レビューメディア「ジグソー」

定番ならぬ定盤

所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。AOR定番アルバムとして玄人評論家のセレクトには必ず入りながら、日本での一般的人気が必ずしも高くないアーティストがいます。そんなアーティストにスポットライトをあてて、ご紹介します。

AMBROSIA。以前ご紹介したDavid Packの出身母体。もともとはプログレバンドだったようだが、このアルバム前後でAORへの脱皮をはかり、見事に成功。6人のメンバー中4人もリードボーカルがとれるという歌唱力で、すばらしいハーモニーと楽曲の良さもあいまって人気を博したが、なぜか日本では比較的音楽性の近いTOTOやThe Doobie Brothersの人気に比べると玄人受けにとどまっている。
時代を感じるスタイルだw
時代を感じるスタイルだw

1曲目の「Ready」は出だしのリフもキャッチーで、それまでのプログレ色はかなり薄い。コーラスの感じなどが初期のTOTOを彷彿とさせる。クレジットにもあるとおりこれの


原器、Mini Moogであることがはっきりと判る単音のシンセソロがイイ感じ。続く「Shape I'm In」。ハードなディストーションギターとタイトルのコーラスのハーモニーがアメリカンロック!5曲目「Rock N' A Hard Place」、これも初期TOTOかというような根が明るいプログレ調アメリカンロック。変拍子やティンパニやバイオリンなどクラシック楽器も使われてるけど、ハーモニーとぐいぐい引っぱるノリで聴かせる。

でもこのアルバムで評価されているのはMichael McDonald時代のThe Doobie BrothersをおもわせるAORチューン「You're The Only Woman(愛にときめいて)」と、なんと言っても全米3位のヒット「Biggest Part Of Me」。これは先にご紹介したTAKE 6が後にカバーし、そちらもヒットとなったので改めて見直された。

評論家ではないですが、AOR好きであれば押さえておくべき「定盤」です。

【収録曲】()内邦題
1. Ready (もう待てない)
2. Shape I'm In
3. Kamikaze (神風)
4. You're The Only Woman (愛にときめいて)
5. Rock N' A Hard Place
6. Livin' On My Own
7. Cryin' In The Rain (雨に打たれて)
8. No Big Deal
9. Biggest Part Of Me

「Biggest Part Of Me」

  • 購入金額

    2,100円

  • 購入日

    1990年頃

  • 購入場所

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