります。
非メッキ線材の場合(銅そのままの、銅の単線)
非メッキ線材は、長くすると音が柔らかくなります。
短くすると、音がシャープになります。
太くすると、一般的には、音は柔らかくなります。
細くすると、これも音はシャープになる傾向を見せます。
私が選択したのは、ベルデンの8470
白と黒に別れたケーブルが捩られています。
芯線はメッキ線で、これもシースの中で捩られています。
プロケーブル社では、各ケーブルの推奨長が記載されており、この8470は2〜4メートル。
私が購入した時は5メートルまでが推奨範囲だったと思うのですが、現在は上記記載です。
価格は1メートル辺り290円でしたので、2本で計2900円です。
末端処理要らず
メッキ線ですので、そのまま使えます。
NS-1000Mは、驚くほど安物のワンタッチ端子ですので、末端にIラグをかしめて差し込んでいます。
オーディオアナログ製アンププッチーニの端子は、これも小さなものなので、Yラグをかしめました。
プロケーブル社HPによると、ラグは工事用の安価なもので充分だとのことです。
安い 不満無し
それまで使っていたキャプタイヤや、パイオニアのスタッカードケーブルは、丸形状シースであったのに対して、このベルデンは、捩られた2本の白黒ケーブルなので、始末が悪いのではないかと
心配していましたが、芯線が固いようで、故意に力を入れなければ、まったく解ける気配も無く
ラック裏でも、配線隠しの中でも、非常に納まりが良いです。
ベルデンというブランドの対価として、メートル辺り290円は安いと感じてます。
交換の効果は判らない
ダウントランス導入で、天と地がひっくり返るような変化がありました。
最初に高域が伸びすぎ! と感じるんです。
通常電源に合わせてチューニングしたセッティングでは、とにかく高域が強調されているように感じました。
後日電源ケーブルのレビューで書きますが、それを改善するために無メッキの電源ケーブルに交換し、SPのアッテネーターをプラス3dBからマイナス2dBへ変更。
これで、素晴らしくフラットで分解能の高いサウンドに変貌し、
先に述べた刺激は感じなくなりました。
聴こえなかった音が聴こえる。 言い古された表現を使いたくなります。
最後に交換したSPケーブルですが、正直なところ、劇的な変化は感じませんでした。
古い愛聴盤を聴く度に新しい発見があるのですが、SPケーブルがどのくらい貢献しているのかは
判りません。
正直な感想です。
でも、今思えば、わずか数百円の投資で、左右の長さを揃えることができたのです。
精神衛生上はこの上なくよろしいようで。
それに過去に楽しんだ実験によって自分が得ている知見、外の世界で出会う機器に対して私が思う印象と、プロケーブル社HPに記載されている情報が整合することがとても多いので、そのHPが推奨する製品を使っている事で得られる安心という価値は充分に感じられます。
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購入金額
2,900円
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購入日
2014年11月05日
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購入場所
プロケーブル社
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