レビューメディア「ジグソー」

これからの季節に!

所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。ある特定のゾーン(性別/年代/地域)にバカ受けするアーティスト、というのがありますが、今回そういったアーティストをご紹介します(あれこれもなんか前書いたな⇒ヤングアダルトな女性に...)。

Pablo Cruise。1980年前後に活動したアメリカンロックバンド。彼らの人気を支えたのはサーファー。明るい!ノリがいい!覚えやすいメロ!と海岸でAMラジオやカセットテープ(当時)でガンガンかけながら波に乗るのにベストマッチ!!スローなラブソングは恋人達が夕日を浴びながら海岸線を手をつないで歩くのにぴったし!サーフロックという一ジャンルを築いたものでした。

商業ロックなどと揶揄されて、正当な評価を受けていない一面がありますが、このアルバムは心機一転、Eric Claptonなどのプロデュースで知られるTom Dowdを迎え、AORサウンドへ脱皮を図った意欲作。

「This Time」から始まるが、こりゃ超~キャッチー。押し寄せる波のようにフェードインしながら始まり、ツインギターがハモりながらギンギンにリードして進む。メロタム(メロディックタム:ドラムで裏の皮がないシングルヘッドのタムタム)とはっきり判る抜けが良いフィルインがエネルギッシュで、波に乗っている感じ!

つづく「Cool Love」は全米13位まで上がったスマッシュヒットで、ソウルフルなボーカルに少しリバーブ処理された歌うベースラインがからまり「夏の終わりの(←イメージ)夕暮れの海岸を(←イメージ、イメージ)足を波に浸しながら歩く恋人達(←だからイメージだってば)」を歌ったラブソング(たぶん)。

一方、「One More Night」はリバーブかけたベースとリズムギターのミュートカッティング、リズムパターンにライドシンバルのカップ音を組み入れたミドルテンポチューンでちょっと夜の大人の雰囲気が漂うAORチューン。同系統なのは「Inside / Outside」。テンポは遙かに早いが、やっぱりアダルトな感じぷんぷん。

ラストの「Drums In The Night」はその名の通りドラム大活躍の曲で、やはりウエストコーストロックの定番、メロタムの乱れ打ちが大盛り上がり大会。少しフュージョンっぽいアレンジでピアノのコード弾きによるソロもカッコイイ!!

この作品はアナログレコード時代にジャケ買いして気に入っていたのですが、CD化されているのを発見してゲットしたもの。
このヤシと水に濡れた感じがやっぱサーフロック!
このヤシと水に濡れた感じがやっぱサーフロック!
これからの季節(夏)に!海岸で!

【収録曲】
1. This Time
2. Cool Love
3. Don't Let The Magic Disappear
4. One More Night
5. Jenny
6. Slip Away
7. That's When
8. Inside / Outside
9. Paradise (Let Me Take You Into)
10. Drums In The Night

Pablo Cruise Website

「This Time」

  • 購入金額

    1,800円

  • 購入日

    2006年頃

  • 購入場所

12人がこのレビューをCOOLしました!

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